yama room

山コンビ大好き。

ブログではなくて妄想の世界です。

きらり

眠れる森の… part4

2013-04-11 18:53:14 | 眠りの森の…


[また続けちゃった。←山のイチャイチャが書きたいだけ]





幼馴染の翔ちゃんが連れて帰ってきた人は


不思議な雰囲気を持った人で


そしてとても綺麗な顔をしていた。



同じく幼馴染であるまつじゅんやにのが
その人にあって来たという話を聞き
すぐに会いに行くことを決める。



「こんにちはー」
そう挨拶をすると
「こんにちは」
そう言ってその人はふにゃんと笑った。


“あ〜カワイイ”
黙っていると綺麗な人だと思ったけど
喋るととたんに可愛らしい顔になるんだと感心しつつ
その顔を眺める。


その人は不思議そうな顔をして見つめ返す。
ちょうど自分との身長差でその人は上目遣いになる。
“何だ?この目線。ちょー可愛すぎるんですけど”
「あ、あのさ、まだここにきたばかりで退屈かな?って思って遊びに来たんだけど」
そう自分の顔が真っ赤になったのをごまかすように慌てて答えた。


「そうなんだぁ。んふふっ」
そう言ってまたふにゃんと笑うと家の中に通してくれた。


「……ねぇ、智は動物は苦手?」
部屋に通され、ドキドキしながら智にそう尋ねる。
智は唐突な質問にも関わらず特に気にする素振りもなく
大丈夫だと答える。


「ふふっ」
笑いがこらえきれずつい声を出して笑うと
智は怪訝そうな顔で見つめた。
「ふふっ。実はねぇ、連れてきちゃったんだ〜」
そう言って智がどんな反応を示すだろうと
ワクワクしながら服の中に手を入れると、
そこからふわふわしたものを取り出した。


「……これ、何?」
智は相変わらず怪訝そうな顔を浮かべたままそう聞いてくる。
「じゃーん。フェレットだよ」
そう言ってその顔を智の方へ向けた。
「何?これぇ?」
智はフェレットと見つめ合いながらそうおかしそうに笑った。


「フェレットといってアラシって名前なんだよー。
このこ大人しいから触ってみる?」
そう言ってアラシを差し出すと
智はちょっとおっかなびっくりといった感じで手を差し伸べてきた。


「ふわふわしてる」
アラシの身体を撫でながら智は頬を赤く染めそう言った。
“うわぁ、その顔も可愛いすぎ”


智がアラシと楽しそうに戯れている姿を見つめる。
智は次第に慣れてきたのか顔を突っついたり
見つめ合ったりしている。


「あー何だかオレ、智と合うみたい」
その姿を見ながら思わずそう呟くと智は、ん?
という顔をしてニッコリと微笑んだ。
“だから可愛すぎるから〜”
そう思いながら微笑み返す。


アラシもだんだん慣れてきたのか部屋中を駆け回る。
二人で追いかけながら走り回って遊んでいると
アラシが急に方向転換をした為ぶつかりそうになった。


「おおっと」
そう言って倒れないように智の両腕を掴む。
智は腕を掴まれたままゆっくりと上目遣いで顔を見た。


その顔があまりにも綺麗でそのまま目が離せない。
そして思わずその身体を自分の方へ引き寄せると
ぎゅっと抱きしめた。


ドキドキが伝わってしまうのではないかと
思ったがその手をどうしても離すことができず
しばらくそのまま抱きしめていると
「……相葉ちゃん?」
智がどうしたの?って顔で聞いてきた。


「あっ。ごめん ごめん」
慌ててその身体を離す。
「あいつどこいった?」
無言のまま見つめる智の顔を見ることができずそう言ってごまかした。


そうこうしているうちに翔くんが帰ってくる。



「何かされなかった?」
翔ちゃんは心配そうに智に聞いている。
何かってナニ?と思いつつ翔ちゃんを見る。
「うーん。抱きしめられた」
智はあっさりそう答える。


“ぎゃー智!それは言っちゃだめなやつでしょ”
そう思った時にはすでに遅し
翔くんに問い詰められ謝った。




「今日は相葉ちゃんと遊んでたんだ?」
あいばちゃんが帰った後、智に尋ねる。
あいばちゃんはああ見えて結構人に気を遣うタイプで
人見知りなはずなのに珍しいなと思いつつ智の顔を見ると
智は、ん?と見つめ返した。


