ヨハン・シュトラウス:歌劇「こうもり」
指揮:ウラディーミル・ユロフスキ、演出:バリー・コスキー
ゲオルク・ニグル(アイゼンシュタイン)、ディアナ・ダムラウ(ロザリンデ)、アンドリュー・ワッツ(オルロフスキー)、ショーン・パニカー(アルフレート)、マルクス・ブリュック(ファルケ)、カタリーナ・コンラーディ(アデーレ)マックス・ポラック(フリッシュ)、ミリアム・ノイマイヤー(イーダ)
バイエルン国立歌劇場 2023年12月28・31日 2024年4月 NHK BS
ひさしぶりのこうもりである。放送でコメントされたようにドイツ/オーストリアあたりで大晦日あたりに恒例で上演されるらしく、我が国でいえば紅白歌合戦、軽い感じでああでもないこうでもないと言いながら楽しめばいいのだろう。
とはいいうもののレコード録音としてはカラヤン、カルロス・クライバーなどによる本格的(?)な録音もあるわけで、それはこのオペラの音楽がかれの作品群のなかでもきわだって優れて楽しいからだろう。
今回の歌手たち、歌もうまいし、演技もダンスも達者、ちょっとどぎついことも軽くやってのける。ロザリンデのダムラウ、かなりタフな役だけれど、そこはおそらくバイエルンの主みたいなものだろうか。男どももういまいのだが一つ、衣装がほぼ同じようなスーツで同じような色なので、のんびり見ているとはて誰だっけとなる。ここは工夫がほしいところ。こちらも歳とともに注意力が落ちてくる。
音楽はこれ全部オリジナルで書かれていたのかな、シュトラウスのヒット曲をうまく加えて楽しませてくれているのかなと思った。上記カラヤン、クライバーの録音よりだいぶ長い、それはもちろんかまわないしこれが通常なのかもしれない。
ところでクライバーの録音はずいぶんヒットしてウィーンのニューイヤーコンサートにつながったと思うのだが、オケはこのバイエルン、クライバーがここに持ってきてレパートリーになったのではないかという人もいる。たしかにウィーン風とういうよりダイナミックでより濃い楽しさがある(リズムにより弾みがある)。そして最初の演出はかのオットー・シェンク、「バラの騎士」でクライバーと名コンビになった人で、だいぶ前にウィーンでもシェンク演出の「こうもり」(ウェルザー・メスト指揮)を見たがどうだったか、いずれ録画をまた見てみよう。
さてダムラウのロザリンデを見ていてうかんできたことがある。こういうちょっと歳がいった魅力的な伯爵・公爵夫人の悩み悲しみって優れてオペラのテーマにしたいものなのだろうか。
たとえば「フィガロの結婚」の伯爵夫人、このロザリンデ、「バラの騎士」のマルシャリン、いずれもエリザベート・シュワルツコップの名演が残っている(指揮は順にジュリーニ、カラヤン、カラヤン)。
指揮:ウラディーミル・ユロフスキ、演出:バリー・コスキー
ゲオルク・ニグル(アイゼンシュタイン)、ディアナ・ダムラウ(ロザリンデ)、アンドリュー・ワッツ(オルロフスキー)、ショーン・パニカー(アルフレート)、マルクス・ブリュック(ファルケ)、カタリーナ・コンラーディ(アデーレ)マックス・ポラック(フリッシュ)、ミリアム・ノイマイヤー(イーダ)
バイエルン国立歌劇場 2023年12月28・31日 2024年4月 NHK BS
ひさしぶりのこうもりである。放送でコメントされたようにドイツ/オーストリアあたりで大晦日あたりに恒例で上演されるらしく、我が国でいえば紅白歌合戦、軽い感じでああでもないこうでもないと言いながら楽しめばいいのだろう。
とはいいうもののレコード録音としてはカラヤン、カルロス・クライバーなどによる本格的(?)な録音もあるわけで、それはこのオペラの音楽がかれの作品群のなかでもきわだって優れて楽しいからだろう。
今回の歌手たち、歌もうまいし、演技もダンスも達者、ちょっとどぎついことも軽くやってのける。ロザリンデのダムラウ、かなりタフな役だけれど、そこはおそらくバイエルンの主みたいなものだろうか。男どももういまいのだが一つ、衣装がほぼ同じようなスーツで同じような色なので、のんびり見ているとはて誰だっけとなる。ここは工夫がほしいところ。こちらも歳とともに注意力が落ちてくる。
音楽はこれ全部オリジナルで書かれていたのかな、シュトラウスのヒット曲をうまく加えて楽しませてくれているのかなと思った。上記カラヤン、クライバーの録音よりだいぶ長い、それはもちろんかまわないしこれが通常なのかもしれない。
ところでクライバーの録音はずいぶんヒットしてウィーンのニューイヤーコンサートにつながったと思うのだが、オケはこのバイエルン、クライバーがここに持ってきてレパートリーになったのではないかという人もいる。たしかにウィーン風とういうよりダイナミックでより濃い楽しさがある(リズムにより弾みがある)。そして最初の演出はかのオットー・シェンク、「バラの騎士」でクライバーと名コンビになった人で、だいぶ前にウィーンでもシェンク演出の「こうもり」(ウェルザー・メスト指揮)を見たがどうだったか、いずれ録画をまた見てみよう。
さてダムラウのロザリンデを見ていてうかんできたことがある。こういうちょっと歳がいった魅力的な伯爵・公爵夫人の悩み悲しみって優れてオペラのテーマにしたいものなのだろうか。
たとえば「フィガロの結婚」の伯爵夫人、このロザリンデ、「バラの騎士」のマルシャリン、いずれもエリザベート・シュワルツコップの名演が残っている(指揮は順にジュリーニ、カラヤン、カラヤン)。