スダヌスがイリオネスに話しかけてきた。
『おう、イリオネス、今日はどんな予定だ?お前の考えを聞かせろ。ここからもっと東を見たいといっても、見てしかるべきところはないぞ。俺の思いはそうだ。どこを見ても大差はない。マリアとクノッソスを見ればそれで事は足りる。俺の思いはそういうことだ』
『スダヌス、全くお前の言うとおりだと俺も思っている。昼過ぎにマリアを出れば、夕刻にはイラクリオンに着ける。今日の昼過ぎにはイラクリオンに向けて出港するということでどうだ。エドモン浜頭の予定はいかがかな?』
『エドモン頭とは今朝話し合った。用事は大体終わったそうだ、あと、アドランと打ち合わせで終わりだそうだ。それを済ませて船だまりで待つと言っている』
『判った。それで事を進めようではないか。スダヌスお前は?』
『俺か、俺は決まっている。俺はイリオネスに同道だ!』
二人は声をあげて笑った。
彼らは、エドモンとアドランに礼を言って建屋を後にした。一行は、このあと訪れることはないと思うマリアの街区を目におさめ、マリアの宮殿と集散所を見て、昼前に船だまりに着いた。
アレテスは、ホーカスにニケの点検を指示した。
『ニケの点検は、アサイチに終えています。異常はありません』
『おっ、そうか。次に、お前の予測を聞く。空模様、風の強さと向きはどうだ?』
『東の空の雲行きには懸念があるものの西空には心配がなさそうです。風向きは北の風、微風です』
『よし判った。今日の航海はイラクリオンに向かう、帆は上げず、漕ぎかたで船だまりを出る。あとは模様次第で臨機応変だ、いいな』
『判りました』
アレテスは、イリオネスに報告舌した。
『判った。東からの風は期待できない、向かい風でないことをよしとして、航海の安全を願おう』
エドモン浜頭が小走りで駆けてくる。
『おう、待たせたかな』
『いえ、そのようなことはありません』
『イリオネス頭、用事は済まされましたかな?』
『え~え、おかげさまで、充分に済ませました』
『それは重畳でしたな。昼めしはここで済ませていきましょうや』といって、手に持ってきた包みを広げた。
丁寧に火を通した焼き魚であった。ちょっときつめに塩をきかせた焼きあげている。
『ちょっとばかり硬いと思いますが、、、』とことわりを入れて、アレテスは一同にパンを手渡した。
『そんなことはかまわん!』とスダヌスが言う。
彼らは、ワインをパンにしみこませて口に運んだ。
『今日は漕ぎかたはえらいと思うが努めていただきたい。世話をかけますな』とエドモン。
『いや、いつも航海は、順風とはいきませんからな』とイリオネス。
一同は、船上の人となって、船だまりからクレタの海へと出た。
『おう、イリオネス、今日はどんな予定だ?お前の考えを聞かせろ。ここからもっと東を見たいといっても、見てしかるべきところはないぞ。俺の思いはそうだ。どこを見ても大差はない。マリアとクノッソスを見ればそれで事は足りる。俺の思いはそういうことだ』
『スダヌス、全くお前の言うとおりだと俺も思っている。昼過ぎにマリアを出れば、夕刻にはイラクリオンに着ける。今日の昼過ぎにはイラクリオンに向けて出港するということでどうだ。エドモン浜頭の予定はいかがかな?』
『エドモン頭とは今朝話し合った。用事は大体終わったそうだ、あと、アドランと打ち合わせで終わりだそうだ。それを済ませて船だまりで待つと言っている』
『判った。それで事を進めようではないか。スダヌスお前は?』
『俺か、俺は決まっている。俺はイリオネスに同道だ!』
二人は声をあげて笑った。
彼らは、エドモンとアドランに礼を言って建屋を後にした。一行は、このあと訪れることはないと思うマリアの街区を目におさめ、マリアの宮殿と集散所を見て、昼前に船だまりに着いた。
アレテスは、ホーカスにニケの点検を指示した。
『ニケの点検は、アサイチに終えています。異常はありません』
『おっ、そうか。次に、お前の予測を聞く。空模様、風の強さと向きはどうだ?』
『東の空の雲行きには懸念があるものの西空には心配がなさそうです。風向きは北の風、微風です』
『よし判った。今日の航海はイラクリオンに向かう、帆は上げず、漕ぎかたで船だまりを出る。あとは模様次第で臨機応変だ、いいな』
『判りました』
アレテスは、イリオネスに報告舌した。
『判った。東からの風は期待できない、向かい風でないことをよしとして、航海の安全を願おう』
エドモン浜頭が小走りで駆けてくる。
『おう、待たせたかな』
『いえ、そのようなことはありません』
『イリオネス頭、用事は済まされましたかな?』
『え~え、おかげさまで、充分に済ませました』
『それは重畳でしたな。昼めしはここで済ませていきましょうや』といって、手に持ってきた包みを広げた。
丁寧に火を通した焼き魚であった。ちょっときつめに塩をきかせた焼きあげている。
『ちょっとばかり硬いと思いますが、、、』とことわりを入れて、アレテスは一同にパンを手渡した。
『そんなことはかまわん!』とスダヌスが言う。
彼らは、ワインをパンにしみこませて口に運んだ。
『今日は漕ぎかたはえらいと思うが努めていただきたい。世話をかけますな』とエドモン。
『いや、いつも航海は、順風とはいきませんからな』とイリオネス。
一同は、船上の人となって、船だまりからクレタの海へと出た。