yama room

山コンビ大好き。

ブログではなくて妄想の世界です。

きらり

いつか part1

2013-03-28 21:11:27 | いつか


その日は快晴で雲一つない青空が広がっていた。


“こんな日にお墓参りだなんてもったいないなー”
この日は家族揃ってのお墓参りに参加できなかったので
両親から一人でするよう言われていた。


めんどくさいと思ったが
大切な事であるのは分かりきっていたので
渋々ではあったが先祖代々が眠るお墓に向かう。


祖父母らが眠るお墓は住宅街を見下ろす高台にあった。
その場所にはまだ自然がたくさん残っていて
そこから眺める景色が昔から好きだった。


愚痴を言っていても仕方ないと準備を始めようとすると
若い男の人がお墓の前で手を合わせている姿が目に入った。
見かけない顔だな、と思う。


ここの住人というわけではなかったが
子供の頃から何度も来ていたので古くから来ている人かそうでないか
何となくわかっていた。


その日は平日で人も少なかったので余計にその姿が目立った。
何気なくその人を見つめる。


その人は座ったまま暫く手を合わせていたが
それが終わると目の前にある墓石をじっと見つめた。
その一つ一つの所作が妙に美しくてつい見つめてしまう。


そしてお参りを終えたらしいその人は
出入り口付近にいる自分の方に向かって歩いてきた。


その顔を見ると遠くから見ても分かる位綺麗な顔立ちをしていた。
しばらくその姿から目が離せず見つめる。
その人は下向きながら歩いていたので
自分が見つめていることに全く気づかない。


そして1メートル程そばまで近づいた時
自分の気配に気づいたのかゆっくりと顔をあげた。
間近で見るその顔は相手が男の人だと分かってはいても
綺麗という表現がぴったりな顔立ちをしていた。


その人は視線に気づいたのかこちらに目線を向けた。
視線と視線が合う。
その綺麗な顔に目を離す事ができず
そのまま見つめたままでいるとその人はニコッと笑った。


その顔は先程までの綺麗な顔とはまた違って
幼くとても可愛らしい顔をしていた。
そして軽く会釈をすると何事もなかったかのように
そのまま横を通り過ぎていってしまった。


ズキューンと打ち抜かれるとはこういう事を言うのか。
未だかつてない衝撃に暫く動く事ができずそのまま立ち尽くす。
そしてはっと我にかえりその後を目で追おうとしたが
既にその人の姿はどこにもなかった。


誰だ? 誰だ? 誰だ?
答えが出るはずもない言葉が頭の中をぐるぐるまわる。
暫くその状況にボーゼンと立ち尽くす。


しかし考えたところで何も進む訳がないとその人のいたお墓の前に立ってみた。
そこは比較的新しい区画で2年前に22歳で
亡くなったらしい男の人の名前が書かれていた。


どういう関係だろう。
兄弟? 親戚? それとも友達だろうか。


それよりなによりもう一度あの人に会いたいと思った。


そうは思っても名前もどこに住んでいるかもわからない
その人にもう一度会うのは至難の業だと思われた。


なぜあの時、話しかけなかったのか。
とは言っても突然話しかけられても不審がられただろうとも思う。
それに何と声を掛けていいのかもわからない。




今までだって会えなかったのにそう簡単に会えるはずなんてないという気持ちと
またここに来るはずだからいつかは会えるという気持ちが交差する。





その日から諦めきれず何度となくその場に向かった。



謎解きは… part5

2013-03-19 17:05:14 | 謎解きは…


自分の髪を触れる優しい手の感触を感じ目を覚ますと、
困り果てた表情の智が見つめていた。
どうやら看病していてそのまま眠ってしまったらしい。


「あ、智。目を覚ましたの?よかった。気分はどう?」
智が目を覚ました事が嬉しくてそう話しかけるが、
智はただただ困惑した表情を浮かべるばかりで、
言葉を発しない。


「……智?」
どうしたのかと心配になって名前を呼ぶと
「……あの?」
智は自分の状況がよく理解できないようだった。


「夕食を準備してもらっている時に倒れちゃったんだよ。
憶えてない?」
そう言うと智はびっくりした表情をうかべる。


「……申し訳ございません。只今用意いたします」
智はそう言って慌てて起き上がろうとするが、
まだ熱が高いせいか身体に力が入らないようで
起き上がる事ができない。


「ううん、いいのいいの。
夕食作ってくれてたのがあったから、それを勝手に食べたし。
それよりこのまま寝てて。まだ熱があるみたい」
そう言ってその額に手を当てるとまだかなり熱かった。
顔もかなり紅潮しており辛そうな表情が見て取れる。