「ううん、何でもないよ」
そう言ってその顔を見つめたままその唇にゆっくりと唇を重ねた。
そして唇を離しその顔を見つめる。
「……何でそんな切なそうな顔なの?」
智はゆっくり手を伸ばし頬を挟むと不思議そうに聞いてきた。


「おれ、切なそうな顔してる?」
そう聞くと智は頬に手をやったままうん、と小さく頷いた。
「……きっと智が愛おしすぎるせいかな?」
そう言って笑った。


「……オレ、翔くんのお友達と遊ばないほうがいい?」
智はそう言って少し考えるような顔をした。
「……そんな事ないよ。みんなイイやつらだし。
ただ ちょっと嫉妬しちゃっただけ。バカだね?」
そう言って笑いかけると、翔くんはバカじゃないよと言って智は小さく笑った。


「……智、愛してる」
好きだ。
どうしようもなく好きだ。
バカみたいに好きだ。
こんな事でも嫉妬してしまう位。


そんな心の中を見透かしたのか
「翔くん、好き」
そう言って腕を伸ばしてきたかと思ったらぎゅっと抱きついてきた。
今の自分はどんな顔をしているのだろう。
やっぱり切ない顔をしているのだろうか。


智が愛おしくてたまらない。
愛してる。
愛してる。


その顔を包み込むように手を添えると
その唇に唇を重ねた。
そしてそのまま深い深いキスをした。

眠れる森の… part3

2013-03-01 18:47:56 | 眠りの森の…
[これ“眠れる〜”も続いています〜。 
ただ山コンビのイチャイチャが書きたいだけですが。]







幼馴染が結婚すると言って連れて帰ってきた人は


とても綺麗な顔立ちをしていた。



幼馴染である翔くんは常識人で努力家で
そしてとても頭の良い人だ。
家柄も申し分なく、しかも顔もいい。


だからそれなりの人と結婚し、
それなりの家庭をつくって、
それなりの生活を送っていくんだろうな、と
子供の頃から漠然とそう思っていた。


だから翔くんが結婚するという相手を聞いた時は
ただ驚くばかりだった。
でも、その人を紹介された時…。
一瞬で理解した。


その人と一緒にいる翔くんは、今まで見た事もない位の
デレデレの表情で、
そしてとても幸せそうな顔をしていた。


だからただ単純にこの人をこんな表情させる人って
一体どんな人なんだろうという興味と、
その人自身の持つ不思議な魅力に夢中になった。


ある日、同じく幼馴染である、にのがその人に会ってきたという話を聞いて
いてもたってもいられずすぐにその人に会いにいく。


家を訪ねると、その人は不思議そうな表情を見せた。
「あ、俺、翔くんの幼馴染のマツモトって言うんだけど」
そう言うと
「んふふっ。知ってる。翔くんがマツジュンって呼んでた」
そう言って可愛らしい顔を見せた。


「……。」
あまりの可愛らしさに一瞬言葉を失う。
さすが王女に嫉妬されるだけの事はある。
何とか我に返り、ますます不思議そうな表情を見せる智に
「ここに来たばかりでしょ?
何か困った事はないかなって思って来てみたんだけど」
そう言ってごまかした。


「んふふっ。翔くんのお友達はみんな優しいね」
そう言ってまたまた可愛らしい笑顔を見せた。
年上とは聞いていたが、とてもそうは思えない無邪気な表情。
これじゃあ翔くんもメロメロになるはずだ…。
そう思っていると、こんなところじゃなんだからと家へ通してくれた。


智はあまり積極的に喋るタイプではないようで
こちらから話しかけない限りいつまでもボーっとしていた。
でもそれがなぜだかとても心地よく、二人ソファに並んで座っているだけで
どんどん癒されていく気がした。


横に並んで座っているその智の横顔を見つめる。
智の横顔は鼻筋が通っていてとても綺麗な顔をしていた。
しばらくその顔を見つめていたが、なぜかふとキスがしたくなり
その顔に唇を近づけていくとその頬にちゅっとキスをした。


「…これも、ここの挨拶?」
智は特に驚くこともなくそう言って笑った。
“ここの挨拶って一体どう言う意味だ?”
言ってる事が良く分からなかったけど曖昧に微笑み返した。


