あきオジの風景

写真、そして、俳句(もどき)
毎日更新しています。

温かさ装うポスター星のごと  あきオジ

2010-08-15 17:37:10 | 日記
みなとみらいのディスプレイです。
このような店に関心がる人がいるから商売になる。
どんな人が入るのか
いやいやそれほど興味があるわけではありません。

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俳句もそろそろ現代俳句の作家に眼を向けないと
退屈しそうです。
季語短歌は芭蕉で始まり子規が後始末のまとめをしたら
形式の変革もなければ
内容にも面白さがない
素材のちょっとした変化しかない。

そんなことで、先に進んだところで退屈になりそうです。
もちろん、今の状態でしばらくは楽しめそうですが
ちょっと退屈になりそうです。
新しい作家に眼を向けたいですね。

単純明快、歯切れがよくて、何よりも軽さが身上の作家しませんか?

そのうち追っかけてみたいと思います。

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便所掃除

濱口國雄

 扉をあけます
 頭のしんまでくさくなります
 まともに見ることが出来ません
 神経までしびれる悲しいよごしかたです
 澄んだ夜明けの空気もくさくします
 掃除がいっぺんにいやになります
 むかつくようなババ糞がかけてあります

 どうして落着いてしてくれないのでしょう
 けつの穴でも曲がっているのでしょう
 それともよっぽどあわてたのでしょう
 おこったところで美しくなりません
 美しくするのが僕らの務めです
 美しい世の中も こんな処から出発するのでしょう

 くちびるを噛みしめ 戸のさんに足をかけます
 静かに水を流します
 ババ糞におそるおそる箒をあてます
 ポトン ポトン 便壺に落ちます
 ガス弾が 鼻の頭で破裂したほど 苦しい空気が発散します 
 落とすたびに糞がはね上がって弱ります

 かわいた糞はなかなかとれません
 たわしに砂をつけます
 手を突き入れて磨きます
 汚水が顔にかかります
 くちびるにもつきます
 そんな事にかまっていられません
 ゴリゴリ美しくするのが目的です
 その手でエロ文 ぬりつけた糞も落とします
 大きな性器も落とします

 朝風が壺から顔をなぜ上げます
 心も糞になれて来ます
 水を流します
 心に しみた臭みを流すほど 流します
 雑巾でふきます
 キンカクシのうらまで丁寧にふきます
 社会悪をふきとる思いで力いっぱいふきます

 もう一度水をかけます
 雑巾で仕上げをいたします
 クレゾール液をまきます
 白い乳液から新鮮な一瞬が流れます
 静かな うれしい気持ちですわってみます
 朝の光が便器に反射します
 クレゾール液が 糞壺の中から七色の光で照らします

 便所を美しくする娘は
 美しい子供をうむ といった母を思い出します
 僕は男です
 美しい妻に会えるかも知れません

(圧倒的な迫力に言葉もありません。山田洋次監督は、先生シリーズ「夜間中学」でこの詩を教材にしています。趣味としての俳句では、この迫力には及びません。ジャンルが違うし表現形式が違うといういいわけでは説明がつきませんね。どうしましょう。先日見た井上陽水の「傘がない」を聴いたときにも同じことを思いました。)


丸ござを三つ並べたせんべい屋   あきオジ

2010-08-15 17:17:09 | 日記
せんべい屋の店先
何もかも○でまとめている。
だから、どうした?

どうでもいいことを面白がる。
それが年寄りには必要なのですね。

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うら壁やしがみ付(つき)たる貧乏雪   一茶

うす墨を流した空や時鳥  一茶

うしろから寒が入る也壁の穴  一茶

(一茶も正統的な素材では正統な句になる。それもそうだと思いながら一安心)

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老後無事
 
   河上  肇

たとひ力は乏しくも

だし切つたと思ふこころの安けさよ。

捨て果てし身の

なほもいのちのあるままに、

飢ゑ来ればすなはち食ひ、

渇き来ればすなはち飲み、

疲れ去ればすなはち眠る。

古人いふ無事是れ貴人。

羨む人は世になくも、

われはひとりわれを羨む。

(世の中には人生の達人は巷にいる。その人は仕事の職人であり、人生の職人の表情をしています。)


蔵の街日影を探す暑さかな  あきオジ

2010-08-15 16:58:32 | 日記
蔵の街
夕暮れ辺りに写真を撮れば
それなりの雰囲気がでるのでしょうが
それほど熱心ではありません。

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畑打や我家も見えて暮かぬる  蕪村

名のれなのれ雨しのはらのほとどぎす  蕪村

かなしさや釣の糸吹あきの風   蕪村

(この「しみじみ」が好きなのです。蕪村は秋という表現が微妙に変化しているのが「っさすが」ですね。)

