メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

パラサイト 半地下の家族

2020-02-04 10:00:15 | 映画
パラサイト 半地下の家族(2019韓国、132分)
監督:ポン・ジュノ
ソン・ガンホ(半地下一家の主)、チャン・ヘジン(妻)、チェ・ウシク(息子)、パク・ソダム(娘)、イ・ソン・ギュン(金持ちの家の主人)、チョ・ヨジョン(その妻)、イ・ジョンウン(金持ちの家の家政婦)、パク・ミョウンフン(家政婦の夫)
 
半地下に住む貧しい一家の息子が友人の伝手で金持ちの家庭教師になったところから、その姉もそこの家庭教師、母親は元からいた家政婦を追い出して入り、父親もにわか高級車運転手になりすまし、全員が家族だとはわからないようにして、金持ち一家をだましてとりいる。これがパラサイトかと思ってみていると、実は元の家政婦は豪邸の地下に夫を隠して食わせていて、これもパラサイトである。
 
そのあとこの二つのパラサイト組の間の争い、主人一家にわからないようにすりぬけるスリルといった、いわば詐欺師のコンゲームが続く。
最近のこういう映画はそうなのかと思ったのだが、まったくてんこ盛りのジェットコースター映画。そのカット、スピードは秀逸といえば秀逸で、こういう映画としてはかなり長いのだが、飽きさせない。
 
ただ、こういう詐欺師コンゲームものでは、やられる方がもっとワルで、そのため見る方はカタルシスを感じるというところがあるけれど、ここにはそれはない。もしかしたら韓国ではこのくらいの金持ちになれば、やっつける理由は説明するまでもないということなのかもしれない。
 
俳優では、主人・夫のソン・ガンホがこの国では名優らしいが、やはり存在感がある。また妻のチャン・ヘジンと元の家政婦のイ・ジョンウンがなかなか演技派で見せる。話の上では主役の息子チェ・ウシクはまずまず。金持ちの妻役チョ・ヨジョンはほんとにきれいで、画面、話しの中で華となっている。
 
これカンヌでパルムドール受賞、米アカデミー賞(もうすぐ)の有力候補ということだが、フランスはこういうもの好きかもしれないが、後者についてはそれほどかな、と思う。
とはいえ、娯楽映画としてはかなりレベルは高いだろう。
 
映画館に行ってみるのは何年ぶりだろうか、スクリーン、入館システムなど、かなり変化を感じた。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする