yama room

山コンビ大好き。

ブログではなくて妄想の世界です。

きらり

1126誕生日(2017)

2017-12-29 07:53:40 | 山 誕生日






今更感が半端ないですが…





その穏やかで優しい性格。


透き通っていて全てを包み込むような綺麗な歌声。


誰にも真似できないような美しくもキレのあるダンス。


指先一つ一つにも神経が行き届いていて、様々な表情を魅せてくれるその美しい手。


ダンスや演技、そして歌で魅せる圧倒的な表現力とそのしなやかな身体。


可愛らしい顔。


包容力。


芯の強さ。





そして…


あれも…


これも…





その人の好きなところは数え切れないほどある。







でも。







『完璧主義者だとよく言われる。


自分で決めたこのレベルまでは到達したいっていう、ハードルみたいのを揚げる。


それを超えるまでは、ほかが見えなくなる。


踊りでもアクションでも、自分が納得できるものにするには、たくさんの集中力やひとりの時間が必要。


だから、ときどき才能があるねって言われたりすると、すごく違和感がある。


絵だって、最初からうまくできたためしなんてなくて。


ほかは何も手につかなくなるほど集中して練習して、少しずつできるようになっただけ』(MORE8月号)







でも。



時々。



何とも言えない気持ちになる事がある。







そう。


その人が努力の人だって知っていた。


表には出さないけど、裏では信じられない位の集中力と、考えられない位の時間を割き


努力を重ねていることを、ずっと前から知っていた。






誰よりも多くの時間を一緒に過ごし、誰よりも近くでその人の事を見てきたから。


だから、誰よりも知っていた。


知っていたはずなのに、こうして今まで出さなかった、出してこなかった内面を


その人の口から少しずつ語られるのを見聞きし知るたびに


何とも言えない気持ちになる。










その時間になると一斉に届くお祝いの言葉。


「ニノ、すげえぇ~ぴったり~」

「ほんとピッタリだね」


そう言ってスマホ片手に無邪気に笑ってるけど、
その一瞬にどれだけ準備に余念がなかったかがわかる。
そして次々と届くその一秒と違わないそのメッセージに
どれだけの気合と、思いが込められているのかがわかる。


メンバー事務所の仲間先輩後輩スタッフ共演者。
これまでどれだけそういう人を見てきたことか。
そして一体、どれだけのたくさんの人の気持ちがこの一瞬に入り込まれていることか。
何も知らないその人はみんなの時も同じでしょ?って
無邪気な顔をして笑うけど、違う。


この人には自分がどれだけ思っているかを伝えたくなる。
どれだけ思っているかを知ってもらいたくなる。
だからこそ、その思いを一番伝えられるこの瞬間。


誰よりもその人の事を深く考えているという事を知ってもらうために
メッセージを送り続ける。












「あれ、翔くんもいつの間に?」

「ふふっ。それよりすげえ送られてきてんね?」

「んふふっでも翔くんの時も同じでしょ?」


そう言って無邪気な顔で笑ってるけど、
きっとあなたはみんなの熱意や真意を知らない。


「まあ、ね。それより日付変わったんだね、誕生日おめでと」

「この年になるとあんまりめでたくもないけどね」


だからこれだけたくさんの思いのこもったお祝いが送られてくる中
一緒にいるからと参戦しない訳にはいかないでしょ。


「ふふっそんな事言わずにケーキふってして」

「え~」


何も知らないその人は、のほほんとそんな事を言って笑ってるけど
裏では今か今かと壮絶な戦いが繰り広げられているというのに。


「ほらほらえ~なんて言ってないで」

「だってローソクの数が可愛くない」

「ローソクの数に可愛いとかかわいくないとかないでしょ、ほらほらオメデト」

「え~」


そう言えばマルは毎年誕生日になると
たくさんのプレゼントを智くんにあげていると言っていたっけ。


当の本人は面倒くさがって本気で嫌がっていたけど
きっとやめる事は決してしないだろうとその顔を見ながら思っていた。


これだけのたくさんの人が思っている中で
お返しにと選んでいるその時だけは自分の事を考えてくれるのだ。
たくさんの人に思われているその人に、その時だけはその人の想いを独り占めできるのだ。


そんな特別で大切な時間を嫌がられても面倒くさがられても
自ら手離すことなんてしないだろうなと思っていた。


そんな事を考えていたら智くんがおいでという風に両手を広げてくる。


「ケーキありがとね」

「うん」


だからその身体に収まるようにその身体に近づくと
背中に腕をまわしてきてぎゅっと包み込むように抱きしめられ
そして嬉しそうにそう言った。
その嬉しそうな口調にどうしようかと迷ったけど買っておいてよかったなと思う。











智くんが天才と言われたり才能がある言われたりすると微妙な表情になる事を知っていた。
凄い凄いと褒められてもいつも微妙な顔をしながら受け止めていることを知っていた。
普通だったら天狗になってもおかしくない状況なのに
いつもひとり努力を惜しまず重ねていたことを知っていた。