今までに味わった事のない感覚。
智はあくまで自然体でのんびりしていて
理由は分からないが一緒にいるだけで、とにかく癒される。
智はそんな不思議な存在だった。


自然とその肩に手を置く。
智は特に嫌がることもなくそのままでいる。
そのままどのくらいの時間がたったのか。
気付くと翔くんが少し怖い顔で立っていた。








「智くん、本当に君は不思議な人だね?」
まつじゅんが帰り、そう智に話しかけると
智は不思議そうな表情で見つめ返した。


正直言って智を連れて帰った時、不安がない訳ではなかった。
普通では考えられない状況だ。
でも、両親も兄弟もすぐに智の存在を認めてくれて、
今では両親も兄弟も智の事が大好きで本当の家族のように思ってくれている。
そして村の人も…。
幼馴染である、にのやまつじゅんやあいばちゃんも…。


にのは一見、人懐っこそうに見えるが
簡単には自分を曝け出したり心を許したりはしないタイプだ。
ましてや、会ったばかりの人に対しては…。
でも智くんには完全に心を許していたようだ。
しかもチュウまで。


そしてまつじゅん。
まつじゅんはとにかく慎重派だ。
特に初対面に近い人には。
でも智くんと一緒にいたまつじゅんは凄く無防備で
心底リラックスしていた。
そしてこっちも頬にとはいえチュウしていたりして。


そんな事を考えていたら
「…翔くん?」
少し頭を傾け心配そうな表情で名前を呼ぶ。
「あ、ごめん。考え事してた。何でもないよ?」
そう言ってゆっくりとソファにその身体を押し倒すと
上から智のその綺麗な顔を眺めた。


「智くん、好きだよ」
そんな誰からも好かれて気に入られてしまう智くんが
何だか羨ましくて、そしてほんのちょっとだけ妬ましい。
そう思いながら唇を近づけていくと
ゆっくりと瞼が閉じられる。


ゆっくりと唇を重ね合わせ、そして唇を離すと
智はその動きに合わせるように目を開けた。
そのまま角度を変えながらキスを振り返す。


智のことが愛おしくてたまらない。
初めて出会った時よりも今が。
そして今日よりも明日が。
明日よりも明後日が。


そう思いながらその身体を抱きしめると
智の腕がゆっくり伸びてきて背中に回る。
「愛してる」
そうつぶやくと智はうん、と小さく頷く。
そのままその身体を強く強く抱きしめた。

眠れる森の… part2

2013-01-08 17:44:46 | 眠りの森の…


幼馴染が魔女によって眠らされているという娘を
助けに行くと聞いた時、
どうして自分はめんどくさがって行かなかったのか。


あの時行かなかった事を、自分の中で一生後悔する事になる。



翔さんが助け出したというその人は
とても綺麗な顔をしていた。
思っていたのと違かったのは、その人が娘ではなく
男の人だったという事。
そして翔さんがその人を連れて帰り妻にすると言った事。



勉強家で頭が良く、常識的な翔さんがまさかとは思ったけど
彼は本気だった。
ただその人自身王女に嫉妬される位とても綺麗な人だったし、
性格も申し分がなかったので彼が説得を重ねるまでもなく、
すぐに両親や兄弟そしてその周りの人も納得し祝福する。


とにかく、みんなその人の事が大好きだった。
男とか女とか関係なく人を惹きつける力を持っている、
そんな不思議な雰囲気を持った人だった。




初めてその人を紹介された時、
一目見ただけで夢中になった。
あまり人というものに、興味が持つ事がなかったのに
それはとても不思議な感覚だった。
そしてその場に一緒にいたマサキやジュンも同じようだった。





ある日、翔さんの家を訪ねると智が出てきた。
翔さんはいないか聞くといないと言う。
「オレの事、憶えている?」
一回あっただけだけど覚えているかな?そう思って聞くと
「んふふっ。覚えているよ。翔くんの幼馴染のニノミヤさんでしょ?」
そう言って可愛らしい顔でにっこり笑う。


「そう。そんな堅苦しくなくて、にのって呼んでいいよ」
その笑顔は反則だろうと思いながらも、
名前を覚えていてくれたことが嬉しくて
つい、ここの生活に慣れたかだの、翔さんはどうだの立て続けに話しかけていたら
中にどうぞと通してくれ、お茶を出してくれる。


改めて見ると、最初に会ったときは綺麗な人だと思ったが
すごく可愛らしい顔をしている。
「ここでの生活はどう?
自分の生まれ育ったところに戻りたくはない?」
黙っていたらずっとその人を見続けてしまいそうで話しかける。


「翔くんが戻ったら、また魔女に眠らされてしまうから
戻らないほうがいいって」
そう言って顔を曇らす。


「心配性だからなあ、翔さんは」
少し呆れながらもそう言うと
「でも両親や兄弟も同じ考えで、俺の身を
考えたらここにいたほうがいいって」
そう仕方ないと諦めたように言う。


