『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  715

2016-02-12 05:27:13 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 キドニアから、俺が浜に帰り着いた一行が浜に降り立つ、アヱネアスは、新艇建造の場へと向かう、イリオネスら四人も、ともに歩を運ぶ、オキテスは、その状況を心得てドックスを呼び寄せた。
 『おう、ドックス、ご苦労!一緒について廻ってくれ』
 『判りました』
 『建造の進み具合は順調に進んでいるようだな』
 『はい、この調子で仕事が順調に進めば、新艇の仕上がりが10日くらい早まると考えています』
 『ほう、そうか。その旨、統領に伝えても差し支えないかな』
 『はい、差し支えありません。それから帆張りの件ですが、ここ一両日中に決定しそうですか?』
 『おう、それはだな、おそらく、明日、会議が招集されると考えている。その席で決定する。返答は、即、お前に伝える。このあと、統領から質問があれば、それに答えるようにしてくれ』
 『判りました』
 彼らは建造の現場を丹念に見て廻った。統領がドックスに声をかける。
 『おう、ドックス、連日ご苦労、仕事の進み具合は、どうだ?』
 『はい!順調といえます』
 『そうか、それは重畳。5艇の完成、出来上がりは、遅れそうか早まりそうか?』
 『はい、そのことはオキテス隊長に報告してありますが、7~8日、早まるのではないかと考えられます』
 『ほう、そうか、それは心強い、そのように努めてくれ』
 『判りました』
 アヱネアスは一行とともに5艇の建造の場を見まわり引き上げた。
 『軍団長、明日、会議をやる。一同に伝えてほしい』
 『判りました』
 アヱネアスは、新艇に関して価格の分野にいたるまでの意思を決めている。ここに到って、自分の意思を伝えておく時であると強く思った。
 明日の会議の件がパリヌルスら三人に伝えられる。建造の場の視察を終えた一行は散会に及んだ。
 パリヌルスは、オキテスとドックスに言って、ギアスを呼び寄せて話し合いを行った。
 試乗会の事情を聴きとり、全員で新しい帆張りの操作とその効果について話し合った。5つの何故、何故方式で意見を交わした。
 『おう、了解した。明日、会議にはかり決定する。新艇の艤装、装備に関して、これをもって完結と考えている。オキテス、ドックス、これでいいな』
 『おう、了解っ!』
 力強く答えが返る、彼らは話し合いの場を解いた。パリヌルスがオキテスに話しかける。
 『新艇を、完成させるには、時間もかかる、エネルギーもいる。俺の用務もここまで来た。オキテス、価格の決定よろしく頼むぞ!それが決まり次第、次の段階の仕事に取り掛かる』
 『おう、了解だ!』
 パリヌルスの頭脳が冴えわたっていた。