久しぶりに副島隆彦氏が掲示板で、持論を展開してくれています。この1月から4月までの政治のまとめをしてくれているので、とてもよく理解できます。相変わらず、表現はストレートすぎて一部の方々から批判を受けそうではありますが、「よくぞ言ってくれました!」と今回も私は思った次第です。3度、ふきだしてしまいました。面白いです(笑)。
<記事転載>
----------------------------
「私の新刊本のこと、および、クルーグマン教授が、日本に謝罪のニューズ記事を載せる。」
副島隆彦です。 私は、自分の新刊本が、ようやく出版されることになって、やれやれで、ややへこたれ気味です。 丸2ヶ月、この本にかかりっきりになった。疲れ果てました。 それでも、この22日に、見本が出て、それを受け取ったときには、さすがにほっとしました。
28日(火)から全国で一斉に発売されます。
書名は、『日米振り込み詐欺大恐慌』(徳間書店刊)です。2月21日(土)に開かれた大阪での、学問道場主催の自力講演会で話したことの、延長線上にある内容です。 今年の1月、2月、3月は、政治的な事件が、突発的に続いて、それに私もかなり翻弄(ほんろう)されました。
それで、自分の金融・経済分析と、近未来への予測で、かなり、手間取って、苦労しました。 それでも、なんとかこの本を出せてよかった。全国に一斉に売り出して、インターネットなど出来ないで、ネット言論、最先端のネット情報など知りもしない、全国のまじめな読者に、大きな真実を、たくさん、はっきりと伝えようと思った。
1月は、バラク・オバマ政権の誕生時のことで、あれこれ情報収集に追われた。2月になると、中川昭一(なかがわしょういち)財務・金融大臣の、謀略による失脚事件で荒れた。私の今度の本には、中川大臣のワイングラスに、薬物を投入した、越前谷智子(いちぜんやともこ)読売新聞経済部記者(36歳、現在、行方不明)の顔写真も小さくだが、載せたし、他のふたりの女記者の名前も、明示した。
私たちは、真実を追い求めて、ひるくことなく、国民に公表し続けて、徹底的に闘い続けます。許してはいけないことは、許してはならない。謀略政治しか出来ないような、薄汚い、ひねくれた、アメリカの手先たちとの闘いを果断に続けます。
3月には、3日に、我らが小沢一郎民主党代表に、これも陰湿な、政治謀略で襲い掛かった、東京地検・特捜部の 佐久間達哉(さくまたつや)特捜部長を、”危険な頭をした”あの”キャメルのコートの男”として、顔写真も載せて、ぶったたきました。 小沢事務所に、特捜部長自ら、颯爽(さっそう)と、黄色いキャメルのコートを翻して、手袋をして、ほかの特捜部の検事たちと、突撃していった、あの、頭のおかしい、エリート検察官 の 馬鹿 を、日本国民は、徹底的に、糾弾しなければならない。
「きゃー。あのキャメルのコートの人、かっこいい。西部警察みたい」と、嬌声をあげた女どもを、許してはならない。おんなというのは、その時その時の強いもの、権力者に、媚(こび)を売る性質を持っている、愚かな生き物である。
突発的な政治事件が次々に起きたので、私も混乱した。それでも、なんとか態勢(たいせい)を整えて、副島隆彦の金融・経済本を、全国で待ちわびている読者たちに届けることができて良かった。
4月2日のロンドンでの、G20(ジー・トウエンティ)の金融サミットで、決まったことは、「抜け駆けを許さない」ようにして、マンデル・フレミングの法則に配慮しながら、開放経済体制(自由貿易体制)のまま、各国の金利と為替への監視体制を取りながら、世界全体(主要20カ国、世界GDPの90%)で、5兆ドル(500兆円)の、財政出動(公共事業、積極財政)の割り当て支出を締結したことだった。
完全に、ケインズ政策、ケインズ理論への大きな宗旨替えであり、世界全体で、ケインズ型の財政政策、一点張り、全面展開への踏み込みの大きな決定、大決断であった。 ということは、シカゴ学派のマネタリスト理論や、ネオコン派の凶暴な世界均質化政策や、ジョージ・ルーカクスの合理的期待形成理論や、竹中平蔵が新古典派とか言いながら、本当は、それとは似ても似つかぬ、強欲ユダヤ人系のデリバティブ凶悪理論(金融工学と言う名の大博打、そして大爆発した)などとは、全く対極にあるものだ。