「そっか、じゃあ寂しいね」
確かに元の場所に戻ったらまたまた王女に嫉妬され
魔女に何かされてしまうだろう。
だったらここにいたほうが賢明だと思った。


「でも向こうから会いに来てくれるから寂しくはないよ。
ここでの生活も少し慣れたしね」
そう言って笑顔を見せる。


「翔さんはどう?優しい?」
本当に可愛らしい人だな、そう思いながら聞くと
「んふふ。すごく優しいし、大切にしてくれる」
そう少し頬を染めながら言う。


きっと凄く智の事を大事にしているんだろう。
しかも世話好きの翔さんの事だから片時も離れず一生懸命
お世話をしているんだろう。
「翔さんの事好き?」
そう聞くと
「うん、好き」
あっさりそう答えたので、ちょっと胸がチクリと痛んだ。


そんな話をしながらあっという間に楽しい時間は過ぎる。
そしてふと会話が途切れたので、その美しい顔を見つめた。
目線と目線が合う。
この時、自分でも何故そんな事をしてしたのか分からないけど
顔を近づけていってチュッとその唇にキスをした。


智は何も言わず、ただびっくりした顔で見つめる。
「ごめん、深い意味はないよ。ここの挨拶みたいなもんだよ」
あまりにもびっくりした顔をしていたので
慌ててそう言ってごまかすと、
そうなんだーびっくりしたよーと言って安心したように笑う。


ああ、素直で助かる。
さすが魔女に出されたお茶を素直に飲むだけあるわ。
そう思いながらふと手に目をやるととても綺麗な手をしていた。
「すごく綺麗な手をしているね?」
そう言うと、そうかな?と意外そうな顔をする。


「うん、おれ楽器をやったり手品をしたりするから
結構人の手を見る人なんだけど。
多分今まで見た中で、一番綺麗な手をしているよ」
そう言うと、あんまり綺麗だからって役には立たないけどね、
そう言って笑う。


それがあまりにも可愛くて、つい触ってもいいか聞くと
あっさりいいよと答えたのでその美しい手を触っていたら、
後ろに怖い顔して立っている翔さんがいた。




「にのと何二人で話していたの?」
にのが帰り二人っきりになったところで聞く。
「んふふ。んとねー翔くんの武勇伝とか?」
そう言って笑っている。
「なんだそりゃ?」


にのは一体何の話していたんだ?と思っていたら
「俺を助け出すのって凄く大変な事だったんだね。
命懸けの事だったんだね。俺全然分かってなかった。
ありがとうね、翔くん。助け出してくれて」
そう言って頬にちゅっとキスをする。


かわいすぎるー。
にの、いい仕事するじゃんー。
そう思いながら
「ううん、こうやって智くんに出会えたから
行ってよかったって本当に心からそう思っているよ。
…好きだよ、智くん」
そう言って、その身体をギュッと抱きしめる。


最初に助けに行こうって思った時はこんな事になるなんて
思いもしなかった。
ただ助けるためだったのに。
だけど眠りから目覚めさせるためにキスをして
目を覚ました智くんの顔を見た瞬間。


その一瞬で恋に堕ちた。
そして、どうしても離れたくなくてなんとか口説き落とし
ここまできた。


「智くん、愛してる。ずっと大切にするからね」
そう言って顔を見つめると
まっすぐな目で見つめられる。
そして唇を近づけていくと、ゆっくりと瞼が閉じられる。
そしてそのまま唇を重ね合わせ深いキスをした。


眠れる森の… その後

2012-12-25 18:16:59 | 眠りの森の…


プロポーズを受け入れてもらい、サトシを自分の村に連れて帰る。


相手が男ということで不安がない訳ではなかったが、
そんな心配は無用だった。


最初はびっくりしていた家族や村人も
サトシの容姿とその優しくて穏やかな性格に
すぐに納得し祝福してくれる。


興味本位で遠くから見に来る者もいたが、
みな顔を見ると納得し帰っていく。


そしてショウの幼馴染3人もやってくる。


「ほんと可愛い顔しているよね」
「俺が行って助け出せばよかったよ」
「俺のお嫁さんになる?」
と口々に好きなことを言っている。


「何言ってるんだよ、にのはめんどくさいって言ってたし
まつじゅんは用事があるって言ってたし
あいばちゃんは町に遊びに行くって言ってみんなこなかったじゃん」
そう文句を言う。


