ドリーブ作曲「コッペリア」
コーエン・ケッセルス指揮 コロンヌ管弦楽団、演出・振付:パトリス・バール
ドロテ・ジルベール(スワニルダ)、ジョゼ・マルティネス(コッペリウス)、マチアス・エイマン(フランツ)、ファブリス・ブルジョワ(スパランツァーニ)
2011年3月22日、24日、28日 パリ・オペラ座ガルニエ宮 2012年2月 NHK BS 放送録画
このコッペリアも見るのは初めて。バレエに詳しい知人がこの作品は是非見た方がいいと勧めていたのを思い出す。なるほどである。
これまでは大人の男が見るものかなという先入見を持っていて、序曲と最初の場面のワルツは、それぞれ単独でもプロムナード・コンサートなどで演奏され、すぐ耳につく名曲なのだが、そうであればあるほど多分それだけと思っていた。
話はかなり怪奇ファンタジー風で、嘗ての恋人を忘れられないマッド・サイエンティスト(?)のコッペリウスの下にいるスパランツァーニが悪計をたくらみ、皆に好かれているスワニルダを連れてきて、マインド・コントロールというのだろうか、まさにコッペリアにしたてるが、最後はスワニルダを好きなフランツが救い出す、というもの。
やはり、見ものはその魔術というか、それに関係した部分で、オペラ座のエトワールが演じるスワニルダがコッペリアになっていき、様々なダンスを繰り広げる。彼女は出ずっぱりのようなものだが、フランス人にしては日本人にも親しめる風貌、体型で楽しめる。
ドロテ・ジルベールとしてはエトワール冥利につきる役だろう。
そして男性では恋人フランツよりもやはりコッペリウスの方が見せ場はあって、ジョゼ・マルティネスは長身をいかし、影をうまくつくっている照明と相まって見る者をひきこんでいく。おそらく女性ファンが多いだろう。