『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  22

2011-02-22 08:33:52 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『パリヌルス、君はどう思う。彼らが交易の件で、この浜に来るのは、つぎはいつ頃だと思う』
 『そうだな次に来るのは、一ヵ月後か、はたまた、二ヵ月後くらいだろう』
 『俺は考えるのだが、交易の日日ち的なスケジュールと交易品目とその量だと思う。この計画を綿密にたてて事を処理していかないとしくじるぞ』
 イリオネスは、二人の言っていることをうけて指示を出した。
 『判った、これについては両人、小一時間ぐらいで大まかでいいから案を頼む。アーモンドについては大体判っている、戦利品の類についても判っている。問題は麦のことだ収量と処理について、どのように事を運ぶかだ。こちらの意図が知られては困るから、充分に注意して時間運びをやろうではないか』
 両人は了解した。イリオネスが訊ねた。
 『交易船の船主は何んと言ったかな。名前だ。パリヌルス』
 『テカリオンです。レスボス島の商人です』
 『パリヌルスは、船主と知人の間柄のようだが、あとの三人は初対面だ。まず、相手と心と心の橋がけから始めよう。我々が相手から手にするのは情報なのだ。うまく話を進めるように気を配ろう。間を上手にとって、オキテス、君の出番だ。そして、夕食と行こう、夕食には酒を酌み交わして、パリヌルス、旧交を温めて話を進めるというのはどうだ。話を進める段取りはこれでどうだ。俺は、挨拶のあとは聞き役に徹する。よろしく頼むぞ』