アヱネアスがここまで言って、舌で唇を湿らせた。
『前置きはここまでとして、第一議題のひとつである新艇の建造と販売に関する施業方針を述べる』
アヱネアスは、一同と鋭い視線で目を合わせた。
『スダヌスとの会談の場で述べた『世の中をつくる立ち位置に立つ!』は、建国の大義であり、物事について思考する俺自身のスタンスでもある。ということは俺の決断を下す原点でもある。この想いを源として思考が展開し、構想を描き、決定して断を下している。この想いをもって、このクレタを眺め、新手建造事業の構想を発したものと理解してくれ。我々が定住するか否かは決しかねているところがあるが、クレタの現状は、文明が開かれ、そこに暮らす原住の人々が現在の社会を築きあげて、秩序をもって住み暮らしている。スダヌスを囲んでの会談で推察した社会発展の現状を俺なりに理解した。『こうであろう』と推考の部分をも含めてである。はたせるかなではあるが、俺なりに、この造船事業をこの地における、我々の未来像を描いての施業方針である。一同、このことを充分に認識して事に当たってもらいたい。この方針をもって事業関連諸事の具体策を計画し実行していく。これが俺の施業方針である』
アヱネアスは、力強く言い切った。この言葉が一同の心にしみこんでいった。
『諸君!ここまでの話、君らは理解してくれたか。質問はあるかな?』とイリオネスは問いかけ、一同と目を合わせた。
『理解いたしました。質問はありません。話を進めてください』
アヱネアスが話しはじめる。
『おう、そうか。解ってくれたか。次へ話を進める。新艇の価格決定の件だが、その価格決定までには、いかばかりの曲折が予想されるが、我々として確信の持てる価格をもって、これを為さねばならない。それに必要なのは、新艇の原価をできるだけ正確に、これを算出して把握しておかねばならない。オキテス、オロンテスの二人が担当して集散所の担当者と価格決めに当たっている。当方としての新艇価格はこうであると、原価計算に基づく価格を算出しなければいけない。これについて俺の考えを述べる。チームを構成してこれに当たる。軍団長をチーフとして、オキテス、オロンテスの両名がこれに当たる。最終には、俺もパリヌルスも加わって、検討してこれを決定する。将来において、このクレタにおける船舶の建造、この市場の頂点に立つことを目標とする。いいか、我々にその力がある。新艇5庭の同時完成には、その力量のあるなしに関する市場の評価も含んでいる。自己評価でもある。事業の存続は、この自己評価で決まる。未来への扉を開くか、開かないかの自己評価と心得てくれ!』
『前置きはここまでとして、第一議題のひとつである新艇の建造と販売に関する施業方針を述べる』
アヱネアスは、一同と鋭い視線で目を合わせた。
『スダヌスとの会談の場で述べた『世の中をつくる立ち位置に立つ!』は、建国の大義であり、物事について思考する俺自身のスタンスでもある。ということは俺の決断を下す原点でもある。この想いを源として思考が展開し、構想を描き、決定して断を下している。この想いをもって、このクレタを眺め、新手建造事業の構想を発したものと理解してくれ。我々が定住するか否かは決しかねているところがあるが、クレタの現状は、文明が開かれ、そこに暮らす原住の人々が現在の社会を築きあげて、秩序をもって住み暮らしている。スダヌスを囲んでの会談で推察した社会発展の現状を俺なりに理解した。『こうであろう』と推考の部分をも含めてである。はたせるかなではあるが、俺なりに、この造船事業をこの地における、我々の未来像を描いての施業方針である。一同、このことを充分に認識して事に当たってもらいたい。この方針をもって事業関連諸事の具体策を計画し実行していく。これが俺の施業方針である』
アヱネアスは、力強く言い切った。この言葉が一同の心にしみこんでいった。
『諸君!ここまでの話、君らは理解してくれたか。質問はあるかな?』とイリオネスは問いかけ、一同と目を合わせた。
『理解いたしました。質問はありません。話を進めてください』
アヱネアスが話しはじめる。
『おう、そうか。解ってくれたか。次へ話を進める。新艇の価格決定の件だが、その価格決定までには、いかばかりの曲折が予想されるが、我々として確信の持てる価格をもって、これを為さねばならない。それに必要なのは、新艇の原価をできるだけ正確に、これを算出して把握しておかねばならない。オキテス、オロンテスの二人が担当して集散所の担当者と価格決めに当たっている。当方としての新艇価格はこうであると、原価計算に基づく価格を算出しなければいけない。これについて俺の考えを述べる。チームを構成してこれに当たる。軍団長をチーフとして、オキテス、オロンテスの両名がこれに当たる。最終には、俺もパリヌルスも加わって、検討してこれを決定する。将来において、このクレタにおける船舶の建造、この市場の頂点に立つことを目標とする。いいか、我々にその力がある。新艇5庭の同時完成には、その力量のあるなしに関する市場の評価も含んでいる。自己評価でもある。事業の存続は、この自己評価で決まる。未来への扉を開くか、開かないかの自己評価と心得てくれ!』