きのう27日に訪ねた、埼玉県ふじみ野市での日本共産党市議団の視察を簡単にまとめておきたいと思います。
これまで寄せられる相談で空き家が絡む件が何件かありました。一つには空き家の竹林が繁茂し、日陰になるために蚊の発生などで困っているというものがありました。別には団地内の住宅にお住いの老夫婦が亡くなり、住宅を管理するものがいなくなったために、茂った庭木で道路がふさがれ危険になっている、というのもありました。
いずれも私有財産の問題があり解決には困難が伴いますが、全国的には条例を制定して、こうした問題に対応する自治体が増えています。その一つがふじみ野市で、埼玉県内では2番目に「空き家等の適正管理関する条例」を制定し、空き家対策をすすめています。
同市での空き家は推計で2,220軒にのぼるといいます。このうち管理不全の状態にある空き家がどの程度になるかは分からないものの、空き家への放火やホームレスの侵入などのトラブルや苦情が続発する事態になる中、市議会での質問も受けながら2010年12月に条例を制定しました。
条例では管理不全の空き家を把握すると、実態調査を行った後、所有者に助言をし、効果がみられない場合次の段階として指導、さらに効果が見られない場合は勧告、次の段階として命令を行います。命令しても対応されない場合、命令違反事実公表予告書を出し、所有者に弁明の機会を設けた上で、特に理由がない場合には所有者名と住所、空き家住所などを公表することになっています。
この条例が制定されたことによる効果は、一つはそれまで行政のどこが対応する問題か明確でなかったものでしたが、総務部の危機管理防災課に担当者を配置(現在2名)をして担当課が明確になりました。また二つ目には、条例制定を契機にして空き家に関する市民からの通報が増加し、条例施行前の2010(平成22)年度までに把握していた事案が34件だったのに対し、2011年度は67件、24年度は25件で合計126件まで増加しています。そして三つ目に、空き家の所有者の改善に向かう意欲を後押ししていると言います。
実際通報等により市が把握してこれまで対応した件数は助言で46件、指導で59件、勧告で3件。こうした措置により改善された件数は60件で、全体の41.1%が改善されてきたといいます。
またこれまでに命令の段階まで進んだ事例はないものの、実態調査から初めて勧告の段階までにすすむのには、相手の対応の様子を見守る必要もあることから半年ほどかかると言い、問題の解決を図るための時間は一定かかることが浮き彫りになっていました。
さて問題はなかなか解決しない案件への対応です。
同市の場合、命令に従わなかった場合、条例上の罰金は盛られていません。例え罰金を課したとしても徴収にあたっての労力などの費用対効果を考えて見送ったといいます。
また所有者に代わって行政が施行し本人に費用請求をする代執行については、条例上に規定がありません。規定しなくても地方自治法により可能と考えられているといいますが、市民・関係者にとって分かりやすい条例とするために盛り込むことを検討課題と考えているといいます。
この他に課題となっているのは、敷地内への立ち入りを条例上位置付けることや、管理不全状態の解消のために何らかの助成制度を設けることなどがあると同市では捉えています。その他、所有者が対応をためらう理由の一つに、建物を取り壊して更地にした場合、固定資産税が高くなるという税制度上の問題があります。取り壊して新たに建物を建てようとしても間口が狭いために建てられないケースもあり、特別の対応が必用だというのです。
こうしてみると空き家への対策条例を作ることは、行政の対応を明確にする点と市民の意識を高める上でメリットがあるものの、その実効性をさらに高く担保するために、罰金や代執行規定の明確化と予算の確保、さらに生活困窮者が対応する際の何らかの支援策の策定に加え、国の段階での法整備も含めて対応していくことが必要になっていることが分かります。
いわき市としての条例づくりをめざしながら、同時に国にも必要な措置をとるよう働きかけていきたいと思います。
池袋から東武東上線に乗り到着したふじみ野駅。改札の外にはふじみ野市役所の表示はなく、富士見市役所の表記ばかり。あれどういうことと考えこんでいるところに、ふじみ野市議会事務局の方が迎えに来てくださいました。
ふじみ野駅がある場所はふじみ野市ではなく、富士見市ふじみ野という地区だということで本当に紛らわしい。富士見市とふじみ野市が隣り合って存在するということも実は驚きでした。
さてそのふじみ野市は面積14.67平方キロメートルに46,963世帯約11万人が暮らす町、東京のベットタウンのとなっているようです。市議会は市役所本庁舎の4階と5階にあり、説明を受けたのは5階の会議室。窓から外を見ると富士山がくっきり見えていました。この季節に見えるのは珍しいと議会事務局職員。世界遺産に登録されて間もなくの富士山を見ることができて、少し得した気分です。
