陽が海に没しようとしている、夕焼けがやけに美しい。
キドニアからヘルメスが帰ってきた。オキテスらが帰ってきた。パリヌルスと顔を合わせる、互いに気にしていることが口をついて出てくる。
『おう、どうであった?オキテス』
『おう、予想していたところに話が落ち着いたと言える。あの船はテカリオンか?』
『そうだ』
『軍団長に報告する。パリヌルス、一緒に行こう』
オキテスはオロンテスに声をかける。
『俺たち、軍団長のところへ行く』
『用事を済ませたら俺もそちらへ行く』
『おう、では先に行くぞ』
パリヌルス、オキテスの二人はイリオネスの宿舎に向かって歩を進めた。
『パリヌルス、今日の夕焼けだが、やけに美しいな。天候が変わるのかな』
『かもしれんな』
『今日の会合にスダヌスは欠席していた。何か急用があったらしい。集散所からは二人の出席で四人での話し合いであった』
『そうか』
ほどなく二人は、イリオネスの宿舎の前に立った。戸口に立って声をかける、間をおかずにイリオネスが顔を見せる。
『軍団長、只今、帰りました。話は価格決め作業の段取りとそれの何故でした。詳細の報告はどうしましょうか?』
『ご苦労であった。明日、アサイチ会議といくか。それから、テカリオンが来ている、夕食は統領も一緒することになっている。お~、オロンテスも来たではないか、お前ら三人も同席しろ。オロンテス、ご苦労。オキテスから報告は聞いた。明朝、アサイチ会議だ。そこで詳細を聞く。いいな』
『判りました』
『あ~あ、夕食は統領の宿舎の前でやる』
『判りました。夕食の準備の方は?』
『そのことはセレストスに伝えてある』
『判りました。もう頃合いになります。私ら用件を済ませてきます』
『おうっ!』
テカリオンを迎えての夕食会は、テカリオンと従者、アヱネアスら五人が臨席して場を囲んだ。
テカリオンは、見聞話に花を咲かせる。イリオネスは、イデー山山行話でにぎわいを盛り上がらせた。
テカリオンは山行話に興味津々といった風情で聞き入った。彼の未体験話である。彼が考えていたイデー山との大変な差異に驚いた。山頂から地中海世界を望み見たこと、彼が考え及ばない山頂の寒さの話、その異次元の話に耳を傾けた。
彼はイデー山に登る暇のないことを嘆いた。しかし、俺もいつかは登ると望みを胸に抱いた。
キドニアからヘルメスが帰ってきた。オキテスらが帰ってきた。パリヌルスと顔を合わせる、互いに気にしていることが口をついて出てくる。
『おう、どうであった?オキテス』
『おう、予想していたところに話が落ち着いたと言える。あの船はテカリオンか?』
『そうだ』
『軍団長に報告する。パリヌルス、一緒に行こう』
オキテスはオロンテスに声をかける。
『俺たち、軍団長のところへ行く』
『用事を済ませたら俺もそちらへ行く』
『おう、では先に行くぞ』
パリヌルス、オキテスの二人はイリオネスの宿舎に向かって歩を進めた。
『パリヌルス、今日の夕焼けだが、やけに美しいな。天候が変わるのかな』
『かもしれんな』
『今日の会合にスダヌスは欠席していた。何か急用があったらしい。集散所からは二人の出席で四人での話し合いであった』
『そうか』
ほどなく二人は、イリオネスの宿舎の前に立った。戸口に立って声をかける、間をおかずにイリオネスが顔を見せる。
『軍団長、只今、帰りました。話は価格決め作業の段取りとそれの何故でした。詳細の報告はどうしましょうか?』
『ご苦労であった。明日、アサイチ会議といくか。それから、テカリオンが来ている、夕食は統領も一緒することになっている。お~、オロンテスも来たではないか、お前ら三人も同席しろ。オロンテス、ご苦労。オキテスから報告は聞いた。明朝、アサイチ会議だ。そこで詳細を聞く。いいな』
『判りました』
『あ~あ、夕食は統領の宿舎の前でやる』
『判りました。夕食の準備の方は?』
『そのことはセレストスに伝えてある』
『判りました。もう頃合いになります。私ら用件を済ませてきます』
『おうっ!』
テカリオンを迎えての夕食会は、テカリオンと従者、アヱネアスら五人が臨席して場を囲んだ。
テカリオンは、見聞話に花を咲かせる。イリオネスは、イデー山山行話でにぎわいを盛り上がらせた。
テカリオンは山行話に興味津々といった風情で聞き入った。彼の未体験話である。彼が考えていたイデー山との大変な差異に驚いた。山頂から地中海世界を望み見たこと、彼が考え及ばない山頂の寒さの話、その異次元の話に耳を傾けた。
彼はイデー山に登る暇のないことを嘆いた。しかし、俺もいつかは登ると望みを胸に抱いた。