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月夜戻り来て長い手紙を書き出す  放哉

雨の日は御灯ともして一人居る  放哉

うものあけくれなんにもない部屋  放哉

(懸命に言葉を探し、俳句の素材を探している姿が痛い。境涯を句にするほど、開き直れる気分ではなかったのでしょうね。その意地っぱいで自尊心だけ高く、どうしようもない自分を引きづっている姿が痛々しい。)

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茨木のり子の「詩のこころを読む」(岩波ジュニア新書)を手に入れました。
最近の詩人で唯一
みじかに本を置いている詩人です。
ちょっとだけ、安心できました。

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盆休み「人身事故」の知らせなく   あきオジ

2010-08-15 16:31:23 | 日記
川越のソーメン店のメニュー
盆休みの期間だけは
「人身事故による列車遅延」のアナウンスはありません。
「人身事故・・・もう少し周囲の迷惑を考えてほしい。」
そんな残酷なことを聞かないですむだけ安心できます。

東京人というのが居るかどうか知りませんが
東京で暮らす人は
他人に無関心です。
そして、ときとして信じられないような行動にでます。
そして、残酷なことを言います。

もちろん、人に寄りけりですし
根拠もありません。
いずれにしても、怖いところです。

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八王子駅ではサマーランドの往復バス乗車券付き
割引券の宣伝をしています。
ちょっと横眼でみたのですが
けっこう並んでいるようです。

猛暑のによる売り上げアップ
ここにもありそうですね。
ご苦労さまです。

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旅のかきおき書きかへておく  山頭火

かすんでかさなって山がふるさと   山頭火

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ランプ照らす廊下のさきまで黒光り  あきオジ

2010-08-15 06:52:20 | 日記
川越の蔵の中
蔵は閉そく感と言うか
出られない不安がありますね。
私は閉所恐怖症で急な階段が苦手
ですから、外から見ていました。

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ときおり記憶が混乱します。
昨日のことなのに忘れたり
今日は何月何日なの?
時計や携帯で確かめなければ分からない。

年をとると必要なことだけでなく
都合の悪いことまで思い出せなくなるのかもしれません。

それにしても元気に老後を過ごすことは大変ですね。

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このブログ書くので手いっぱい
見直しもしていますが
誤字脱字
見つけることができません。
お許しください。

あれこれありますし、ブログの更新を「忘れたり」することもありますが
日課のようになりました。
こうなったらしめたものです。
続けている限り
俳句の世界も覗けるし
写真を撮る楽しみが歩くことを教えてくれます。
楽しみ方を見つける。
これは老後の大切な仕事ですね。

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分別の底たたきけり年の暮   芭蕉

傘(からかさ)に押しわけみたる柳かなら  芭蕉

(浮世絵を見ているような色合いが芭蕉らしいですね。そんな気がします。蕪村は文人画の大家ですが、作品は色彩の対比で見せるもののように思います。一茶こそ文人画の世界の人ですね。)

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水をかけかけられ会話が飛び散って  あきオジ

2010-08-15 06:37:49 | 日記
楽しい夏の思い出ができたでしょうか。
年取って楽しい思い出を懐かしむしかないとき
おさないときの小さな思い出がいっぱいあれば
役に立つかも

それは「・・・かも」で終わります。

楽しいことは、楽しい気分でなければ思い出せないものでしょう。
そんな気がします。
過ぎたことを思いだすより、今がよければすべてよしですね。

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浅草の馬券売り場あたりを歩いていたら
車座になって酒を飲んでいるホームレスらしき人たちが
酩酊し、通りすがりの人に罵声を浴びせていました。

この人にも酒を飲まない時もあり
それなりの時期があったのでしょう。
きっと、酒を飲むことができる金も何とかしているのでしょう。

どちらがどちらといえないことですが
同情する嫌らしさには陥りたくないし
共感する強さもありません。

リトマス試験紙のような状況とぶつかりました。

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野分の夜書読む心定まらず  子規

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向日葵は種の黒さも逞しく   あきオジ

2010-08-15 06:25:55 | 日記
盆休みも終わりですね。
帰省する人で高速も大変でしょうね。
ご苦労様です。

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春立つや愚の上に又愚にかえる  一茶

人誹る会が立つなり冬籠り  一茶

梅咲くや手垢が光るなで仏  一茶

(一茶晩年の作品。慈味があって、いいですね。でも、こんな句を分かっていいのでしょうか。)

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「イ・サン」をNHKで再放送しているので見ているのですが
気分としては挫折しそうです。物語が単純で展開も粗雑なのですね。
劇画のようなものを楽しいという人にはいいのでしょうが

それぞれの人の会話も解決の仕方も大人げないのです。
でも、もう少し辛抱してみましょうか。

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