『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  13

2011-02-09 08:26:50 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスは、ユールスに揺り起こされた。彼は、ユールスにうながされるままに朝の行事に浜に向かった。海に身を浸して目が覚めた。
 『おっ!ユールス、今日はお前に起こされたな、蚊もいなくなって来た。よく眠れる。お前はどうだ。よく眠れるか』
 『うん、グッスリ寝ていますよ。お父さん』
 『朝夕のこの凛とした気持ちよさがいい。お前はどうだ。ユールス、今日も天気がいいぞ。今日は、祖父さんと遊べよ。アレテスもオキテスも忙しいからな。ハイ、返事』
 『わかりました』
 ユールスは元気に返事を返した。
 朝食を終えた7人が顔をそろえた。
 『おう、おはよう』
 アレテスは会議の場を作っていた。
 『アレテス、いいじゃないか。これだと皆と話しやすい』
 全員が席について、イリオネスが皆を促して朝の挨拶をした。
 『統領、おはようございます』
 『おう、おはよう。では、会議を始めよう。ところで聞くが、一同、体の具合は快調かな。アーモンドの収穫を終えて、気持ちが落ち着いたかな』
 アエネアスはひと呼吸いれて、皆を見回した。どの顔も気の締まった表情をしていた。彼は、『これなら往ける』と一歩、踏み出すことの自信を深めた。