クリントンさんが大統領だった頃…
18年ほど前のことです。
私たちはアメリカのサッチダーナンダ・アーシュラムを中心に研修旅行に行っていました。
サッチダーナンダ・アーシュラムは山奥も山奥。
広大なアメリカの郊外といったらそれはそれは遠いのです。
アーシュラムに一泊して、サッチダーナンダ先生にお目にかかって、私たちはたくさんの方のお見送りを受け、アーシュラムを後にしました。確かニューヨークに向かったと思います。
バスがかなり走りはじめてからのことです。
やにわに田原豊道先生がカバンの中を何か探し始めました。
あのおっとりした先生が少し焦りはじめています。
私は先生の足元を見て、すぐに何を探しておいでか分かりました。
ズボンを履き替えていらっしゃらなかったからです。
「先生、おズボンを忘れたんですね」
「……」
田原先生は恥ずかしそうに照れ笑い。
その時です。
いつ見ても気持ちよさそうに居眠りをしていたK・Iさんがパッと目を覚まし、こう言い放ちました。
「田原先生、クリントンの真似をしてどうするんですか?」
その頃、クリントンさんは不倫問題で世界を賑わしていました。
大統領が不倫?前代未聞でした。
しかしヒラリーさんは、賢夫人ぶりを発揮。
あんなに美しく聡明な女性も裏切られるのだ!と驚いたものです。
お相手はそれほどの美人でもなく賢そうでもありませんでした。
失礼ながら、まったく男というものはワカラナイ!
話は戻りますが、田原先生はバスに急いで乗り込むために、とりあえず、上着だけを着替え、ヨーガパンツのままで、おズボンをアーシュラムのお部屋の棚の上に忘れて置いて来てしまったのです。
このタイミングを狙って…というわけではないでしょうが、時の話題、クリントンさんを持ち出すなんて…。
私は思わずK・Iさんに「座布団一枚」と叫びたくなりましたが、その前にバスの中は爆笑の渦。
谷奥徹男社長さんは「K・Iさん、いつも寝ていると思ったら決めるときはビシッと決めますね」と。
さらに爆笑はおさまらず…。
そんなこともあった!と懐かしんでいます。
今の騒ぎはあの時とは比べものにはなりませんね。
あのヒラリーさんをアメリカ国民は結果選ばなかったんですね。
考えてみたら、小池百合子さんを選んだ都民は賢かった。
アッ、そのアーシュラムに忘れたおズボンは何ヶ月もかかって、船便で戻って来たようです。
佐賀にいます。(荻山貴美子)