『展帆、漕走か。今は、海は凪いでいる。もう少し時間がたつと西風が強くなる、それまでだ、こらえることだ。それにしても、この船いい走りじゃないか』
エドモンが船をほめた。
左手の海上には、イラクリオンの浜から北に40スタジオン(約8キロメートル)余りにディア島(現在名)を望みながら進んだ。
風に力が出てきていた。エドモンがスダヌスに声をかけた。
『スダヌス、このあたりの海はいい深さだ。船をもっと海岸に近づけて、浜の風景を楽しみながら航行してはどうだ。この風なら漕ぎかたの必要がないのでは、、、』
これを聞いてスダヌスは、うなずき意向をアレテスに伝えた。海岸に近づいたニケは、走りを風に任せて東へと進んだ。
エドモンは、ニケの航行状態に安堵したらしくイリオネスに話しかけた。
『イリオネス頭、昨夜はありがとう。あのパン、今朝食べた。うまかった!あのようなパンはイラクリオンでは焼いていない、スダヌスの口上もあって、家族一同が味わって食した。ありがとう。この船の進みなら、マリアの浜には昼過ぎに着く。急がずともいい、ゆっくり船旅を楽しまれよ』
『エドモン浜頭、お心使いかたじけない、ありがとうございます』
イリオネスは丁重に礼を述べた。日和もよく、ニケの走りは快調であった。頬を撫でて過ぎる風も心地よかった。右手に目にするまっすぐに延びたゴウマイの海岸線の風景も彼らの心を和ませた。
アグキサラスの岬を過ぎて、クリテスは、アレテスに、ニケを南東に向けることを進言した。アレテスは、即、船尾のホーカスにその旨を伝える。アレテスは、スダヌスにマリアの船だまりについて訊ねた。それを受けて、スダヌスはエドモンに訊ねた。
『そうだな、もう少しマリアに近づいたら、俺から操舵の者に指示するが、それでよろしいか?』
『それで結構です。お願いします』
エドモンは、身を船尾に移した。
エドモンが船をほめた。
左手の海上には、イラクリオンの浜から北に40スタジオン(約8キロメートル)余りにディア島(現在名)を望みながら進んだ。
風に力が出てきていた。エドモンがスダヌスに声をかけた。
『スダヌス、このあたりの海はいい深さだ。船をもっと海岸に近づけて、浜の風景を楽しみながら航行してはどうだ。この風なら漕ぎかたの必要がないのでは、、、』
これを聞いてスダヌスは、うなずき意向をアレテスに伝えた。海岸に近づいたニケは、走りを風に任せて東へと進んだ。
エドモンは、ニケの航行状態に安堵したらしくイリオネスに話しかけた。
『イリオネス頭、昨夜はありがとう。あのパン、今朝食べた。うまかった!あのようなパンはイラクリオンでは焼いていない、スダヌスの口上もあって、家族一同が味わって食した。ありがとう。この船の進みなら、マリアの浜には昼過ぎに着く。急がずともいい、ゆっくり船旅を楽しまれよ』
『エドモン浜頭、お心使いかたじけない、ありがとうございます』
イリオネスは丁重に礼を述べた。日和もよく、ニケの走りは快調であった。頬を撫でて過ぎる風も心地よかった。右手に目にするまっすぐに延びたゴウマイの海岸線の風景も彼らの心を和ませた。
アグキサラスの岬を過ぎて、クリテスは、アレテスに、ニケを南東に向けることを進言した。アレテスは、即、船尾のホーカスにその旨を伝える。アレテスは、スダヌスにマリアの船だまりについて訊ねた。それを受けて、スダヌスはエドモンに訊ねた。
『そうだな、もう少しマリアに近づいたら、俺から操舵の者に指示するが、それでよろしいか?』
『それで結構です。お願いします』
エドモンは、身を船尾に移した。
