メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

2006-08-05 23:02:20 | 映画
「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(Pirates of The Caribbean Dead Man's Chest)(2006年、米、151分)
監督 ゴア・ヴァービンスキー
ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ステラン・スカルスガルド、ナオミ・ハリス、ビル・ナイ
 
大ヒットした海賊ジャック・スパロウものの第2作、夏休みにぴったりといいたいところだが、期待ほどではなかった。
2時間半というのはいかにも長いのだが、そこはうまく筋をつないでおり、途中で飽きるというわけではない。
だが、まずなによりカリブの海賊というわりには、カリブ海を思わせる海上のシーン、それも紺碧の海のシーンが少なく、暗くて半分イカ・タコ人間やそれが出すぬるぬる一杯の画面、それか島の中のジャングル・シーンが多い。つまり汚すぎる。
 
それから細かいところは、コメディ・アクションというよりアクション・コメディで、仕掛け、大げさな演技つきギャグの連続である。ディズニー・ランドのアトラクションでワン・ソース・マルチ・ユースをねらっているのだから、これは当然だろうか。そこそこ面白いのだが、それ中心の映画なんだろうか?
とにかく壮大なパートⅢ(来年公開予定)の予告編、まったく。
 
「呪い」について
このイカ人間デイヴィ・ジョーンズ、そしてジャック・スパロウ、ウイル・ターナーの父親など、呪いをかけられた人間達、その呪いの中でも「フライング・ダッチマン」すなわちワーグナーも題材にした「さまよえるオランダ人」という言葉が何度も出てくる。これ、欧米での位置づけは想像以上のものなんだろう。
 
ジョニー・デップは自然体、オーランド・ブルームもキーラ・ナイトレイも前編よりしっかりしてきたがそういう年齢なんだろうか。もっともキーラはこの間、「プライドと偏見」、「ドミノ」なんかに出ているから当然といえば当然。
 
クレジットを見るまでわからなかったのが、イカ人間デイヴィ・ジョーンズを演じていたのはなんとビル・ナイ、顔は見えないし英語の具合はそんなにわからないが、何かかなりな人がやっている感じはしていた。
もしあらかじめ知っていたら、あの「ラブ・アクチュアリー」の老いぼれロッカーを思い浮かべ、もっと笑ってしまっただろう。
 
島で水車が延々と転がる活劇シーンがあるけれども、ここでCGというか画面合成というか、とにかくそういうところでちょっとさぼっているところが見受けられた。

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