みんなこの人に惹きつけられていく。
共演した人はみな心底この人に惚れこんでいく。


決して言葉にはしないけど陰では努力を重ね完璧にこなし結果を見せてくれる。
だるいだの眠いだの口では言っていてもこちらが思っている以上の事を魅せてくれる。


それは才能があるからでも天才でもなく
いや、才能もあるし天才でもあるけどそれ以上に
その人の努力の積み重ねであるという事を知っているから
みんな好きになっていくのだろう。




いつもその考えに、その姿勢に圧倒されている。
ずっと近くで見てきて知っていたはずなのにこうして活字で改めて読んでみると
何とも言えない気持ちになって胸が苦しくなる。


たまらない気持ちになって胸がぎゅっと痛くなる。
その思いを知るたびに触れるたびに何とも言えない気持ちになる。


そんな事を思っていたらゆっくりと背中から手を離し
優しく微笑んできたかと思うとその手で頬を包み込んでくる。










やっぱりたまらない。


その顔も。
そしてその姿勢も。
その存在も。


そして誰よりもストイックなところも
完璧主義者なところも。
それでいてその穏やかな性格なところも。
全てを受け入れてくれる包容力も。


こんな人いない。


こんな人、他に出会ったことがない。


そう思いながら見つめると優しく頬を包み込んだまま優しいキスがおりてくる。






その唇の柔らかさを感じながら


きっとこの先これ以上好きになれる人はいない、と思う。


あなただけ。


もう、あなたしか見えない。


今も、昔も、これからも。


あなただけしかいない、と思う。






あなたの本質に触れるたびに胸が苦しくなる。


あなたの笑顔が見られるだけでいい。
あなたが、ただ幸せであればいいい。


そう思いながらも


あなたの深意を知るたびに、たまらない気持ちになる。
その華奢な身体でどれだけの努力を重ねてきたかと思うと、何とも言えない気持ちになる。






そんな事を思いながら


好きだ、と呟くと


すべてを優しく受け止めてくれるあなたは
背中に手を回し包み込むように優しく抱きしめてくれる。


誕生日おめでとう、と言うと


その柔らかな顔でありがとうと嬉しそうに笑って
チュッと触れるだけのキスをくれる。


生まれてきてくれてありがとう、と
そしてあなたがこれからもずっと幸せでありますようにと
そう願いながら、その華奢な身体をきつく抱きしめると
背中に回っていたその腕に力が込められる。


愛していると、そう掠れた声で囁くと


その美しい顔でにっこりと笑って唇に唇を重ねてきて
そして小さく口を開くと深いキスをしてくれる。


誕生日おめでとう。


あなたがずっと幸せでありますように。








1月25日誕生日 (2017)