智はされるがままで困り果てた表情で翔を見つめている。
「まだかなりあるね。
きっと俺が無理言ったせいだよね。ごめんね。
体調が良くなるまで、このままここで寝てて」
そう言って寝ているように促した。


「そんな訳にはまいりません。」
智はそう言って再度起き上がろうとするが
やはり力が入らず起き上がる事ができない。


「いいからいいから。
元はといえば俺のせいなんだから。
休みも取った事だし看病させてよ」
そう言って起き上がろうとする智の肩を掴むと
優しく横たえた。


智は相変わらずそんな訳にはいかないだの
自分の部屋に戻るだの言って動こうとするが、
どうにも自分の身体が思うように動かせないようで
困りきった表情を見せた。


“ああ、なんだか可愛い”
もともと華奢な身体ではあったが熱のせいか
ますます華奢に感じるその身体。
そして普段の完璧な執事からはとても想像もできない
とても弱々しい姿。


また高熱のせいで紅潮している顔は童顔の智の顔を
より幼く見せている。
そして眼鏡をかけていない智はいつもの智とはまた違う
可愛さがあった。
そしてなにより困りはてている顔はたまらなく
可愛くて愛おしい。


最初見た時からその存在が気にはなっていたが
その気持ちが好きだという事を確信した。


無理に動こうとした智は、ますます体力を消耗してしまったようで
そのまま身動きが取れなくなってしまったらしい。
目を閉じ辛そうにしている。
「お願いだから良くなるまでこのまま寝ててね」
そう言って額に手を置くとその顔を見つめた。


しばらくその顔を見つめる。
目を閉じている智は睫毛が長く鼻筋が通っていてとても綺麗な
顔立ちをしていた。
“女の子みたいだな”
どれだけ見つめていても飽きない。
一日中でも見てられると思った。


しばらくその顔を見つめ続ける。
そしてそのまま顔を近づけていってその唇にちゅっとキスをした。
智はびっくりしたのか薄く目を開いたが、
何も言わずただ顔を見つめる。


「朝になったら家のホームドクターも来て
診察してくれる事になってるからそれまでゆっくり寝ててね」
自分のしてしまった事にちょっと照れながら、
智の視線を感じつつそう言ってごまかした。


智は相変わらずボーっと見つめていたが
「おやすみ」
そう言って額に手を当て目を閉じさせると
その頬にちゅっとキスをした。



[ちんたらちんたら進んでます〜]

ありふれた日常 part5(VS嵐 3/8)

2013-03-13 19:03:50 | 山コンビ ありふれた日常


「あっリーダー、お疲れ」
シャワーを浴びてすっかり綺麗になったリーダーに
そう声をかけると、ちょっと不満そうな表情を見せた。


「……。」
その表情に何も言えなくなって、
黙ったままその顔を見つめると
「……オレを落とせて満足だった?」
ちょっと悲しそうな表情になるとそう言って
自嘲気味に笑った。


「えっ?そんな事…」
そう言いかけた途端
「あっ翔くん」
ちょうど部屋から出てきた翔さんを見つけると
そのまま走って行こうとする。


「ちょっ、待…」
“待って”という言葉を最後まで言えなくて
その走っていく姿をただ見守った。


リーダーは翔くんに駆け寄ると、何かを訴えている。
翔くんはいつものようにリーダーを優しく受け止めている様子で
その華奢な肩を包み込むように抱きしめた。


その姿をぼんやりしながら眺める。
「どうしたんですか?」
あまりにも呆然としていたのか
ニノがそう声をかけてきた。


「リーダーに落とせて満足だったかって言われた」
言われたその言葉にショックを受けつつ、
そのまま答える。


「そりゃそうですよ。
リーダーは優しくされるのが好きな人なんですから。
それは潤くんが一番よく知っているでしょう?」
そう言ってニッコリと笑った。


「……。」
確かにニノの言うとおり、
リーダーは優しくされるのが大好きな人だ。
でも何故か優しくない言葉をつい言ってしまう。
リーダーの事が大好きなのに。


「ま、リーダーの事だからすぐ機嫌も直って
いつも通りになりますよ」
そんな事を考えていたら、
まるで心を見透かしたようにそう言って笑いかける。
そして肩をポンポンと叩くとじゃあと行ってしまった。
その姿をぼんやりしながら見送った。








