私のヨーガネーム(=ペンネーム)は雪山童子です。
我が師、松浦雨花老師から頂いた名前です。
「貴方は北海道に生まれ大雪山の麓で修行しておりますね。あなたは、雪山童子にならなければなりません」
老師はこう言われたのです。
雪山童子は正確には「せっせんどうじ」と読みます。
お釈迦様の前生物語に出てくる名前です。
涅槃経の「施身聞偈」(せしんもんげ)にも出てくる有名な物語です。
お釈迦様の前生、ひとりのバラモンだった頃、ヒマラヤで修行中に何処からともなく聞こえてくる声に耳を傾けました。
「諸行無常」「是生滅法」
諸行は無常である。これは生じては滅するものである。
この句を聞いた童子の歓びといったらなかったようです。
童子は一体誰がこのような句を唱えたのか?
と、その姿をさがしました。
そこに立っていたのは羅刹でした。
その残りの句をどうしても聞きたかった童子は、腹をすかせた羅刹のために身を投げ出すことを約束し、残りの句「生滅滅已」「寂滅為楽」を聞き、惜しげもなく投身しました。しかし投身した瞬間に羅刹は、帝釈天に姿を戻し、童子の身を受け止めて、未来、人々を救い給えと言った…という説話です。
松浦雨花老師は「貴方も今日只今から雪山童子と名乗り、しっかり修行しなさい」と仰せになられたのです。
みなさん、今日ほど、この言葉(諸行無常 是生滅法)を身近に感じたことはありませんね。
熊本を中心とするいまだかつてない大地震です。
私たちの天地自然に対する傲慢に対する警告に違いありません。
私どもに代わって犠牲になられた方々に対し心から哀悼の意を捧げなければなりません。
さて、雪山童子が最後に会得した「生滅滅已」「寂滅為楽」とは何でしょうか。
生滅滅し已(おわ)りて、寂滅となるを楽と為す。
この境地は量り知れませんが「身を投げて、値うちのある偈(句)を聞いた謝礼にしたい」…という、この熱情は帝釈天をはじめ神々たちまでが平伏した…と言われています。
私は今日ほど皆さんを誇りに思ったことはありません。
何故かならヨーガに対する熱き念いを思い知らされたからです。
荻山貴美子理事長のお書きになった『ヨーガ・スートラへのいざない』が発売と同時に大量のご注文がありました。
サブタイトルを「人生大学に卒業なし」に急遽変更された荻山貴美子理事長の思いが確実に届いているのですね。