『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  20

2011-02-18 07:52:22 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスは、次の課題について考えた。
 この課題も心に重くのしかかった。どのようにしたらいいものかと、行きつ戻りつして考えた。それは砦の者たちのことであり、エノスの浜の者たちのことであった。彼の心は大きくうねった。
 トロイからこの地に着いたアエネアスたちをあたたかく温度を保って迎え入れてくれたトリタス、浜衆と集落の者たちに、どのように今度の予定している事態を伝えようかと考えた。建設した砦のこと、この地一帯を統治している領主に対しても、どのように対応しようかと気をもんだ。
 そのときまでには、まだ時間がある。彼は結論を急がないことにした。いずれ皆に諮らなければいけないことである。このことを頭の一隅においておくことにした。
 ゴーサインは出した。彼の思いと行動を逡巡させる何事もなかった。明日に予定している交易船の船主との会合には臨席せず、その一切をイリオネスと担当者たちに任せて、彼は3日くらいの予定でユールスを連れて、原野の中に野ウサギ等の小獣を追う旅に出ることにした。