『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  722

2016-02-23 05:14:19 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『解りました』
 イリオネス、そして、パリヌルスら三人は、アヱネアスの言葉を聴いて、深くうなずき、異口同音にて答えを返した。
 アヱネアスがイリオネスに告げる。
 『軍団長、新艇の原価計算に関する機序の構想を簡単に説明してくれ』
 『解りました』
 イリオネスは、新艇の原価計算の要領を説明する。
 『おう、一同、今の説明で原価計算の要領を理解したか?質問はあるかな、そして、このようなことを計算要領に加えたらといった追加事項があるようであれば言ってくれ』
 三人は考え込む、首を横に振りながら考えている。パリヌルスが発言する。
 『軍団長、話されたことよく解りました。追加事項はありません。原価計算に必要とされる事項が充分に整っています。この計算によって提示される数字の単位は、当然、ドラクマですね』
 『そうだ、提示する数字の単位は、通貨単位のドラクマとしている』と言って、三人と目を合わせ、互いにうなずき合った。
 ここまでのやり取りを終えて、ひと息つくイリオネス。彼の目は、何かを見つめている、遠くを見つめている、おもむろに語り始めた。
 『なあ~、お前ら、どう考えている?物を売る!これをどう考えている。これは、剣、槍など、武器の類を手にせずに戦う争いだな。規模こそ極めて小さいがオロンテスは、毎日、その戦場に身をおいている、アレテスも戦っている。そして、戦利として集散所の木札を受け取っている。今度は新艇をもって、この戦に挑む!お前ら、負けるでないぞ!勝利するのだ!』
 強く言い切る。
 『解りました!心します!』
 三人も強く答える。
 『では、次の議題へといこう』
 アヱネアスとイリオネスが目を合わせ、うなずきかわす。三人と目を合わせ話し始めた。
 『我々が日々の活動を通じて、蓄えた集散所の木札が膨大な量となった。我々が現在行っている業務を始めて、今日までの期間に蓄積した集散所の木札である。これをドラクマ銀貨に交換する。新艇の建造用材の決済も控えている。そして、これをもって我々が保有している資産の総括をする。私が総責任を担当して、オロンテス、パリヌルスの両人が責任担当としてこれを行う、二人ともいいな!』