yama room

山コンビ大好き。

ブログではなくて妄想の世界です。

きらり

2003

2012-09-18 16:05:45 | 日記
「これ着てみてほしいんだけど」
そう言って恥ずかしそうに渡された袋には可愛らしいワンピース。

「……」
オレにこれ着て見せて欲しいって事なんだろうか?
たまに翔くんはオレの事を女の子扱いすることはあるけど
まさかこんなものまで着せたいと思っていたとはビックリ。
そう思いながら黙っていると
「ごめん。…引いた?」
そんなオレの気持ちに気づいたのか翔くんが恐る恐る聞く。

「…うん」
正直に答える。
「…そうだよね」
オレの言葉に明らかに落ち込んでしまった翔くんを見て何だか可哀想になり
「何でそれ持っているの?」
ちょっと聞いてみる。

「いや今日収録だったじゃん、その時この服があって
智くんが着ているところが急に見たくなっちゃって譲ってもらっちゃった。」
オレの言葉に急に元気になり、何だか妙に嬉しそうに答える。

「は?」
見たくなっちゃってって。オレ男なんですけど。
しかも女装とか番組でもたまにやってるじゃん、
あえて今着る必要があるのだろうか、そう思うと言葉も出ない。

「いや妹に、なんて言って譲ってもらったんだけどね。
実は智くんが着ているところが見てみたいなって思っちゃった」
何だか分からないけどウキウキしながら言ってくる。
「は?」
そんな状態の翔くんに軽く引きつつその顔を見つめる。

「お願いします。ね、ちょっとだけでいいから着て見せて」
しまいには拝むポーズまでされて頼まれる。
「は?」
そんな事頼まれると思わなかったから言葉が出ないんですけど。

「そんなつれない返事ばっかりしないで。ね」
そんなオレの意思とは無関係に頼み込まれる。
「……」
何も言えず黙ってたら半ば強引に押し切られる形で着替えさせられた。

着替え終わって翔くんの前に立つと何故か翔くんは顔を紅潮させる。
「かわいい…。凄くかわいい…。
やっぱ智くんは色も白いし可愛らしい顔をしているから凄く似合うね」
そう言ってギュッと抱きしめられる。

似合うとか言われても嬉しくも何ともないんですけど。
ま、でも翔くんがそんなに喜んでくれるならいいけどね。
そう思いながら身体を預けていると
ゆっくり顔を近づけてきてチュッと唇に触れるだけのキスをされた。

その瞬間、そういうことか。そういう事だったのかと思った。
俺に着せたがっていた意味をようやく理解する。
そして翔くんの身体を両手でポンと突き放した。

びっくりして目をまん丸くしている翔くんに
「オレにこんな服着せるより女の子がいいなら女の子といればいいじゃん」
そう強く言った。
その言葉に翔くんは凄く驚いた顔を見せる。

「ごめん誤解させた?誤解させるようなことした?」
そして必死な顔でそう問いかけられる。
「誤解って何?だってそういうことでしょ」
そう思ったことを言う。

「ごめん。こんな服着せて悪かったとは思うけど
ただ単に智が着ているところを見たかっただけ。
でも…。
やっぱり誤解させるような行動だった。本当にごめん」
そう必死に謝られる。
そしてそのままギュッと身体を抱きしめられた。

「智が好き。智じゃないとオレ…」
そう言って抱きしめられている腕に一段と力が込められた。
「……」
何も言えずにされるがままでいると
「俺は智だけだから…。智しか考えられないから…。」
そう言って顔をじっと見つめられる。

「…うん」
何にも言えなくなってそう短く返事だけする。
そしてゆっくりとその綺麗な顔を近づけてきたと思ったら唇を唇で塞がれる。
そしてそのまま深い深いキスをした。












