日本ヨーガ学会

ヨーガ的生活

客は演者を見に来ている

2017年12月29日 12時45分40秒 | 思うがままに
あと3日寝るとお正月。

今年の笑い納めは、立川志らくさんの独演会、よみうりホールでした。

開口一番は前座を使わず志らくさんがつとめました。

案内文にこうありました。

【落語は想像力の芸能。昔から言われている良い芸は演者が消えること。しかし、談志は落語は個だと言った。客は演者を見に来ている、とも言った。どちらが正しいかはわからない。

私の妻が、とあるベテラン落語家の落語を聴いた時の感想、「侍も旦那も妻も娘も隠居も全員〇〇師匠にしか見えなくて退屈だった」。
この場合は個が消えなかったわけだ。でもつまらなかった。つまり演者の個が魅力がないということ。
個に魅力がない落語家は徹底的に稽古を積んで個を消さなくてはいけない。逆に個に魅力の塊の人は落語を通して個を全面に出せばよい】

魅力があって抜群に上手いのが志ん朝師匠で、テクニックがありながら魅力の塊なのがご自分の師匠、談志師匠だと、志らくさんは語ります。

さて、魅力とは…と考えました。

人の心を鷲掴みにする人。
見ているだけで心が和む人。

そういう人は共通して相手を思いやる気持ちが豊かに備わっていますね。

田中角栄さん、高倉健さん、長嶋茂雄さん、亡くなった中村勘三郎さん…。
そして我らが師匠、田原豊道先生。

志らくさんは勿論、魅力的なかたです。時々談志さんが降りてきた…と錯覚します。

今年は私にとって、激震の走った一年でした。

でも、私にとって、必要かつ輝かしい一年には違いありません。

皆さん、ありがとうございました。
よいお年をお迎えください。(荻山貴美子)

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