メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ドニゼッティ「ロベルト・デヴェリュー」(メトロポリタン)

2017-09-07 10:37:26 | 音楽一般
ドニゼッティ:歌劇「ロベルト・デヴェリュー」
指揮:マウリツィオ・ベニーニ、演出:デヴィッド・マクヴィカー
ソンドラ・ラドゥヴァノフスキー(エリザベッタ)、マシュー・ポレンザーニ(ロベルト・デヴェリュー)、エリーナ・ガランチャ(ノッティンガム公爵夫人サラ)、マウリッシュ・クヴィエチェン(ノッティンガム公爵)
2016年4月16日 ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場 2017年8月WOWOW
 
いわゆるテューダー朝三部作の最後を飾るドニゼッティ晩年の作品である。これに先立つ「アンナ・ボレーナ」、「マリア・ストゥアルダ」に比べタイトルを知ったのは最近で、メトでも今回が初とのこと。
 
男女四人の四角関係、それも69歳のエリザベッタ(エリザベスⅠ世)のロベルトへの強引なすさまじい恋慕、ロベルトは謀反の嫌疑をかけられていて、また友人侯爵の夫人サラと相思の仲にある。
 
エリザベッタは支配者としてロベルトを始末(処刑)しなければならず、一方なんとか助けたい。第1幕はロベルトに愛されていないとわかってきたところのすさまじい怒りが、その音楽、ラドゥヴァノフスキーの歌唱と演技で舞台・見る者を圧倒する。この老醜を感じさせる表出の連続で、こっちが敬遠しないというのは、いい意味で予想外であった。怒りの向こうにかすかに悲しみが浮かんでくるが、それは終盤になってやっぱりそうだったか、とうまく納得させる。
 
第2幕はサラと夫の公爵と緊張したやりとりが加わり、サラの女王へのしかけと内心なんとかロベルトを助けたいという女王の迷い、これが緩みなく一挙に終幕へと続く。女王が鬘をとり、上着を脱ぎ捨て、「どこへ」と問われて処刑台を見に行くいうと皆はぞっとする。そうあの処刑台、エリザベッタの父ヘンリー8世が母アンナ・ボレーナ(アン・ブーリン)を送ったあの処刑台、幼い彼女はおそらくそれを見ていた。
 
エリザベッタ以外の3人もメトの常連、手慣れたベニーニがドライヴするドニゼッティの単なるきれいなベルカントを超えたヴェルディの予兆を感じさせる管弦楽をバックに、音がくっきりと映える。
ガランチャは1幕と2幕で対照的なサラを、こちらがすっと感情移入するように、演じてくれた。
 
なお「アンナ・ボレーナ」は録画はしたものの、どうしてかまだ見ていない(この話の映画は見ているけれど)。近々見ることにしよう。
 
ところで今回、このブログ901回目のアップのようだ。1年100回のペース、10年で1000回とも考えたのだが、次第に遅れ気味となり、ここまで11年と少しかかった。これが目的ではないが、健康を維持すればあと2~3年というところだろうか。
 

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