年代がバラバラです。これは2003年頃の話。

シェアハウス

2012-09-10 22:24:17 | シェアハウス
読んでいた雑誌にも飽きてきて
ソファの前に座りパソコンとにらめっこしている翔くんに話しかける。


「翔くん」
そう言うと
「なあに?」
そう言って見ていたパソコン画面から目を離し優しい目で見つめられる。


「…」
特に理由なんかなくてただ名前を呼んでみたかっただけなので黙っていると
「雑誌見るの飽きちゃったの?」
翔くんが察したように優しく聞いてくる。
そしてその場から離れるとソファで寝そべっている自分の横にちょこんと腰掛けた。


「うん。もう飽きちゃった」
そう言って見ていた雑誌をテーブルの上に置く。
「そっか。じゃあ時間も時間だしそろそろ寝ようか」
そう言ったかと思うとそのままゆっくり綺麗な顔を近づけ
優しくそっと唇にチュッとキスをする。


翔くんはいつも優しい。
自分に合わせてくれたり色々世話を焼いてくれるこの状態が凄く心地よくて好き。
そんなことをボーと考えながら身体を預けていると
翔くんもソファにゴロンとなり一緒に並んで横になる。
そして肩肘をついて身体全体を向けるような格好をとった。


「そういえばこないだのシェア、また俺の部屋から出てきていたね」
ボーとしてたら突然そんなこと言い出すから
「あ、見たんだ?」
そんな間抜けな返事をしてしまう。


「うん、見た。あれ何でだか、ずっと聞きたかったんですけど」
そんな事気にしていたんだ、そう思いながら
「ああだって、今日もそうだけどいつも同じ部屋にいるじゃん。
だから忠実に再現してみたの。」
普通に思っていた事を口にする。


「忠実に再現って?」
大きな目を一層大きくしびっくりしたような顔で聞き返してくる。
「ダメだった?」
そんな翔くんの反応に反対に自分の方がびっくりしてしまって恐る恐る尋ねる。


「だってそんなのバレたら大変なことになるよ」
思いもかけず心配そうな顔で言う。
「バレっこないよ」
そんな事心配してたんだ。あんなのシャレなのに。
それにそんなのバレるわけないじゃん、そう思っていると
「いやわかる人にはわかるんじゃないかな?それにニノ、困ってたよ」
真剣な顔をして言ってくる。


「んふふっ」
その顔がなんだかおかしくて笑っていると
「んふふっじゃないでしょ」
笑っている場合じゃないでしょって感じで言ってくる。


「ま、いいじゃんバレたらバレたで。」
本当に心配性だね翔くんは、なんて思いながら軽くそう言うと
「いやいや。やばいでしょう。」
まだそんな事を言っている。


「じゃあもうこういう風に一緒にいるのやめる?こっちの方がやばいでしょ?」
ちょっとムッとしたのでそう言うと
「いや、それとこれとは…。それは絶対困るけど…」
とたんに小さな声になって何やらごにょぼにょ言っている。


「翔くん、好き」
でもそんな翔くんがやっぱり何だか可愛くて、そう言って唇にチュッとすると
「俺も好きだけどさ」
まだ納得してない様子でで複雑そうな表情をしながらそう答える。
「翔くんがそんなに心配するならなるべくしないようにするから、ね?」
翔くんが困った顔をしていたのでとりあえずそう言ってもう一度キスをした。




ベッドに入り既に寝息を立てて寝ている大野の顔を見つめる。
いつも見ているその寝顔は何度見ているはずなのにどんなに見ても飽きない。
いつ見ても可愛らしくて愛おしい。


こうやって一緒に寝ているだけでこんな幸せな気分になれるのにそれがなくなるなんて
とても考えられない。
「一緒にいるのをやめるなんて、できっこないよ」


大野の言葉を思い出し、とても無理だと思った。
そして眠る大野のしばらく眺めると唇にそっと口を近づけ
チュッと触れるだけのキスをした。
そしておやすみ、と独り言のように言って静かに目を閉じた。