2017-01-19 19:09:20 | 山 誕生日




またまた脱線しています~。
次回は元に戻ります。






欲しいものは大抵手に入る。




でも、本当に欲しいものは




なかなか手に入らない。





その絵は、まるで長い時間をかけて考えつくされたかのように


一つ一つの線が、一つ一つの色が、


微妙に重なり合い


見事なまでにその人を表現していた。


それはとても10分で考え描かれたとは思えない


繊細で色鮮やかな絵。


その絵に一瞬で目を奪われた。







そして、もっと。







あなたの見える世界がどういう世界なのか見てみたい。


あなたの見た世界があなたの手によってどう描かれるのか見てみたいと思った。





そして。




あなたから見た世界の自分の姿がどういう風に映っているのか見てみたい。


その世界で自分がどの様に描かれるのか見てみたいと思った。






でも。


そんな事、言えない。


あなたの負担になるような、そんな事。


絶対言えない。





あなたが突然描いてプレゼントしてくれたあの日のように


またふっと思い立って、描いてくれる日を


ただ、待ち続ける。








「翔くんもうすぐ誕生日だね」

「ん~」


久々に二人でまったりと過ごす時間。
ソファに並ぶように座って思い思いに酒を飲む。


「何が欲しい?」

「ん~何かなあ」


そう言って横を向いてきたかと思ったら
顔を覗き込むように話しかけてきた。


「でも翔くんだったら何でも手に入っちゃうでしょう?」

「そんなことある訳ないでしょ?」

「そうかなあ?」

「そうだよ」


その無邪気に笑う可愛らしい笑顔につい笑みが浮かぶ。


「欲しいものは何でも持っていそうで、めちゃくちゃむずいんだよね~」

「ふふっでもそれは他のメンバーも同じでしょ?」


そう言うとあなたは、まあね、と言ってにっこりと笑った。
確かにお金で買えるものは大体手に入れられる。


でも、本当に欲しいものは。





「でもこういうのは、あげることに意味があるんだもんね?」

「そうそう」


そう言って自身の言葉に納得するかのように頷いている。
その可愛らしい姿に思わずまた笑みが浮かんだ。


「で、何が欲しいの?」

「え?」

「いや、さっきから、何か言いたそうな顔してるなって」

「……」


そう言ってまた顔を覗き込むようにして見つめてきて
んふふっと可愛らしく笑った。


「……」

「……」

「……俺、ね」

「……え?」


そして黙ったままグラスを持ち、少し考えるような顔をすると
ゆっくりと話し出した。


「翔くんが隣にいると何でか凄く安心するんだ」

「…何、急に?」

「横向くといつも翔くんが笑って見つめ返してくれるでしょ?
それが何だかすごく安心するなって」

「そう なんだ?」

「うん」


その思いがけない言葉に戸惑いながらも
智くんが一つ一つ言葉を選びながら言ってくれる
その真っ直ぐで素直な言葉が凄く嬉しい。






「だから、大好き」

「あ、ありがと」


そんな事を思いながら見つめていたら目が合って
智くんが可愛らしい顔でそう言ってニコッと笑った。


「頭がいいのにバカなふりができたり
イケメンで何でもできそうなのに不器用で」

「それって誉めてんの?」


その思いがけない言葉に嬉しさを隠しきれずにいたら
そんな事を言い出す。


「うん、褒めてんの」

「何だか褒められているようには聞こえませんが」

「え~だってそういうところが凄く好きなんだもん」


そしてビールをぐびぐび飲みながらあっけらかんとそう言う。


「何だか複雑な気分なんですが…」

「そう?」

「うん、でもまあ、嬉しいけどね。普段智くんの口からはあまり聞けないし…」


これは本当。あまり言葉に出して言う人ではないから
やっぱり言葉に出して言ってくれるとすごく嬉しい。






「んふふっ誕生日だからね~」

「ふふっ全然今日じゃないけどね」

「ああ、そうだ。今日は、誕生日に何が欲しいかリサーチするんだった」


そう思い出したように智くんは言って笑った。


「ふふっ智くんのくれるものなら何でも嬉しいよ」

「……」


だからつられて笑いながらそう言うと
智くんはちょっと不満そうな顔をした。


「ん?」

「何が欲しいか聞いてるのに全然答えてくれない」


そう言って頬を膨らませる。
その可愛らしい姿に思わずまた笑ってしまう。


「そうだっけ?」

「そうだよ」

「で、欲しいものは、何?」


智くんがグラスをテーブルに置き真っ直ぐな視線で見つめながら言う。


欲しいもの?
そんなの決まっている。
けど、言わない。





「ん~智くんの気持ち、かな?」

「……」


だから胡麻化すようにそう言うと智くんは
黙って見つめたまま不満そうな表情を浮かべた。


「……ん?」

「いつもいっぱいあげてんじゃん」


そしてぷうっと頬を膨らませ、むくれるようにそう言った。


「ふふっそうだっけ?」

「そうだよ」

「そっか」

「うん」


そして不満そうな表情のまま答える。







「……」

「……」


そして。


「好き」

「う ん?」


黙ってグラスを置いたまま真面目な顔でそう言ったかと思うと
ちゅっと軽いキスをしてくる。


「カッコいい翔くんも残念な翔くんも」

「残念て」

「横を向くといつも笑顔で見つめ返してくれる翔くんが好き」

「ふふっそっか」

「うん」


その言葉に苦笑いしながら返すとにっこり笑って
そう言ってまた軽くちゅっとキスをする。








「……」

「……」

「ずっとそばにいて俺を支えてね?」

「そりゃあ支えますけども。って俺の誕生日の話じゃねえのかよ?」


智くんがまた黙ったままじっと真面目な顔で
見つめてきたかと思うとそんな可愛らしい事を言い出す。


「んふふっいいじゃん」

「まあ、いいけどさ」


そしていたずらっ子みたいな顔をして
にこっと笑ってまたキスをする。


「翔くん、誕生日おめでと。生まれてきてくれてありがとうね」

「ふふっ来週なんだけどね?」

「いいじゃん」

「まあ、いいけどさ」


そしてまたキス。


「……?」


珍しい。


誕生日だから?


凄く嬉しいのだけど今日はやけに珍しく言ってきたりしてきたりするなと
思いながらその可愛らしい顔を見つめた。




もしかしたら気持ちが欲しいと言ったのを気にしてるのだろうか。
だから気持ちを伝えるためにしてくれるのだろうか?


いや、違う。



その顔を見て気付いた。


多分、ネットでの情報をどこかで目にしたのだろう。
それをずっと気にしていたんだ。
意外とそう言う事に鋭い人だからずっと
自分のほんの少しの変化に気付いていたんだ。



