glee/ グリー ザ・コンサート3Dムービー ( glee: The 3D Concert Movie 、2011米、87分)
監督:ケヴィン・タンチャローエン
リー・ミッシェル、コーリー・モンテース 他
TVドラマでシーズン1、シーズン2を見たglee(シーズン4まであるらしい)のメンバーによるライブ・コンサートのドキュメンタリー映画である。これを見ると、出演者が本当に歌っていることが、まずわかるが、見事なものである。
人気は熱狂的だが、この映画を見ると、特にファンとして様々な事由からコンプレックスを持ったり、差別されたりしている子たちが取り上げられていて、彼らがドラマの中でやはりいろいろ問題を抱える登場人物と重なっていることが、繰り返し指摘されている。
ドラマを見ていてすでに気がついたことだが、特に美男美女は多くなく、人種もホワイト、ブラック、アジアン、ヒスパニック、ジュー、また通常でない発育、脚の障害、肥満、ゲイ、レズ、ダウン症など、日本ではなかなかここまで集めて扱ったものはないだろう。
こういう集団がどうやって自信を持ちパフォーマンスを繰り広げるか、ドラマでもそれが中心になっているわけだが、こうして大きな舞台でやられると迫力は絶大である。そして音響が素晴らしい。
こういう均質でない集団を積極的に評価していこうということは、現在のアメリカが抱える問題ともろに重なっていることは明らかで、たんなる問題児を集めた学園ものではないだろう。
おそらくオバマの登場、彼の苦労と同期している。こういうダイヴァーシティの認知とそれにむしろ価値を認めていくこと、いわば第二の独立宣言といったら大げさだろうか。
なにしろ前の大統領ブッシュがなんとか勝ったのは、彼がスペイン語をしゃべれたからという話もある。
ところで、ここにはドラマに登場する個性的な先生たちは出てこない?と思っていたら、途中でなんとあっといわせたのが、シーズン1、2でたまに代理教師として出てきていたグウィネス・パルトロー、ドラマ同様ミニスカートで歌い踊る。こういうの好きらしい。