『おう、水か!判った。ちょっと待て』
彼は奥へ入っていった。
『おう、待たせたな、こっちだ。こっちへ来い!勝手知ったる他人の家だ』
彼は先にたって、すたすたと歩いて館の横手へと向かっていった。
『おい、アレテス、この井戸だ。くみ上げて入れていけ!』
『ありがとうございます』
『井戸はちょっと深い。深く掘らないと水脈に届かんのだ。イデーの山には木が生えておらんのじゃよ』
『ほう、そうなんですか』
アレテスはいぶかしさを込めて答えた。二人は、水袋に水を満たして礼を述べた。
『おう、エドモンには、俺から礼を言っておく。今、俺たちは出る準備をしている、もう少々待っててくれ』
二人は水袋を携えて浜へ引き返した。イリオネスには、スダヌスの意向を伝えた。
『よしっ!ニケを海へだす。各自持ち場についたら点検だ、いいな。不具合がないか確かめろ!』
アレテスが気合を入れた。彼らは点検した。
『おい、ホーカス、舵の具合は?』『異常ありません!』
『テトス、ピッタス、クリテスはどうだ?』『異常ありません!』
『他は!』と言って見渡した。『異常なし!』『おう、よし!』
彼は、イリオネスに向かって、異常なしの報告を終えた。
そのタイミングを見計らったように、スダヌスとエドモン浜頭が姿を見せた。
『おう、イリオネス、どうだな?今日は、マリアに向かう1刻半(3時間)余りの船旅だ。今日と明日はマリア辺りを見て歩こう。案内はエドモン浜頭に任せている、それでいいな』
『判りました。エドモン浜頭、宜しくお願いいたします』
『おう、泊りについては、向こうについてから決める、いいな。ところで風は、どんな具合だ?』
『アレテス、どうだ?』スダヌスが声をかけた。
『風は西かからです、追い風です。風に力はありません』
『よし、判った。イリオネス、エドモン浜頭をニケに案内してくれ』
『エドモン浜頭、案内いたします。ニケの船上に、どうぞ。一同は位置についています』
エドモンが乗りスダヌスが乗り、漕ぎかた始めの掛け声で、ニケは東へ向けて波の上を滑り出した。
彼は奥へ入っていった。
『おう、待たせたな、こっちだ。こっちへ来い!勝手知ったる他人の家だ』
彼は先にたって、すたすたと歩いて館の横手へと向かっていった。
『おい、アレテス、この井戸だ。くみ上げて入れていけ!』
『ありがとうございます』
『井戸はちょっと深い。深く掘らないと水脈に届かんのだ。イデーの山には木が生えておらんのじゃよ』
『ほう、そうなんですか』
アレテスはいぶかしさを込めて答えた。二人は、水袋に水を満たして礼を述べた。
『おう、エドモンには、俺から礼を言っておく。今、俺たちは出る準備をしている、もう少々待っててくれ』
二人は水袋を携えて浜へ引き返した。イリオネスには、スダヌスの意向を伝えた。
『よしっ!ニケを海へだす。各自持ち場についたら点検だ、いいな。不具合がないか確かめろ!』
アレテスが気合を入れた。彼らは点検した。
『おい、ホーカス、舵の具合は?』『異常ありません!』
『テトス、ピッタス、クリテスはどうだ?』『異常ありません!』
『他は!』と言って見渡した。『異常なし!』『おう、よし!』
彼は、イリオネスに向かって、異常なしの報告を終えた。
そのタイミングを見計らったように、スダヌスとエドモン浜頭が姿を見せた。
『おう、イリオネス、どうだな?今日は、マリアに向かう1刻半(3時間)余りの船旅だ。今日と明日はマリア辺りを見て歩こう。案内はエドモン浜頭に任せている、それでいいな』
『判りました。エドモン浜頭、宜しくお願いいたします』
『おう、泊りについては、向こうについてから決める、いいな。ところで風は、どんな具合だ?』
『アレテス、どうだ?』スダヌスが声をかけた。
『風は西かからです、追い風です。風に力はありません』
『よし、判った。イリオネス、エドモン浜頭をニケに案内してくれ』
『エドモン浜頭、案内いたします。ニケの船上に、どうぞ。一同は位置についています』
エドモンが乗りスダヌスが乗り、漕ぎかた始めの掛け声で、ニケは東へ向けて波の上を滑り出した。