だから。


ゆっくり時間が取れる今日。


無理してでも誕生日だからと言って会いにきたんだ。
そしてその事には一切触れずに言動で励まし示していたんだ。







「……」

「……」


その顔を見つめると智くんが、ん?って不思議そうな顔で見る。


「…好きだよ」

「うん」


そう言うと嬉しそうに笑った。
その華奢な身体をぎゅっと抱きしめる。


「こうして一緒にいられて、毎年智くんに誕生日を祝ってもらえるなんて、最高」

「んふふっ」


抱きしめたままそう言うと胸に顔をうずめた智くんが、んふふっと笑う。


どう言ったらいいのかわからない。
どう伝えたらいいのかわからない。


やっぱりあなたは嵐のリーダーで
自分にとって大切でそしてとても大事な人。


「ありがと、ね」

「うん」


その言葉しか思い浮かばずそう言うと
あなたはゆっくりと顔を上に上げた。


視線が重なる。








こうして一緒にいられるだけで十分。
一緒にお酒を飲んで
ゆっくりお互いの事を話しながら過ごして
抱きしめあって
キスをして。


大野さんから見た世界が見てみたいと思っていた。
大野さんから見た世界の自分がどう映っているのか見てみたいと思っていた。
けど、それはいつでもいい。


もしかしたらまた描いてくれるかもしれないし
描いてもらえないのかもしれない。
でも、それでいい。






「好きだ」


そう言ってその身体をソファに押し倒す。
下には智くんの綺麗な顔。


智くんが、ん? と上を見上げる。
視線が合う。


そのまま角度を変え何度もキスをした。


「濃厚 だね」


唇が離れると智くんが頬を染め照れくさそうにくすっと笑った。


「いっぱいキスのプレゼントをもらったからそのお返し」

「お返しって」


そう言うとますます照れくさそうな顔をして笑う。


「愛してる」


声がかすれている。


「うん」


こうしてさり気なくいつも気にしてくれることが
こうして忙しい合間を縫って会いに来てくれることが
こうしてお互いの体温を感じながら抱きしめあえることが



あなたからの



最高のプレゼント。



本当に欲しいものは、そこにある。



顔を近づけていくとゆっくりと瞼が閉じられる。
そのままその綺麗な唇に唇を重ねる。
口が小さく開かれる。


その中に自分のを差し入れると智くんの腕が背中に回ってくる。
ぎゅっと抱き合ってキスをして。





本当に欲しいものは、




この腕の中にあると




そう思った。



6月17日誕生日

2016-06-26 14:47:40 | 山 誕生日




ゆっくり更新ですみません。
こっそりとフォトチャンネルを作っています。
今後話のイメージの画像をのせていけたらいいなと
思っていますので、もしよかったら見にきてください♪


ただ、不特定多数の人の目に触れないよう
今後はパスワード制にする予定です。
とは言っても、あくまでもアップしたときに
興味がない方の目に触れないようにするのが目的なだけなので
パスは、ここの部屋の名前です。
あと、ここのブログがメンテナンスをされたみたいで
文字が若干違うようです。






「……」

「……」


楽屋に珍しく二人きり。
大野さんはソファでゆったりくつろぎながら
スマホを眺めている。


「何か下さい」

「え?」


そう言えば先日誕生日だったなと思い
そう言うと大野さんはスマホから目を離すことなく
え? と一言だけ返した。


「俺、誕生日だったんです」

「……知ってるけど」

「だから、何か下さい」

「え~」


知ってる、というその言葉だけでも嬉しい。


ただそれだけの事なのに喜んでいる自分自身に半ば呆れながらも
大野さんを見るとそんなこちらの思いとは裏腹に
相変わらずソファに寝っ転がったまま
つれない返事を繰り返す。


「え~じゃありません」

「だって他のメンバーからもう貰った?」

「いや、まだの人もいますけど?」

「そうでしょう~」

「……」


そう言うと大野さんはスマホから目を離し
だったらまだいいじゃんって顔で
勝ち誇ったみたいにそう言った。








「もしかしてですけど…」

「……?」

「もしかしてまた番組企画で作るかもしれないから
それでいいやとか考えています?」

「え?」

「その顔は、図星ですね」

「え~ダメ~?」


もしかしてと思ったけど、図星か。


「ダメに決まっています。
第一その企画が今年もあるかどうかもわからないし
それに俺は大野さんが選んだものが欲しいんです」

「え~」


その顔。まさかだけど本気で企画物で作ったもので
済まそうとしようとしていた?


「今、思いっきり面倒くさいって顔しましたね?」

「え~してないよ」


この人はホントこういうところがわかりやすい人なんだよなと思いながら
大野さんを見るとおかしそうにくすくす無邪気に笑っている。


「い~や、していました。もういいです。
大野さんの気持ちは嫌ってほどわかりましたから!」

「……にの」

「……」

「にの、もしかして怒ってる?」

「ハイ、怒っています」

「え~お願い怒らないで~」


こっちはその言葉にこんなにがっくり来ているのにと、
ちょっと怒ったふりをしたら慌ててそう言ってくる。
そういうところがまたこの人の可愛いらしいところでもあるんだよね。


「じゃあ、お詫びにチュウしてください」

「え~」


その可愛らしい姿に、何だかちょっと困らせてみたくなって
そう言ったら大野さんは案の定少し困った顔を見せる。
そして、困った顔をしながらも、またえ~と言う。
本当にこの人は素直には言うことを聞かない人なんだよね。


