『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  723

2016-02-24 05:29:37 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『了解しました』
 答えを返す二人。
 『この件についての統括責任は私が担当する。木札の量は、並みの量ではない、向こう三日くらいで作業を終えたい、そのように心得て作業をやってくれ、以上だ』
 『解りました』
 『第二番目の議題が終わった。三番目の議題についてやろう。議事説明は誰がやる?』
 『はい、私がやります』と言ってパリヌルスが手を挙げた。姿勢を改めるパリヌルス、一同の目を見る、口を開く。
 『いま、新艇の価格の決定について、我々は集散所に信をおいて、ことを進めている。集散所に信を置けるか否かが、問題であり、彼らが決める物の価格が信頼できるか否やである。オロンテスが言うのでは、パンの価格を決めた時のことを思い起こし、適正な価格を決めたかどうかを考えてみると、パン1個の価格が安すぎるのではなかろうかというのである。スダヌスとの会談を終えて、パン1個の価格の正当性を考えたと言っている。その意見を、彼の想いを聞いて、通貨を介しての物の価値判断を確かめたい。それをもって集散所の価格設定の信頼度を測りたい。その調査をやりたいというのが、三番目の議題の主意である。調査をする、解析する、その結果をもって、パン価格の妥当性を検討し、パン事業の採算性を考える、また、それをもって、集散所の信頼度を探りたい。そのための調査行動の実行を認めてもらいたい、ことは急を要しています。調査には、オロンテスと私が当たります。議決よろしく願います。以上です』
 パリヌルスの言葉を受けてイリオネスが答える。
 『お前が言おうとしていることは解った。オキテス、お前の考えはどうだ?』
 『調査実行に賛成です』
 『統領の意向は、いかがですか?』
 『俺も調査実行はやるべきと考える』
 『パリヌルス、全員が調査実行に賛成である。調査を実行してくれ。必要とする日数は?』
 『はい!調査に一日、集計に半日、検討、話し合いに半日、明日、明後日で完了と考えています』
 『いいだろう。即、実行してくれ』
 『解りました。費用として集散所の木札20枚くらい、いただければと考えています』
 『了解!この会議が終わり次第、渡す。一同、どうだな、会議で話し合っておきたいことがあるか?』