家に着いてもまだ智さんは不満そうな表情をうかべている。
「智くん、今日は風呂でも入って、ゆっくり温まってから寝よ?」
風呂に入れば少しは気分も変わるかな?
そう思い誘ってみるが
「さっき綺麗にしたからいい」
あっさり断られる。


「ま、そうだけどさ。さっきはシャワーでしょ?
お風呂に入ってゆっくり疲れでも癒そ?」
そう言って半ば強引に誘うと、一緒に風呂に浸かった。


そしていつものように縦に並ぶように入ると
智さんは身体全体を預けるように寄りかかってきた。
その身体を受け止めるようにして両手を前側に回す。


「翔くんも落とすの大変だった?」
身体が暖まり少し機嫌が良くなってきたのか、
さっきまで無言だった智くんが後ろを振り向くと
そう言ってきた。


「ああ、あの黒いの?
大変だった、大変だった。あれはひどいよなあ」
そう言って笑いかけるとそうだよね、と智さんも小さく笑った。


“少し気持ちも落ち着いてきたみたいでよかった”
そう思いながら風呂から上がると、
いつものようにテレビや録っておいたもの。
メールやパソコンなど一通りチェックする。
それを智さんは隣にぴったりと寄りそい見ていた。


そしてそれも飽きてきたのかだんだんウトウトし始めてくる。
「眠くなってきちゃった?もう寝よか?」
そう聞くと智くんは目を閉じたままの状態で
うん、と小さく頷く。


「ふふっ。そのまま寝る気でしょ?
もう、しょうがないなあ」
そのままほっておくとその状態のまま寝てしまいそうだったので
ゆっくりと身体をずらすとその身体を抱き上げ、
ベッドまで運んだ。


そしてベッドに横たえ、身体を離そうとすると
智くんは腕を回し身体にしがみついてきた。
「……智くん?」
どうしたのかと名前を呼ぶと
「翔くんもこのまま寝るでしょ?」
薄く目を開くと不安そうな表情で尋ねてきた。


“ああそうか、機嫌が悪かったんじゃなくて、落ち込んでいたのか”
「うん、じゃあもう一緒に寝よか?」
そう言うと智さんは嬉しそうな表情を見せる。


一緒にベッドに入り、横に寝ている智さんの顔を眺めていると
「ずっとそばにいてね?」
智さんは目を閉じたまま小さくそう呟いた。


「当たり前じゃん、智くんがウザいと思っても
ずっとそばにいるよ」
珍しく弱気になっている智さんにそう言って笑いかけると
「翔くん、好き」
そう言って抱きついてきた。


「俺も好きだよ」
そう言って抱きしめ返すと
智くんはゆっくりとその綺麗な顔をあげる。
目と目が合う。
そのまま顔を近づけていってその唇に唇を重ねた。


「翔くん、大好き」
唇が離れると、そう言ってぎゅっと強く抱きついてきた。
“ああ可愛いすぎる”
「たとえ智くんが嫌だって言ったって、ずっとそばにいるよ」
そう言うと智さんはうん、と嬉しそうに小さく頷いた。
そしてそのまま包み込むようにその身体を抱きしめると
その額にちゅっとキスをした。

眠れる森の… part3

2013-03-01 18:47:56 | 眠りの森の…
[これ“眠れる〜”も続いています〜。 
ただ山コンビのイチャイチャが書きたいだけですが。]







幼馴染が結婚すると言って連れて帰ってきた人は


とても綺麗な顔立ちをしていた。



幼馴染である翔くんは常識人で努力家で
そしてとても頭の良い人だ。
家柄も申し分なく、しかも顔もいい。


だからそれなりの人と結婚し、
それなりの家庭をつくって、
それなりの生活を送っていくんだろうな、と
子供の頃から漠然とそう思っていた。


だから翔くんが結婚するという相手を聞いた時は
ただ驚くばかりだった。
でも、その人を紹介された時…。
一瞬で理解した。


その人と一緒にいる翔くんは、今まで見た事もない位の
デレデレの表情で、
そしてとても幸せそうな顔をしていた。


だからただ単純にこの人をこんな表情させる人って
一体どんな人なんだろうという興味と、
その人自身の持つ不思議な魅力に夢中になった。


ある日、同じく幼馴染である、にのがその人に会ってきたという話を聞いて
いてもたってもいられずすぐにその人に会いにいく。


家を訪ねると、その人は不思議そうな表情を見せた。
「あ、俺、翔くんの幼馴染のマツモトって言うんだけど」
そう言うと
「んふふっ。知ってる。翔くんがマツジュンって呼んでた」
そう言って可愛らしい顔を見せた。