「もうさっきから、え~ばっかり」

「だってぇ~」

「ほら、みんなきちゃいますから早く」

「え~」


そう思いながらも大野さんのそばに行って
頬を差し出しここにと指でツンツンと自分の頬にあてた。


「……」

「……」


大野さんが何で? って顔をしてじっと見つめてくる。
だから負けじと見つめ返す。
しばらく無言のまま見つめあうと大野さんは
仕方ねえなって顔をしてゆっくりとソファから起き上がった。


でも、起き上がったはいいけどまた困った顔をする。


その困っている可愛らしい姿に思わず笑みが浮かんできてにっと笑いかけた。
大野さんが困った顔をしながら照れくさそうに小さく笑い返す。


そしてとうとう観念したのか
ゆっくりゆっくりと顔を近づけてきて
頬に優しくちゅっとキスをしてくれた。














「……」


なぜか楽屋に戻ると智くんとニノがちゅーをしていた。


いや正確に言うとニノの頬に智くんがチュッと軽く
キスをしていただけなんだけど。


「も~何してんの?」

「ああ、翔さん」


だけどここは楽屋、誰が入ってくるかもわからない。
って、前にもこんなことがあったような感じがするのは
気のせいなのだろうか。


「何してんの?」

「いや俺誕生日だったのに大野さん何もくれないから
チューをしてもらっていたんです」

「いやいやいや、意味わかんねえから」


そう言うとニノが誕生日だからチューを
してもらっていたとか言い出す。


何でこの人は誰かの誕生日のたびに
ハグをしてたりキスをしてたりするのだろう?
そんな疑問を抱きながら智くんを見ると
智くんはえへへって顔で笑った。


本当にもうこの人は。
まぁそんなところも可愛らしいんだけどね。


「別に意味わかんなくないでしょ?」


そんな事を思っていたら
ニノがそう言ってにやりと笑う。
……なんだかちょっと悔しい。


「ふーん、そうなんだ?
そういや俺もまだニノにあげてなかったから
俺からもキスのプレゼントでもあげよっか?」

「へ?」


だからお返しにとちょっと困らせてみようと
ニノにそう言った。


「何、その嫌そうな顔?」

「いやだって翔さんが?」

「そう、悪い?」

「いや悪くはないですけど珍しいこと言うなあって」

「いやそんな事ないよ、ほらほら遠慮せずにそのお顔をこちらに」

「いやいや、丁重にお断り致します」

「何でだよ?」


智くんはそんなやり取りをニコニコ笑いながら見ている。
その姿も可愛いんだけどね。


「じゃ、俺はちょっと用事があるんで」


そんな事を思いながら智くんを見たら
すかさずニノがそう言ってこの場から去ろうとした。


「え~どこか行っちゃうの?」

「ふふっちょっと一服」


智くんの言葉にニノが優しく答える。
この違いっ


「そうなの?」

「うん。じゃーね、翔さん」

「おう」

「大野さんも」

「うん」

「後で、ゆっくり、ね」


そう言ってニノは智くんに笑いかける。


「……うん? あ、そーだ、にのお誕生日おめでと」

「ふふっありがと。大野さん好きだよ」


後でゆっくりって何だ?
なんて思っていたらニノが智くんのところに
ゆっくり戻ってきてそう言いながら
智くんの唇にチュッとキスをした。


「おいっ」


その姿に思わず飲んでいたペットボトルを落としそうになる。
にのは別に気にする様子もなく大野さんからの誕生日プレゼントと言って
へへっといたずらっ子みたいな顔をして笑った。


俺からの誕生日プレゼントは断ったくせに~!
いやそれよりも今のはニノからしてたから
全然智くんからの誕生日プレゼントじゃねえし~!
なんて思っていたらじゃ~ね~翔さんと言って笑いながら
いってしまった。






「……」

「……」


楽屋に二人。


「何か」

「……?」

「何かここんとこメンバーの誕生日のたびに
衝撃的な場面を見ている気がするんだけど?」

「え~そう?」

「そうでしょ~」


そう言うと智くんは特に気にもしていない様子でそう答える。
相変わらずだけど全然自覚がないらしい。
前回の相葉さんの誕生日には抱き合ってたよね?


「まあ、いいや。それよりこないだzero出てくれてありがとね」

「ふふっ翔くんもドラマ出てくれてありがとね」


色々突っ込みたいことは山盛りだったけど仕方ないと諦め
とりあえずこないだのお礼をした。


「あ~あれは凄く面白かったなあ。
いい経験をさせてもらって本当に光栄です」

「ふふっ何だか翔くんキャスターみたい」

「ふふっそう?」

「うん。キャスターの翔くん好き」


そう言って無邪気で可愛らしい顔で笑う。
嬉しいんだけどね。


「でも、俺も智くんが中心となって活躍している場を見るのが好きだよ」

「中心て」


そう言うと困惑した表情を見せる。
こういうところがこの人はいつまでたっても変わらない。
こんなにグループとしても個人としても中心となって
活躍しているというのに自分では支えてもらっていると言うんだよね。


