あきオジの風景

写真、そして、俳句(もどき)
毎日更新しています。

波寄せるなんとかなるよと聞こえてる  あきオジ

2010-08-17 20:50:22 | 日記
昭和記念公園のカサブランカ

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曙の空色衣かえへにけり  一茶

縄帯の倅いくつぞ霜柱  一茶

追分の一里手前の秋の暮  一茶

(一茶の俳句、いいですね。胸のつんとくる句に出会いがしらにぶつかることがあります。それが、面白いところですね。)

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「表札」

   石垣りん

 

自分の住むところは

自分で表札を出すにかぎる

 

自分の寝泊まりする場所に

他人がかけてくれる表札は

いつもろくなことはない

 

病院へ入院したら

病室には石垣りん様と

様が付いた

 

旅館に泊まっても

部屋の外に名前は 出ないが

やがて焼き場のかまにはいると

とじた扉の上に

石垣りん殿と札が下がるだろう

そのとき私がこばめるか?

 

様も

殿も

付いてはいけない

自分の住む所には

自分の手で表札をかけるに限る

精神の在り場所も

ハタから表札をかけられてはならない 

 

石垣りん

それでよい

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(こんな気骨のある人がいたことが嬉しいですね。)





女郎花食べたくなるのも今のうち  あきオジ

2010-08-17 20:37:48 | 日記
昭和記念公園の女郎花ですね。

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ひどい風だどこ迄も青空  放哉

一里来て疲るる足や女郎花  放哉

となりにも雨の葱畑  放哉

(放哉も山頭火の句も、そして、新しい形式の俳句よりも、そのような改革を意識しないで作ったと思われる句が好きです。私もだんだんものを言い始めましたね。止めておきましょう。)

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(「朝日のように爽やかに」にアップした詩ですが
とてもいい詩なので、こちらにも載せます。)

苦しいときは

    晴佐久昌英

苦しいときは 昔を思い出すといいよ
自分が生まれた日
はじめて母のふところに抱かれてやすらいだ朝を
わが子に人生を与えた親の思いを
思い出すといいよ
悩みなく遊びまわった幼いころ
ころんでもころんでも世界を信じて
傷が治らないうちにまた走りだした夏休みを
思い出すといいよ
夢破れて死のうとさえ思ったあの夜を
もう二度と朝は来ないと思っていたのに
やがて魂に忍び込んできたあの夜明けの美しさを

苦しいときは 明日を夢見るといいよ
いつかすべてを月日が洗い清めて
こころにひとかけらのけがれも痛みもなく
晴れわたった雪山の青空のようになれる日を
夢見るといいよ
苦しみ抜いた末に優しさのちからを知り
苦しむ人の気持ちが痛いほど分かるようになり
涙にくれるだれかの隣りにそっと寄り添える日を
夢見るといいよ
苦しみはいつか喜びにかわると身をもって知り
あの最もつらかった一日こそが
最もありがたい一日だったと感謝できる日を

それでも苦しいときは もう何もしなくていいよ
歩けないなら歩かなくていいよ
弱ったその身そのままで黙って座っていていいよ
冬眠に入った天道虫のように小さく丸くなって
何もしなくていいよ
今日も揺れ騒ぐ波の底に貝は眠り
風わたる樹々をおおい星空はめぐる
人はすべてのいのちと結ばれているから
何もしなくていいよ
一粒の苦しみも見逃さない天使たちに囲まれて
誕生への深き眠りに落ちていこう
あらゆる苦しみは生みの苦しみなのだから

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このような淡々と現実に向き合う詩はいいですね。
このような平明な言葉で語れるといいですね。
このような詩に出会えて、ちょっと嬉しいです。


いずれまたさぎ草咲く夜迎えたし  あきオジ

2010-08-17 05:48:30 | 日記
川越の傘を売る店のディスプレイです。
それなりに工夫しているのですね。

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櫻の花をあと何回見ることができるだろうか
大好きな蓮の花を楽しめるだろうか
そんなことを考えることが多くなりましたね。

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湯に入て我身となるや年の暮れ  一茶

雪ちらちら一点に雲なかりけり  一茶

(一茶の孤独もいいですね。不幸続き、家族の確執、何回か結婚して、子に恵まれながら、夭折してしまう。芭蕉とは違った孤独の姿がありますね。それぞれの人生を知ることは、心が痛くなりますね。山頭火にしても放哉にしても、大変な人生ですね。でも、人生って、それぞれの形があり、その姿そのものがそのまま、それでいいのですね。)

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さぎ草がゆれる湖畔に木陰あり   あきオジ

2010-08-17 05:23:35 | 日記
さぎ草を育ている人
見せる人
その姿を写真にする人

一つのことに多くの人がつながっていく

さぎ草一つでも楽しみの連鎖が生まれる。

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行く春にわかの浦にて追付たり  芭蕉

月見せよ玉江の芦を刈ぬ先  芭蕉

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いいときに仕事にも区切りをつけたいと思います。
淡々とときを過ごしたいと思います。

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さぎ草がさいて猛暑もあと少し  あきオジ

2010-08-17 05:01:49 | 日記
川越の蔵

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威風堂々としたただずまい。
それにしても、現在の建物のいかに素っ気ないことか
現代のビルに過剰な装飾があれば
余計ないことをする。
といっていやがるのでしょうね。

個性などいらないというか
逆に個人的趣味だけの
個性を求めない時代なのですね。

こんな個性は田舎でなければ発揮できないのかもしれません。
よく分かりません。

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雨に降りつめられて暮るる外なし御堂  放哉

両手に清水をさげてくらい途を通る  放哉

父子で住んで言葉少なく朝顔が咲いて  放哉

(この並べたほうな句なら、「なるほど」と納得し、「分かる」ことができます。しみじみとした静けさがいいですね。情感がある句は受け入れやすさもありますね。何度も取りあげている句です。)

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録画しておいた「出雲大社」を取材した番組を見ました。
物語の宝庫ですね。
物語が多い地方はいいですね。
その物語を思いながら古い時代からの行事を守っている。
そんな日常生活を見ていると
「古さを否定する」のではなく
こだわって暮らすのもいいかもしれません。

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生活の根っこをもつこと

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