彼は、新艇建造の場でドックスを探した。
『おっ!いたいた。ドックス、俺だ、相談事だ』
『オロンテス隊長、それとも、オロンテス棟梁と呼ぶほうがいいですかな』
『どちらでもいい。それよりも、こんな仕様で木箱を130個くらい作りたい。その板材探しと相談に来たのだが、いま、話していいか?』
『はいっ、それはよろしいです。お聞きいたします』
『底と蓋には、この板を使うとして、側板と蓋のに使うのに、厚さがこれくらいの板がほしい』
『ほう、ちょっと厚さの薄いの板ですな。これは製材しないといけませんな』
『これについては、そこにあるもの、ほい、ではいけないか』
『そうですな、オロンテス棟梁、設計図を書いて入用個数を言ってください。製材してあげます。箱の組み立ては棟梁の方でやってください。指示書をもらえば、明日午前中に間に合わせます』
『判った、ありがとう。今夕、ドックス棟梁のところへ届ける。宜しく頼む』
『判りました。引き受けます』
少し間をおいてオロンテスが口を開いた。
『あ~っ、棟梁、それから、この箱の組み立てに使う釘の事だが、ドックス棟梁の手許にあるかな?』
『釘!?ここでは使っていない釘ですな。手持ちはあります。間に合わせましょう』
『ありがたい!これで行ける!ありがとう、感謝感謝だ。あの板きれ4~5枚もらっていくが、いいかな』
『いいですとも、どうぞ!』
オロンテスは深くうなずいた。これで一件落着である。底板と蓋にこれを使って、箱サイズを決めればいいと手にした板を眺めて考えた。
ヘルメスがキドニアから帰ってきた。彼は、ドックスと別れてそちらへ歩を向けた。
『おう、帰って来たか。セレストス、今日はどうであった?』
『首尾は、上々でした』
『そうか、それはよかった。作業を終えたらクリテスを連れて、工房の方へ来てくれ。スタッフを集めて会議をやっている』
『判りました。急いで報告を終えて、会議に参加します』
セレストスは、クリテスをともなって、イリオネスに報告を終え、会議に参加した。工房へ戻ったオロンテスは、会議の進み具合をチエックした。
『おい、お前ら方向が出たのか?』
『はい、一つは初めから決まっていますから、二つ目にはウスイ塩味でオリーブの風味を効かせて仕上げればいいと考えました。三つ目ですが、試しに作って決めればと考えていますが』
『おう、そうか、いいだろう。セレストスにクリテス、事の次第はこうだ』と言って、事の始終を語って聞かせた。
『おっ!いたいた。ドックス、俺だ、相談事だ』
『オロンテス隊長、それとも、オロンテス棟梁と呼ぶほうがいいですかな』
『どちらでもいい。それよりも、こんな仕様で木箱を130個くらい作りたい。その板材探しと相談に来たのだが、いま、話していいか?』
『はいっ、それはよろしいです。お聞きいたします』
『底と蓋には、この板を使うとして、側板と蓋のに使うのに、厚さがこれくらいの板がほしい』
『ほう、ちょっと厚さの薄いの板ですな。これは製材しないといけませんな』
『これについては、そこにあるもの、ほい、ではいけないか』
『そうですな、オロンテス棟梁、設計図を書いて入用個数を言ってください。製材してあげます。箱の組み立ては棟梁の方でやってください。指示書をもらえば、明日午前中に間に合わせます』
『判った、ありがとう。今夕、ドックス棟梁のところへ届ける。宜しく頼む』
『判りました。引き受けます』
少し間をおいてオロンテスが口を開いた。
『あ~っ、棟梁、それから、この箱の組み立てに使う釘の事だが、ドックス棟梁の手許にあるかな?』
『釘!?ここでは使っていない釘ですな。手持ちはあります。間に合わせましょう』
『ありがたい!これで行ける!ありがとう、感謝感謝だ。あの板きれ4~5枚もらっていくが、いいかな』
『いいですとも、どうぞ!』
オロンテスは深くうなずいた。これで一件落着である。底板と蓋にこれを使って、箱サイズを決めればいいと手にした板を眺めて考えた。
ヘルメスがキドニアから帰ってきた。彼は、ドックスと別れてそちらへ歩を向けた。
『おう、帰って来たか。セレストス、今日はどうであった?』
『首尾は、上々でした』
『そうか、それはよかった。作業を終えたらクリテスを連れて、工房の方へ来てくれ。スタッフを集めて会議をやっている』
『判りました。急いで報告を終えて、会議に参加します』
セレストスは、クリテスをともなって、イリオネスに報告を終え、会議に参加した。工房へ戻ったオロンテスは、会議の進み具合をチエックした。
『おい、お前ら方向が出たのか?』
『はい、一つは初めから決まっていますから、二つ目にはウスイ塩味でオリーブの風味を効かせて仕上げればいいと考えました。三つ目ですが、試しに作って決めればと考えていますが』
『おう、そうか、いいだろう。セレストスにクリテス、事の次第はこうだ』と言って、事の始終を語って聞かせた。