東京国立近代美術館 2012年2月10日-5月6日
ジャクソン・ポロック(Jackson Pollock 1912-1956)の作品は、ブリヂストン美術館などで少しずつは見ているものの、画家としてのイメージが出来るまでには至ってなかった。
今回は具象絵画を描いていたごく初期から晩年まで、多くの作品が展示されている(日本国内にあるものほぼ全てを含む)。
初期から1930年代では、何から学んだか、影響を受けたかが素直に出ていて面白い。
ミケランジェロのシスティナ天井画一部のスケッチ(?)、かなり多くのエル・グレコ調のもの、影響をうけそれを超えるために苦闘したピカソ、そしてクレーなど。
こうしてみると、ポロック特有のあのペイントたらし(pouring)技法とアクションは、ある必然とも考えることが出来る。
そして中でも、35年前にイラン革命により門外不出となっていた「インディアンレッドの地の壁画」(テヘラン現代美術館)は、確かに最高傑作で(現在の評価額200億円とか)、これを今回見ることが出来るのは貴重である。見ていて不思議と静かに刺激され、しかも飽きない。