「そりゃまあ、そうだけどさあ」
「こんな可愛いこ連れて帰れるなら、俺が行けばよかったなあ」
などと、言いたい事を言う。


「もうダメだよ、俺のお嫁さんなんだからね」
そう言って釘をさす。



普段、ショウは外に仕事に。
サトシは家の事をしたり趣味をしたりして過ごす。
二人の生活はそれなりにうまくいっていた。



ある日のこと。
ショウが仕事から帰るとダイニングで仲良く椅子に座っている二人の姿がある。
あれは、にの?そう思いながら近づく。
よく見るとサトシの手の上に、にのの手がのっている。


にのー。何しちゃってんだよ?そう思いながら
「何してんの」
努めて冷静に話しかける。
「あ、ショウくん。おかえり」
ショウの存在に気づいたサトシは呑気にそう言ってむかえる。


「ただいま、サトシくん。
ところで、にの。何してるの?」
問いただすように、そう言うと
「サトシが寂しいんじゃないかと思って話し相手に
なっていたんですよ」
特に悪びれた様子もなくそう答える。


「じゃあその手は何?」
その重なった手が気になる。
「何かサトシの手って気持ちがいいんですよ」
なんだとー。気持ちがいいだとー。
よくそんな事俺に言ってくれるね?


そう思いながらも、ちょっと心配になり
「サトシくん、にのに何か変なことされなかった?」
そう聞いてみる。
「変なことってなんだよ?」
にのは不満そうに、横槍を入れる。


「ううん、ずっと寂しいだろうからって、話し相手になってくれてたの」
にっこりしながらそう答える。
ああ可愛い。あまりの可愛さに倒れそうになる。
「それだけ?」
なんとか持ち直し、他に何かされてないか確認する。


「あ、ちゅってされたけど」
ちゅう?だとー。にのー。叫びたくなる気持ちを抑え
「で、どこに?」
慌てて聞く。


「うーんとね、唇。でもここの挨拶みたいなもんなんでしょ?
にのがそう言ったよ。ね?にの?」
にのは、バレちゃったというように舌を出し、えへっという感じで笑っている


顔を見ると
「洒落ですよ、洒落」
と言いながら笑っている。
「にの」
強く言うと
「もうしませんってば」
そう言ってぺろりと舌を出す。
もー油断も隙もあったもんじゃないんだから、そう思いながら溜息をつく。



またある日のこと。
ソファでサトシの肩を抱いている姿があった。
またかよっ今度は誰だよ?もしかしてまつじゅんか?
二人に近づき何してるのか問うと
「いやあ困ったことはないかと思って様子見に来たんだよ」
と答える。


もう、まつじゅんが優しいのは知ってるけどさあ。
でもその手はなんなの?そう思いながら問いただすと
「ああ、これ。何だか落ち着くんだよ」
落ち着くって。もー精神安定剤じゃないんだから。
そう思いながらも、やっぱり心配になり
「サトシくん、他に何かされてない?」
まつじゅんは、にのと違って何もしていないよね?そう願いながら聞く。


「ううん。ただ頬にちゅっとされただけ」
まつじゅん、お前もかー。
もう、にのと言い、まつじゅんと言い油断も隙もないんだから。
そう思いながらも問い詰めると
「いやごめん、ごめん。なんか隣にいるサトシの顔見てたら無意識にやってたんだ」
やってたって、まつじゅーん(涙)
「すまん、気をつける。」
素直に謝る。


またある日、家に帰ると、きゃっきゃ騒いでいる声がする。
一緒にいるのは、あいばちゃんか?もう何してるんだろ?
そう思いながらも問いかけると
「サトシが暇じゃないかなって思って、一緒に遊んでたの」
あいばちゃんは嬉しそうに答える。


遊んでたってホント?
本当にそれだけ?あいばちゃんには何もされてない?そう思いながら聞くと
「うーん。ちょっと抱きつかれた」
あいばー。
「いや遊んでて、はずみでね。はずみだよ」
慌てて弁解する。


「はずみ?」
疑いの目を向けると
「ごめんなさい。気をつけます」
すぐに謝る。
んもー。どうなの?どうなの?
さとしくんー。君は俺のものだよー。
心の中で叫ぶ。



夜、ベッドに一緒に入り
「サトシくん」
そう話しかけると
「うん?」
可愛らしい顔で首を傾ける。
ああかわいい。まあこれだけ可愛らしくて魅力的だから仕方がないと言えば
仕方がないんだろうけどサトシくんが心配だよ。