謙虚な姿勢はいつまでたっても変わらない。
だからみんな智くんの事を好きになってしまうのだろうか。
そういえば番組でも哲太さんが大野さんに向かって
大好きになっちゃいました好きですと何度も連呼してたっけ。


智くんは困惑していたけどいつも共演して
一緒に過ごしているとどんどん相手が
惚れ込んでいってしまうという不思議な人。
自分からは特に何をしているわけでもなく自然体でいるだけなのにね。
それがいつも羨ましくてちょっとだけ妬ましい。


「今日会おっか?」

「うん」


そんな事を考えていたら自分の心を見透かしたみたいに
智くんから珍しく会おうと言ってきたから即答でうんと返した。











「哲太さんが智くんの事大好きって言ってたね?」

「ん~なんだろ不思議なんだけどね~」


家でまったりと過ごす時間。
智くんはそう言って不思議そうな顔をした。


でも


昔からそれは変わらないような気がする。
自分自身ジュニアの頃から目標や憧れる男の人は
男の人からも好かれ慕われる人とずっと言い続けていて
ジュニアの時に雑誌での取材で智くんの名前を出していた。


そしてそれは今も変わらないし
そして智くんも変わらない。


メンバーも共演した人もみんな智くんの事が好きになる。
自分からアピールする訳では決してないのに
みんな好きになるという本当に不思議な人。


「まあ、俺も好きだけどね」

「……」

「って本人目の前に何言ってんだろ」

「ふふっ俺も翔くんの事好きだよ」

「顔がって言うんでしょ?」

「顔も、だよ」


そう言ってくすくす笑う。
可愛らしくて大好きな人。
男の人からも尊敬され慕われる人が昔から憧れだった。
この目の前にいる人は昔も今も変わらず憧れの状態のまま。


そう思いながらゆっくりとその身体をソファに押し倒す。
昔から憧れていた人が下から見つめている。
その人に好きだと言ってゆっくりと顔を近づけていき
その唇にちゅっと触れるだけのキスをした。


唇が離れると智くんがじっと見つめたまま
腕がゆっくりと背中に伸びてくる。
そしてそのままぐっと引き寄せられる。


それを合図にもう一度唇を重ねると小さく智くんの口が開く。
その小さく開いた口に深く差し入れキスをする。
何度も角度を変えキスをして
見つめあって
好きだと言って
ぎゅっと抱きしめあって
そしてまた好きだと言って。