これまで寄せられる相談で空き家が絡む件が何件かありました。一つには空き家の竹林が繁茂し、日陰になるために蚊の発生などで困っているというものがありました。別には団地内の住宅にお住いの老夫婦が亡くなり、住宅を管理するものがいなくなったために、茂った庭木で道路がふさがれ危険になっている、というのもありました。
いずれも私有財産の問題があり解決には困難が伴いますが、全国的には条例を制定して、こうした問題に対応する自治体が増えています。その一つがふじみ野市で、埼玉県内では2番目に「空き家等の適正管理関する条例」を制定し、空き家対策をすすめています。
同市での空き家は推計で2,220軒にのぼるといいます。このうち管理不全の状態にある空き家がどの程度になるかは分からないものの、空き家への放火やホームレスの侵入などのトラブルや苦情が続発する事態になる中、市議会での質問も受けながら2010年12月に条例を制定しました。
条例では管理不全の空き家を把握すると、実態調査を行った後、所有者に助言をし、効果がみられない場合次の段階として指導、さらに効果が見られない場合は勧告、次の段階として命令を行います。命令しても対応されない場合、命令違反事実公表予告書を出し、所有者に弁明の機会を設けた上で、特に理由がない場合には所有者名と住所、空き家住所などを公表することになっています。
この条例が制定されたことによる効果は、一つはそれまで行政のどこが対応する問題か明確でなかったものでしたが、総務部の危機管理防災課に担当者を配置(現在2名)をして担当課が明確になりました。また二つ目には、条例制定を契機にして空き家に関する市民からの通報が増加し、条例施行前の2010(平成22)年度までに把握していた事案が34件だったのに対し、2011年度は67件、24年度は25件で合計126件まで増加しています。そして三つ目に、空き家の所有者の改善に向かう意欲を後押ししていると言います。
実際通報等により市が把握してこれまで対応した件数は助言で46件、指導で59件、勧告で3件。こうした措置により改善された件数は60件で、全体の41.1%が改善されてきたといいます。
またこれまでに命令の段階まで進んだ事例はないものの、実態調査から初めて勧告の段階までにすすむのには、相手の対応の様子を見守る必要もあることから半年ほどかかると言い、問題の解決を図るための時間は一定かかることが浮き彫りになっていました。
さて問題はなかなか解決しない案件への対応です。
同市の場合、命令に従わなかった場合、条例上の罰金は盛られていません。例え罰金を課したとしても徴収にあたっての労力などの費用対効果を考えて見送ったといいます。
また所有者に代わって行政が施行し本人に費用請求をする代執行については、条例上に規定がありません。規定しなくても地方自治法により可能と考えられているといいますが、市民・関係者にとって分かりやすい条例とするために盛り込むことを検討課題と考えているといいます。
この他に課題となっているのは、敷地内への立ち入りを条例上位置付けることや、管理不全状態の解消のために何らかの助成制度を設けることなどがあると同市では捉えています。その他、所有者が対応をためらう理由の一つに、建物を取り壊して更地にした場合、固定資産税が高くなるという税制度上の問題があります。取り壊して新たに建物を建てようとしても間口が狭いために建てられないケースもあり、特別の対応が必用だというのです。
こうしてみると空き家への対策条例を作ることは、行政の対応を明確にする点と市民の意識を高める上でメリットがあるものの、その実効性をさらに高く担保するために、罰金や代執行規定の明確化と予算の確保、さらに生活困窮者が対応する際の何らかの支援策の策定に加え、国の段階での法整備も含めて対応していくことが必要になっていることが分かります。
いわき市としての条例づくりをめざしながら、同時に国にも必要な措置をとるよう働きかけていきたいと思います。
池袋から東武東上線に乗り到着したふじみ野駅。改札の外にはふじみ野市役所の表示はなく、富士見市役所の表記ばかり。あれどういうことと考えこんでいるところに、ふじみ野市議会事務局の方が迎えに来てくださいました。
ふじみ野駅がある場所はふじみ野市ではなく、富士見市ふじみ野という地区だということで本当に紛らわしい。富士見市とふじみ野市が隣り合って存在するということも実は驚きでした。
さてそのふじみ野市は面積14.67平方キロメートルに46,963世帯約11万人が暮らす町、東京のベットタウンのとなっているようです。市議会は市役所本庁舎の4階と5階にあり、説明を受けたのは5階の会議室。窓から外を見ると富士山がくっきり見えていました。この季節に見えるのは珍しいと議会事務局職員。世界遺産に登録されて間もなくの富士山を見ることができて、少し得した気分です。
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