「……。」
あまりの可愛らしさに一瞬言葉を失う。
さすが王女に嫉妬されるだけの事はある。
何とか我に返り、ますます不思議そうな表情を見せる智に
「ここに来たばかりでしょ?
何か困った事はないかなって思って来てみたんだけど」
そう言ってごまかした。


「んふふっ。翔くんのお友達はみんな優しいね」
そう言ってまたまた可愛らしい笑顔を見せた。
年上とは聞いていたが、とてもそうは思えない無邪気な表情。
これじゃあ翔くんもメロメロになるはずだ…。
そう思っていると、こんなところじゃなんだからと家へ通してくれた。


智はあまり積極的に喋るタイプではないようで
こちらから話しかけない限りいつまでもボーっとしていた。
でもそれがなぜだかとても心地よく、二人ソファに並んで座っているだけで
どんどん癒されていく気がした。


横に並んで座っているその智の横顔を見つめる。
智の横顔は鼻筋が通っていてとても綺麗な顔をしていた。
しばらくその顔を見つめていたが、なぜかふとキスがしたくなり
その顔に唇を近づけていくとその頬にちゅっとキスをした。


「…これも、ここの挨拶?」
智は特に驚くこともなくそう言って笑った。
“ここの挨拶って一体どう言う意味だ?”
言ってる事が良く分からなかったけど曖昧に微笑み返した。


今までに味わった事のない感覚。
智はあくまで自然体でのんびりしていて
理由は分からないが一緒にいるだけで、とにかく癒される。
智はそんな不思議な存在だった。


自然とその肩に手を置く。
智は特に嫌がることもなくそのままでいる。
そのままどのくらいの時間がたったのか。
気付くと翔くんが少し怖い顔で立っていた。








「智くん、本当に君は不思議な人だね?」
まつじゅんが帰り、そう智に話しかけると
智は不思議そうな表情で見つめ返した。


正直言って智を連れて帰った時、不安がない訳ではなかった。
普通では考えられない状況だ。
でも、両親も兄弟もすぐに智の存在を認めてくれて、
今では両親も兄弟も智の事が大好きで本当の家族のように思ってくれている。
そして村の人も…。
幼馴染である、にのやまつじゅんやあいばちゃんも…。


にのは一見、人懐っこそうに見えるが
簡単には自分を曝け出したり心を許したりはしないタイプだ。
ましてや、会ったばかりの人に対しては…。
でも智くんには完全に心を許していたようだ。
しかもチュウまで。


そしてまつじゅん。
まつじゅんはとにかく慎重派だ。
特に初対面に近い人には。
でも智くんと一緒にいたまつじゅんは凄く無防備で
心底リラックスしていた。
そしてこっちも頬にとはいえチュウしていたりして。


そんな事を考えていたら
「…翔くん?」
少し頭を傾け心配そうな表情で名前を呼ぶ。
「あ、ごめん。考え事してた。何でもないよ?」
そう言ってゆっくりとソファにその身体を押し倒すと
上から智のその綺麗な顔を眺めた。


「智くん、好きだよ」
そんな誰からも好かれて気に入られてしまう智くんが
何だか羨ましくて、そしてほんのちょっとだけ妬ましい。
そう思いながら唇を近づけていくと
ゆっくりと瞼が閉じられる。


ゆっくりと唇を重ね合わせ、そして唇を離すと
智はその動きに合わせるように目を開けた。
そのまま角度を変えながらキスを振り返す。


智のことが愛おしくてたまらない。
初めて出会った時よりも今が。
そして今日よりも明日が。
明日よりも明後日が。


そう思いながらその身体を抱きしめると
智の腕がゆっくり伸びてきて背中に回る。
「愛してる」
そうつぶやくと智はうん、と小さく頷く。
そのままその身体を強く強く抱きしめた。