アレテスは、宵闇に包まれている浜を見廻した。人影はない、あちらに1艘、こちらに1艘と陸揚げされた漁船が散在している、それらに合わせて小ぶりな浜小屋が4~5棟建っている。
アレテスは、緊張している。イリオネスに小声で話した。
『アレテス、判っている。用心のためだ、事は怒らん。安心していけ。誰を連れていく』
『ピッタスを同道させます。では行きます』
『ピッタス、俺と一緒に来てくれ。剣を二振りコモまきしたやつがあっただろう。それをもって一緒に来るのだ』
アレテスは船に積んできた丸太ん棒を3本を手に持って歩き始めた。
『浜頭、待たせました。一緒します』
『おう、行こう。何事も用心するにこしたことはない』と言いながら、アレテスから丸太ん棒の一本を受け取って歩き始めた。
スダヌスが先頭を歩んでいく、三人は無言で歩を進めた。
進む先に住居の灯りが、むこうにひとつ、少し離れてひとつ、そして、こちらにひとつ、集落があるらしい。彼らは浜を離れて6~7分くらい歩いただろうか。三人は集落の真ん中に立っていた。
スダヌスは辺りをうかがっている。記憶を掘り起こしている。
『おうっ!あれだ。行くぞ』
スダヌスは、二人を促して歩み始めた。集落の中の大きめだなと思われる館に向かって歩いていく。館うちは明るかった。アレテスは、ふと考えた。
『ときは、まだ宵の口だ』
スダヌスは、戸口に立って大きな声で呼びかけていた。
戸口に館うちの灯りを背にして若い男がスダヌスに声をかけた。
『誰だ!この宵に何の用だ?』
ぶっきらぼうなもの言いであった。
スダヌスは、やや丁寧な口調で問いかけに答えた。
『私はスオダの浜のスダヌスと言います。浜頭はおいでですか、おいでのようでしたら、取り次いでいただければ、ありがたいのだが』
『おう、親父はいる』と言って、
スダヌスのうしろにいるアレテスらを見て、
『あんたらは漁師か。ちょっと待たれい』と言って、館うちに入っていった。
アレテスは、緊張している。イリオネスに小声で話した。
『アレテス、判っている。用心のためだ、事は怒らん。安心していけ。誰を連れていく』
『ピッタスを同道させます。では行きます』
『ピッタス、俺と一緒に来てくれ。剣を二振りコモまきしたやつがあっただろう。それをもって一緒に来るのだ』
アレテスは船に積んできた丸太ん棒を3本を手に持って歩き始めた。
『浜頭、待たせました。一緒します』
『おう、行こう。何事も用心するにこしたことはない』と言いながら、アレテスから丸太ん棒の一本を受け取って歩き始めた。
スダヌスが先頭を歩んでいく、三人は無言で歩を進めた。
進む先に住居の灯りが、むこうにひとつ、少し離れてひとつ、そして、こちらにひとつ、集落があるらしい。彼らは浜を離れて6~7分くらい歩いただろうか。三人は集落の真ん中に立っていた。
スダヌスは辺りをうかがっている。記憶を掘り起こしている。
『おうっ!あれだ。行くぞ』
スダヌスは、二人を促して歩み始めた。集落の中の大きめだなと思われる館に向かって歩いていく。館うちは明るかった。アレテスは、ふと考えた。
『ときは、まだ宵の口だ』
スダヌスは、戸口に立って大きな声で呼びかけていた。
戸口に館うちの灯りを背にして若い男がスダヌスに声をかけた。
『誰だ!この宵に何の用だ?』
ぶっきらぼうなもの言いであった。
スダヌスは、やや丁寧な口調で問いかけに答えた。
『私はスオダの浜のスダヌスと言います。浜頭はおいでですか、おいでのようでしたら、取り次いでいただければ、ありがたいのだが』
『おう、親父はいる』と言って、
スダヌスのうしろにいるアレテスらを見て、
『あんたらは漁師か。ちょっと待たれい』と言って、館うちに入っていった。