田澤賢次先生からメールをいただき、「女性セブンに出ています。良かったら読んでくださいね」と。
田澤先生のファンとしてはそれは読まなきゃ!と思い、はじめて買った女性セブン。
デトックス効果や活性酸素消去に期待大!美容やガン対策にもー!?
アップルエイトの効果が特集されていました。
他にも面白い記事がありました。
90歳。何がめでたい
妄想作家 佐藤愛子
46年前『戦いすんで日が暮れて』で直木賞を受賞した時のことが書かれていました。
今とは雰囲気の違う記者会見だったそうですが、そこでの様子は何も覚えていないものの、記者会見の会場のホテルをでて、新橋の駅に向かう途中、ふと見上げると絵に書いたようなまん丸い黄色い月が浮かんでいたそうです。この日はアポロ11号が月面に着陸した前日だったそうで、一緒にいた人と「あのお月さまに向かって、アポロは飛んでいるのね」という会話を交わし、それだけを鮮明に覚えていたそうです。
直木賞の時期になると、思い出話しの一つとしてこの話をしてきたそうです。
ある日、この話にイチャモンがつけられたとか。(笑)
雑誌記者に「調べたところ1969年7月19日は満月ではなく三日月だったんです。月の周期で計算すると過去のすべての日の月の満ち欠けがわかるんです」と。
しかし私はこの目で見たのだ!と憤慨する佐藤愛子先生。
ここからが面白いのです。
「あれは何だったのか?夢かまことか幻か?気が狂ったか?勝手に作り出した夢想だったのか?だとしたらその妄想はいつ、なぜ生まれたのか?我ながらゾッとする。妄想の力で私は作家になれたのか?」
そして、最後にこう締めくくっています。
「読者の皆さん。
これからは私のいうこと、書くことをアタマから信じないでただ面白がってください。もうそうとでもいうよりしようがないのである」と。
92歳を過ぎてもこのユーモア。この切り口。
まだまだ書き続けてほしい…と、ファンの一人として望んでいます。(荻山貴美子)