もっと、縮(ちぢ)めて言えば、金融政策(マネタリー・ポリシー)すべてが大失敗して、大崩壊をしたので、財政政策(フィスカル・ポリシー、公共事業、実需経済)だけの、愚直な「古典的な」ケインズ政策
体系(実体経済重視の景気回復策、公共事業による大きな雇用の強制的な創出)への、一大決心による、世界的な合意のもとでの、回帰だ。
だから、3月30日に、高橋洋一(たかはしよういち)氏を、金融政策(量的緩和推進)派が、警察(=公設暴力団)を犯罪者として公然と使った、銭湯での窃盗という謀略政治 の形で、切り捨てたのだ。3月20日ごろに、根回しとして、世界的合意の上での、政策思想(ケインズ理論へ)の大転換が起きたのだ。
これで、「アメリカ(NY)発の世界恐慌への突入」を、阻止できるとは、私は思わない。事態は、すぐに、再度の悪化を起こす。それは目に見えている。アメリカ(オバマ政権) は、80兆円(7870億ドル)の真水(まみず)での公共事情(財政出動、「グリーン・ニューディール計画」という、全土のボロボロの送電線(グリッド)の光ファイバー化、と、電気自動車、太陽光発電などへの財政資金=国庫 の投入)を行う。 それでも、一桁(ひとけた)違うだろう。
私は、今度の本で、アメリカは、全部で、真水で、4000兆円(40兆ドル)の資金を投入しないと大恐慌(2007年から)を乗り切れないのだ、と書いた。今はまだ、200兆円しか出していない。銀行救済の分の、金融政策(ジャブジャブの国家資金の供給を入れてだ。 それらの詳細を書いた。
以下の新聞記事で、ポール・クルーグマン・プリンストン大教授が、「日本に謝罪しなければならない」と発言した、と伝えている。
私は、今度の本を書き上げたちょうどその日だったので、初めは、いぶかしく思った。しかし、これまでずっと、ズケズケと自分が思ったとおりのことを、書いてきた、正直者のクルーグマンにしてみれば、これまで、20年近く、日本の経済政策(特に金融政策)を長年、「アホだ、間抜けだ。経済学が分かっていない。後手後手に回っている。日銀の金融引き締めは、間違いだ。自分の唱えているインフレーショーン・ターゲッテイング理論(インフレ目標率への人工的操作政策)を日本は即座に実施しろ」と、喚(わめ)いて、散々、罵(のの)り、叩いてきた。日本を名指しで、ひどく批判してきた。
このことを、クルーグマンが、遂に、ぺろりと、口から本音が、漏れて出て、反省して、「日本に詫(わ)びなければならない」と、白状しなのである。私、副島隆彦は、このクルーグマンの謝罪は、当然、起こるべくして起きたことだと、自然に受け留めている。クルーグマンだけが、日本を、アホ、馬鹿、間抜けと言ってきたのではない。
ベンジャミン・バーナンキFRB議長も、日本をさんざん、馬鹿にしてきた。最近の3月初めにも、「(日本の)日銀は、ケチャップでも買え」と、吐き捨てて、日銀が、お尻を重たくして、日本国債(中古品、既発債)を市場(市中、銀行群)から、買い取って、ジャブジャブの資金を供給しないものだから、怒って、発言したのだ。白川・日銀は、今こそ、金融引き締めに入って、「量的緩和(りょうてきかんわ)」で、アメリカに同調せず、言うことを聞く振りをして、絶対に言うことを聞かないで、密かに反抗している。「インフレを警戒して、金融を緩めないのが、中央銀行の使命だ」と、言って、重厚に腰を落として、アメリカに逆らっている。今のこの日銀の態度は、すばらしい。真に愛国者の態度である。
ところで、あれほど、ネットでも、「インタゲ論こそは、(日本でも)経済学界の主流派の主張であり、正統派だ」と、書き続けた者たちは、