そう思っていると
「ここの村の人たちみんないい人たちだね。
誰も知らない場所に来て凄く不安だったけど
みんな優しくて気を遣ってくれるから嬉しい」
そう言ってにっこり笑う。


「そうだね」
みんな優しいのはサトシくんが優しいからだよ、と思う。
そして誰も知らない土地に来て不安だろうと、
みんな、それが分かっているから頻回に顔を出してくれているんだろう。
いちいち怒ったりせず感謝しなくちゃいけないな、と反省する。


「サトシくん、好きだよ」
そう言ってぎゅっとその身体を抱きしめる。
そして少し腕の力を弱め顔を見つめる。
そしてその綺麗な顔に唇を近づけるとちゅっとキスをした。








[続けちゃったので前半削りました]


眠れる森の…

2012-12-23 20:59:36 | 眠りの森の…


魔女に騙され眠らされたままでいる娘がいるという噂を聞きつけ、
若者はすぐにその場に向う。


若者の名はサクライ ショウ。
正義感が強く、ただその娘を助けたい、その一心だった。


何人もの勇敢な若者が脱落したという
茨の道を抜け何とかその家にたどり着く。


そこのベッドには綺麗な娘が一人眠っていた。
娘は青白い顔をしていて血の気がなく
僅かに息をしているのを見る事で生きているのだと確認できた。


ベッドのそばに膝をつき顔を覗き込む。
娘は鼻筋の通った綺麗な顔立ちをしていた。


若者はただ魔女に騙されて眠らされているという、
かわいそうな娘を助けたい、その一心で助けに来た。
しかしいざ、その娘を目の前にすると別の気持ちが
芽生えている事を感じていた。


しばらく若者はその美しい娘の寝顔を眺める。
そしてはっと我に返る。
いけない、いけない、つい見とれてしまっていた。
とりあえず起こさなければ…。


そう思いながら、
そっと口づけをする。
唇は冷たくて氷のようだった。


若者のキスを受けその頬はうっすらと赤みを帯びてくる。
「大丈夫ですか?」
びっくりしないように静かに呼びかけると
ゆっくりゆっくりとその瞼が開かれる。


その顔があまりにも綺麗で、また自分好みの容姿を
していたので一瞬息を呑む。
言葉が出ない。


娘は不思議そうに若者を見つめる。
何とか我に返り
「目を覚まされましたか?」
話しかける。


「…?」
状況が飲み込めておらず何も言えない娘に
魔女に騙されて眠らされていた事を説明する。


だが話していくうちにだんだん違和感を覚えはじめる。
「あの、失礼ですが…。お嬢様…ですよね?」
その娘は色白で可愛らしい顔をしていたが
娘にしては短髪で中性的な雰囲気を持っていた。


「は?違えよ。オレ、サトシ。男だよ。」
は?は、こっちのセリフなんですけど。
もしかして男だと言った?
あまりにもびっくりして言葉が出ない。


「…でもここの王女に美しさを嫉妬され
魔女によって眠らされていると聞いて助けに来たのですが」
まあこの美しい容姿なら女であろうとそうでなかろうと
嫉妬されてもおかしくはないけど、まさか男だったとは。


「そんな事、知らねえ」
知らねえとか言っちゃってるし。
確か王女にその美しさを嫉妬され眠らされたこがいると聞いていた。
その話を聞いててっきり娘だと思い込んでいたが違ったのか。


「ただ、魔女に用があるから来て欲しいって言われてさ。
で、お茶の飲むかって聞かれたから飲むって言って飲んだら、
凄く眠くなってきちゃってさ。
それでしょうがないからちょっと寝かせてもらったんだ。」
あっけらかんとそう言う。


うわー、危機感なさすぎじゃないか。
ちょっと寝かせてもらうって、一生眠りっぱなしだった
可能性もあるのを分かっているのだろうか。


しかも普通、魔女に呼び出されたら警戒とかするんじゃないのか?
まあ、素直っちゃあ素直なんだろうけど。
これからだって、またいつ狙われるかどうかもわからない。
とても放ってはおけないと思った。


しかも男ではあるが、自分好みの容姿で一目見て恋に落ちていた。
そしてそれ以上に無防備で疑う事を知ら無さ過ぎる、
その存在が気になって仕方がなかった。


自分がこの人を一生守っていかないと。
ショウは決意していた。
もう自分の結婚相手にはこの人以外考えられない。
なんとか口説き落としプロポーズをした。