船井幸雄推奨の朝倉慶氏が、アメリカンエクスプレスの債権回収について書かれています。普通は借りてくれたら、クレジット会社は儲かるのですが、お金を返してくれたら約3万円分の商品券をプレゼントするそうです。個人向けクレジット会社は、いよいよ債権の回収モードに入ったようです。ということは、新規にクレジットを組むこともやりたくはないでしょうね。
<記事転載>
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『アメリカン・エキスプレスのキャンペーン』
米アメリカン・エキスプレス(アメックス)が、前代未聞のキャンペーンを始めます。
4月末までにカードローンの残高をゼロにした顧客に300ドル分の商品券をプレゼントするというものです。普通はカードローンを新しく借りてくれる人に、キャンペーンとして、粗品なりサービス券を供与して、販売の拡張を目指すのが当たり前なのに、全く逆に、お金を返してくれた人に商品券をプレゼントするとはどういう意図があるのでしょうか? そんなことで商売が成り立つのでしょうか?
アメックスのキャンペーンの狙いとは?
300ドル、約3万円のサービスは、少額のお金を借りている人にとっては、魅力的な額に違いありません。また、アメックスにとっては大きな出資です。まさに商売を度外視したこの政策の真の狙いは? ずばり、債権回収です。
「3万円あげるから、他から借りてきて、うちの会社で借りたお金、返してくれない?」というお願いなのです。アメックスは消費者ローン、クレジットの会社ですから、今の状況はただならぬ事態と察しているに違いありません。ここは商売縮小どころか、もっと積極的に回収する必要がある。あるいは、どうしても資金繰りのために目先に現金が必要になっているということでしょう。思いきった決断をするものと思いますが、現場としてはこの現状をみる限り、回収は早いもの勝ちとの判断と思います。そしてその判断は間違っていないでしょう。
むしろ個人向けのクレジット会社だからこそ、どこよりもこの事態の深刻さがわかっているに違いありません。もうなりふり構わず、生き残りのために常軌を逸した政策を打っていくしかないということと思われます。
3月6日に米労働省は雇用統計を発表しました。
失業率は前月より0.5ポイント高い8.1%まで急伸、2月の非農業部門の雇用者数は651,000人の減少、昨年12月が681,000人減に修正され、59年ぶりの大幅な落ち込みも明らかになりました。雇用減は昨年1月からの合計で約440万人に達しました。強烈な信用収縮が始まるのはこれからなのです。
スタンダード・アンド・プアーズ(=アメリカに本社を置く投資情報会社)は、信用収縮は初期段階というレポートを出しました。これから、つるべ落としの経済の悪化が個人の財布を直撃するのです。そしてそれは連鎖的に広がっていきます。景気回復どころか、これからが悪化の本番です。
こんな苦しい時に銀行がお金を貸してくれない、今、銀行は世間から一斉の非難の波に晒(さら)されています。「苦しい時には助けてくれない! 晴れた日には傘を貸し、土砂降りになったら傘を取りあげるのが銀行だ!」
しかし銀行には銀行の言い分もあるようなのです。「冗談じゃない、我々にとって一番大切なことは銀行を潰さず、預金者のお金を守ることだ。預金を預金者に返すことこそ社会的使命だ!」今や、銀行は火の車、とても顧客を思いやる余裕はないようです。それどころか自らが倒産しないように必死になっているのです。アメックスを見習わなければ、と感じていることでしょう。
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●朝倉 慶氏の記事
http://funaiyukio.com/money2/index_0903.asp
<記事転載>
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『アメリカン・エキスプレスのキャンペーン』
米アメリカン・エキスプレス(アメックス)が、前代未聞のキャンペーンを始めます。
4月末までにカードローンの残高をゼロにした顧客に300ドル分の商品券をプレゼントするというものです。普通はカードローンを新しく借りてくれる人に、キャンペーンとして、粗品なりサービス券を供与して、販売の拡張を目指すのが当たり前なのに、全く逆に、お金を返してくれた人に商品券をプレゼントするとはどういう意図があるのでしょうか? そんなことで商売が成り立つのでしょうか?
アメックスのキャンペーンの狙いとは?
300ドル、約3万円のサービスは、少額のお金を借りている人にとっては、魅力的な額に違いありません。また、アメックスにとっては大きな出資です。まさに商売を度外視したこの政策の真の狙いは? ずばり、債権回収です。
「3万円あげるから、他から借りてきて、うちの会社で借りたお金、返してくれない?」というお願いなのです。アメックスは消費者ローン、クレジットの会社ですから、今の状況はただならぬ事態と察しているに違いありません。ここは商売縮小どころか、もっと積極的に回収する必要がある。あるいは、どうしても資金繰りのために目先に現金が必要になっているということでしょう。思いきった決断をするものと思いますが、現場としてはこの現状をみる限り、回収は早いもの勝ちとの判断と思います。そしてその判断は間違っていないでしょう。
むしろ個人向けのクレジット会社だからこそ、どこよりもこの事態の深刻さがわかっているに違いありません。もうなりふり構わず、生き残りのために常軌を逸した政策を打っていくしかないということと思われます。
3月6日に米労働省は雇用統計を発表しました。
失業率は前月より0.5ポイント高い8.1%まで急伸、2月の非農業部門の雇用者数は651,000人の減少、昨年12月が681,000人減に修正され、59年ぶりの大幅な落ち込みも明らかになりました。雇用減は昨年1月からの合計で約440万人に達しました。強烈な信用収縮が始まるのはこれからなのです。
スタンダード・アンド・プアーズ(=アメリカに本社を置く投資情報会社)は、信用収縮は初期段階というレポートを出しました。これから、つるべ落としの経済の悪化が個人の財布を直撃するのです。そしてそれは連鎖的に広がっていきます。景気回復どころか、これからが悪化の本番です。
こんな苦しい時に銀行がお金を貸してくれない、今、銀行は世間から一斉の非難の波に晒(さら)されています。「苦しい時には助けてくれない! 晴れた日には傘を貸し、土砂降りになったら傘を取りあげるのが銀行だ!」
しかし銀行には銀行の言い分もあるようなのです。「冗談じゃない、我々にとって一番大切なことは銀行を潰さず、預金者のお金を守ることだ。預金を預金者に返すことこそ社会的使命だ!」今や、銀行は火の車、とても顧客を思いやる余裕はないようです。それどころか自らが倒産しないように必死になっているのです。アメックスを見習わなければ、と感じていることでしょう。
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●朝倉 慶氏の記事
http://funaiyukio.com/money2/index_0903.asp