このクルーグマンの、大きな宗旨変え、大転向(グレート・リキャンテーション)に対して、どういう、発言をするのか。自分たちも、またぞろ、ぐずぐずと、こそこそと、ケインズ主義者に、ぞろぞろと宗旨変えして、大変節して、口を抜くって、知らん顔をして、いつのまにか、態度を変えるのか。 その前に、公然と、反省して、自分の愚かさを、恥じて、みなの前で、泣いて見せるか。 ちゃんとやれ。馬鹿ども。
変節して、豹変して、態度をコロコロ変えるのは、いくらアメリカ帝国の属国である日本の、おろかな属国人間としては、当然のことだ、帝国(宗派の本国)の方で、考えが変わったのだから、自分たちも、恥知らずと言われようと、何と言われようと、考えを変えます、と正直に言う者は、出てくるのか。私は、日本の個々の経済学者(エコノミスト)たちの発言がこれから、徐々に、ぞろぞろと変更してゆくのを、厳しく見つめ続けることにする。
あれほど、自説としても「インタゲ論」を唱えていた者たちが、それをかなぐり捨てて、全く別の主張を始めたときは、名指して、突きまくるから、覚悟しなさい。問題は、クルーグマンの、いつもの、お決まりの変節にとどまらない。属国・日本の、金融・経済の学界と学会の、態度の取り方にも、大きく関わっている。
クルーグマンは、ハーバード大学系であるから、元々が、ケインズ派(ケインジアン)だ。そこに戻っただけのことだ、と、これから、本人が、ニューヨーク・タイムズ紙の有名な(超人気を続けている、だから、ノーベル賞をもらった。本当は経済学ジャーナリストだ)連載コラムで、いけシャーシャーと書くだろう。
日本の手先の、竹中平蔵も、世界基準では、ハーバード大学留学組だから、ケインズ理論を学んだ人間と言うことになり、流派から言ったら、竹中はケインジアンだ、ということに、大きくはなるのだ。こういう、大きな理解も出来ないようなら、一切の知識言論をやめろ。竹中のような生来品性の卑しい人間でも、ケインジアンだと考えるのが、世界基準(ワールド・ヴァリューズ)での思考、判断なのだ。
私、副島隆彦のこの書き方に、異論のある者は、自分のまわりのアメリカ人のちょっとでも知性のある友人に聞いてからにしろ。 経済学の政界での、流派(スクール)の違いでの、大きな考えの違いのことを、理解しないのなら、金融・経済のことで、自分の勝手な発言をするな。土人(どじん)=未開人の、低劣極まりない、アホ意見とみなされることを覚悟しなさい。
経済学(エコノミックス)の世界も、政治(学)の世界と同じように、思想流派(イデオロギー)に違いが、はっきりしているのだ。このことを、まず、分かりなさい。アルル君が、このことを、しばらく前の今日のぼやきの文で書いていました。読み直して御覧なさい。
副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
●「「日本に謝罪」…かつて対日批判急先鋒の米ノーベル賞教授」
2009年4月14日 読売新聞 ニューヨーク、山本正実
「私たちは、日本に謝らなければならない」――。
2008年のノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン米プリンストン大教授は13日、外国人記者団との質疑応答で、1990~2000年代のデフレ不況に対する日本政府や日本銀行の対応の遅さを批判したことを謝罪した。
教授は、「日本は対応が遅く、根本的な解決を避けていると、西欧の識者は批判してきた。が、似たような境遇に直面すると、私たちも同じ政策をとっている」 と指摘。 「(3月で8・5%と)上昇する米失業率を見ると、失われた10年を経験した日本より悪化している」 と述べ、経済危機を克服するのは予想以上に難しいとの見方を示した。
クルーグマン教授は 90年代後半、日銀にインフレ目標を設け、徹底的な金融緩和を促す論陣を張るなど、日本批判の急先鋒(せんぽう)だった。 また、景気回復の見通しについては、「(景気判定では)今年9月に景気後退が終わっても不思議ではない。