目が合うと智くんがくすくす笑う。


何? って聞くと思い出し笑いだと言って
またくすくす笑う。
どうやら昼間のニノとのやり取りを思い出して
笑っているらしい。


そう言えば…と昼間の事を思い出して
またちょっと悔しくなった。


だから


その悔しさをうめるように
またキスをした。


12月24日誕生日 天然&山

2015-12-22 21:08:20 | 山 誕生日









すみません。またまた妄想が。
次回は元に戻ります。









楽屋に戻ると、なぜか二人がぎゅっと抱き合っていた。


「ちょっ、二人とも何してんの?」


楽屋の中には二人しかおらず
相葉ちゃんは、やべって表情で気まずそうな顔をして
智くんはえへへって顔をして、にこって笑った。


「何してたの?」


その笑った顔、可愛いんだけどね。
でも、ここは楽屋。誰に見られるかもわからない。
相葉ちゃんに問いただすようにそう言った。


「いや、だってさ。だってだよ」

「だって、ナニっ?」


イライラしているのが伝わったのか
相葉ちゃんは必死な顔で答える。


「だって翔ちゃんも見たでしょ、おおちゃんの企画」

「見たよ?」

「だったら、わかるでしょ?」

「イヤ、全然」


それとこれと一体どんな関係が?
二人が抱き合ってる意味が全然わかんない。








「全然って、翔ちゃんヒドイっ」

「ヒドイって」


そう思いながらそう言うとヒドイと言う。
やっぱり意味わかんない。
智くんを見ると、智くんは肩をくいっとあげた。


「そりゃあ世間的にはクリスマスかも知れないけど
もっと大事なことがあるでしょう?」

「もっと大事な事って?」


相葉ちゃんが必死な顔で、もっと大事なことがあると訴えてくる。


「もう、相葉さんのお誕生日でしょう?」

「知ってるよ」


相葉ちゃんはえへんって感じで言うけど
一体何年一緒にいると思ってんの?
しかも、自分で相葉さんのお誕生日とか言っちゃってるし。


「だったらここは相葉さんへのお誕生日企画でしょう?」

「……は?」

「だってだよ? 6月、ニノの誕生日です。
おおちゃんは、丹精込めて世界に一つしかないカップを作りました」

「ああ、そう言えば、そうだったね」


相葉ちゃんはそう言って嬉々と語りだした。


「8月、松潤の誕生日です。
おおちゃんは心を込めて世界に一つしかない帽子を作りました。
ですよね?」

「まぁね」


まったく。ですよね? とか言ってる場合じゃねえんだけど。


「12月です。相葉さんのお誕生日です。
ってきたら、何作ってくれたんだろうって思うでしょう?」

「まあ」


確かにニノの誕生日と松潤の誕生日ときたから
このまま相葉ちゃん、そして自分と何か来るのかなとは
思ってはいたけどね。









「そしたら、あんな企画ですよ」

「あんな企画て」

「だってさ、だってだよ? 翔ちゃんだったらどう?」

「どうって?」

「6月、8月、12月とお誕生日の企画があって
おおちゃんに世界で一つだけのものを作ってもらってるのに
翔ちゃんのだけなかったら?」

「そりゃあ、寂しいだろうけど……」

「そうでしょう?
だから、それをおおちゃんに訴えたら、
俺のせいじゃねえしとか言うし」


智くんは相葉ちゃんの話を聞きながらえへへって感じで笑っている。
もう、この人は。でもまあ確かに智くんのせいじゃないけどね。


「まあ、ね」

「そしたら、あの星の飾り物あげるっていうんだよ?」

「星の飾り物?」


って、あの紙で作った?
ちょっと笑いそうになった。
でも相葉ちゃんがきって目をして見てくるから笑いをこらえる。






「おおちゃんたら、ひどいでしょ?
だから星の飾り物なんてイヤって言ったら、
じゃあオレンジのキャンドルとスノードームも
つけてあげるなんて言うしさ」


相変わらず智くんはえへへって顔をして笑っている。
もう本当にこの人は。


「おっいいじゃん。世界に一つのもの」

「よくないでしょ~。
だったら、翔ちゃんにあの星の飾りとオレンジのキャンドルと
スノードームはお譲りしますからね」

「あ、いやそれはちょっと」

「ほらね? だから今日のところはハグで勘弁してあげるって言ったの」

「は?」


意味わかんねえ~。全然ほらね、じゃないし。
色々突っ込みどころが満載過ぎる。


「だっておおちゃんとハグすると、何だか幸せな気分になるんだもん」


そう思っていたら幸せな気分になれるとか言ってるし。
やっぱり意味わかんねえぇ。
けどそれを伝えたところで無駄な気がする。
相変わらず智くんは可愛らしく笑って見ているだけだし。


「とにかくこんな誰が入ってもおかしくない場所で
そんなことしちゃいけません。智くんも気を付けてよ」

「はぁい」


だから仕方なくそう言って二人に注意すると
智くんはにこって笑って返事をした。


可愛いんだけどね。








仕事が終わって久々にまったりと二人で過ごす時間。


「でもさ、ほんとにあのプレゼント企画二人で終わっちゃうのかな?」

「ん~わかんない」


ソファにもたれながらテレビを眺めつつ
ゆっくりとした時間が流れていく。


「そしたら俺も寂しいかも」

「そう?」


そういうと智くんはやっぱり意外そうな顔をする。
本当にこの人は。


「そりゃそうだよ。だってやっぱり智くんが作った世界で一つのものって貴重だもん」

「そんな事ねえよ」

「そんな事あるよ」


にのや松潤が世界で一つのものを作ってもらえてて
凄く羨ましく感じていた。
だから自分の時は何を作ってもらえるんだろうと
ひそかに期待していた。


そう思いながらその可愛らしい顔を見ると
んふふっと照れくさそうに笑う。
その顔を見つめながら絶対にディレクターさんに
お願いしようと心に決め不思議そうに見ている智くんの
その可愛らしい唇にちゅっとキスをした。
















智くんが、珍しくぎゅっと抱きついてくる


「どうしたの?」

「もし周りの人がみんな否定しても、俺は翔くんを支持するから」


顔をあげまっすぐな視線でそう言った。


「へ?」


突然何を言い出すのかとその顔を見つめる。
あっもしかしてあの発言での影響を気にしている?
全然平気なのにな。


でも。


でも、もしこれが自分ではなくほかのメンバーだったら。
自分ではなくメンバーが何か言われる事の方が自分には辛い気がする。
自分の事はいくら言われても平気なくせにね。
そう思いながら胸に顔をうずめぎゅっと抱きついてくる智くんを見つめた。


ああ、もしかしたら智くんも同じ気持ちなのかな?