しかし、失業率は来年いっぱい上昇し続け、回復は実感されないだろう」 とし、極めて緩やかな回復になるとの見方を示した。「1930年代の大恐慌では、景気の落ち込みには、何度か休止期間があった」 とも述べ、回復に向かったとしても、一時的なものにとどまる可能性を指摘した。
● 「米経済は日本の「失われた10年」と似た境遇 クルーグマン教授」
日経新聞 2009年4月14日 ニューヨーク、山下茂行
昨年のノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のポール・クルーグマン教授は13日、ニューヨーク市内で講演し、米景気について 「1930年代の大恐慌以来の厳しさ」との認識を示した。「日本の失われた10年と似たような境遇に直面している」との見方も表明し、米経済の深刻さを強調した。
同時に このほど緩和が決まった時価会計については 「金融機関の損失処理には時間を稼ぐことが必要」 として一定の評価を与えた。日本では不良債権の実態把握が遅れたことが長期の経済停滞を招いた一因とされ、米国の時価会計の緩和も金融危機の全体像の把握を遅らせるとの見方があるが、クルーグマン教授は当面の危機回避のために容認する姿勢を示した。
● Jキャストニュース と言うサイト から
「 ノーベル賞米経済学者 かつての対日批判を謝罪 」
2009年4月14日
ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン米プリンストン大教授は2009年4月13日、外国人記者団に対し、日本政府や日本銀行がバブル崩壊後のデフレ不況に対応するのが遅れたと批判したことを謝罪した。
クルーグマン教授は、「日本は対応が遅く、根本的な解決を避けていると、西欧の識者は批判してきた。しかし、似たような境遇に直面すると、私たちも同じ政策をとっている。上昇する米失業率を見ると、失われた10年を経験した日本より悪化している」と反省の弁を述べた。
● ( 副島隆彦注記。以下に載せるのは、池田信夫 という昔、グロコムにいた研究者の文である。ポール・クルーグマンが、元々はケインジアン経済学者だったのに、どんどん態度を変えて、変節と豹変の限りを尽していることを、簡潔に書いている。 それなりに的を射ているが、翻(ひるがえ)って、アメリカの忠実な属国であり続けている日本の経済学者たちの、ひとりひとりの 節操の無さや、変節ぶりについては、誰も語ろうとしない。 副島隆彦注記終わり)
「 クルーグマン、日本に謝罪する 」
2009/04/15 池田信夫
クルーグマンの政治とのかかわりは、1982年にレーガン政権のスタッフになったことから始まる。そのころは、いわゆるレーガノミックスにそって自由貿易を推進していたのだが、クリントン政権では大統領経済諮問委員会の委員長候補とされ、本人もあからさまに「ポストに興味がある」と語ったが、結局ポストにはつけなかった。
この戦略的貿易政策は、そのとき猟官運動のために書いたもので、国際経済学の常識である自由貿易を否定する理論だ。
ところがポストが得られないことを知ると、クルーグマンは1994年に「競争力という危険な幻想」という論文を発表して、自由貿易主義者に変身する。その後は、エンロンの顧問をつとめて笑いものになったり、ブッシュ政権を罵倒するコラムを毎週書いて、Economist誌に「片手落ちの経済学者」と皮肉られたりした。
要するに、その時その時で理屈を変えて世の中に媚びてきたわけで、昨年の Hurwicz とは逆の、経済学者の卑しい部分を代表する人物だ。経済学がいかに都合よく結論にあわせて「理論」を編み出せるかを示すには、いいサンプルだろう。彼は学問的に新しいことをやったわけではないが、ジャーナリストとしては一流だから、代表作はNYタイムズのコラムだろう。 (以下、略)
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
-----------------------------
●副島隆彦の学問道場 思い気持ちの掲示板
http://soejima.to/