「嬉しいよ、ありがと。俺も同じだよ」


そう思いながらぎゅっぎゅっと抱きついてくる
その身体を抱きしめ返す。
そう言えば相葉ちゃんがハグすると幸せな気分になるって言ってたな。


うん、確かに。


その身体を抱きしめると、そのほのかに香ってくる智くんの存在に
包まれて幸せな気分になってくる。


「わかってくれる人がいてくれたら、それだけで十分」


その言葉に顔を上にあげた。


「その中に智くんがいるなんて、最高」


そう言うと、その可愛らしい唇にちゅっとキスをした。
そしてその身体をぎゅっと抱きしめると
智くんもまたぎゅうぅと背中にまわしている手に力を込めた。




1月25日誕生日 2015

2015-01-08 20:33:44 | 山 誕生日




遅くなりました。


久々だというのに


甘い、と言うよりバカップルって感じかも知れません…









「誕生日だね」

「へ?」


部屋で思い思いにまったりと過ごしている時間。
智くんが、ふと小さくつぶやいた。


「もうすぐ翔くん誕生日でしょ?」

「ああ、そうね」


相変わらず主語もなく唐突に言ってくるから、思わず聞き返すと
当たり前でしょって顔をしてそう言ってくる。


「何がいい?」

「ふふっ何がいっかな~」


毎年毎年この不毛とも思えるこのやり取り。
実はそんなに嫌いじゃない。
というか、かなり好きだ。
とはいっても相手が智くんだから楽しいのであって
智くん以外だったら絶対やらないけどね。


「……なければ別にいいんだけど」

「ない訳無いでしょ」

「そう? でも、もういいんじゃない?」

「全然よくないよ~」

「そうかなぁ?」

「そうだよ。それにさ、実は、一つ考えてあるんだ」

「……?」


そんな事を思いながらそう言うと
智くんは何かを察したのか
ちょっと怪訝な顔をして見つめてきた。







「あの放送見ててさ~思ってたんだよね」

「あの放送?」

「そう。嵐旅館」

「嵐旅館?」

「そう。あれ見ながら大の間に泊まって色々願い事を
叶えてもらうのもいいなって思ったんだよね~」

「は?」


今の智くんももちろん可愛いけど、何だかあの放送の時の智くんは
超絶に可愛かったんだよね~。
肌も唇もプルプルで。
垂れ目で可愛らしい感じが一層可愛らしく際立っていて
もはや年齢不詳状態だったんだよね~。


「ふふっまたそんな嫌そうな顔してるし」

「だってセーラームーンのコスプレとかでしょ? 絶対やだ」

「そんなの俺だって嫌だよ」

「じゃあ、なに?」


そう言うと、智くんは不思議そうな顔をして聞いてきた。
なぜコスプレをやらされると思ったのだろ?
まぁ、智くんのコスプレもそれはそれで
似合って可愛んだろうけどね。
顔も可愛らしいし、それにしなやかな身体でゴツさもないし。


「そうだなぁ、やっぱ美味しい魚をさばいてもらったり
うまい酒を飲んだりっていうのもいいけど…」

「……?」

「あの、相葉ちゃんのやってた壁ドンとかって面白そうじゃない?」

「……は?」

「またそんな顔してえ」

「当たり前でしょ」


智くんは、何言っちゃってんのって顔をしてそう言ってくる。
って、そんな顔をされたら言ったこっちが小っ恥ずかしくて
つい負けそうになるけどここで負けるわけにはいかない。


「俺はして欲しんだけどな~」

「え~やだ」

「俺は、積極的な智くん、見たい」

「……」


そう思いながらもそう言うと、智くんは誕生日だということもあるのか
どうしたらいいもんかとちょっと考えるような表情を見せた。









「ん?」

「……何だか、誕生日のたびにやらされている気がするんですけど」

「ふふっいいじゃん。誕生日の恒例行事にしちゃおうよ」

「……翔くんて頭いいんだか、そうじゃないんだか分かんない」

「ふふっ」


半ば呆れているのか不満そうに口を尖らせそう文句を言ってくる。
でもそんな風につい言いたくなってしまうのは
智くんのせいなんだけどね~。


「……しかもまだ誕生日でもないのに、その気になってるし」

「だって智くんから言ってきたんじゃん」

「俺は、誕生日だねっていっただけだけど…」

「そう。だから俺は俺の希望を言ったの」

「……」


そう言うと智くんは押し黙ってしまった。
ふふっ勝った。


「……」

「……」


そのまま智くんは何も言わず考えるような顔をしていたので
その顔を見つめた。


智くんはしばらくそのままでいたけど
諦めたのか、意を決したのか
向き合うように座ったかと思うと
両方の肩を掴みゆっくり体重をかけ押し倒してきた。







「……」

「……俺のモンになれよ」


顔を上げると智くんの可愛い顔がある。
その顔を見つめると、智くんは照れくさそうにそう言った。


あ~かわいい。
可愛すぎる~。


普段は頑として言うことを聞いてはくれない人だけど
こういう特別な時だけは言うことを聞いてくれるんだよね~。
やっぱ言ってみるもんだね~。


「うん、なる、なる」

「……」


そう思いながら、嬉しくってつい、なるなるって笑顔全開で言ったら
智くんは無言のまま呆れたような顔をして見つめてきた。


「……ね、何だか、バカっぽくない?」

「それがいいんじゃない? 誕生日だし」

「……」


そしてやっぱり呆れたような顔をして、そう言ってきた。








でも


冗談抜きに


もう心も身体も智くん以外の人のものになんて
これから先なれないんじゃないかと思う。


ずっと一緒にいても変わらず尊敬できて大好きな人。
綺麗な顔立ちをしているのに笑った顔が可愛らしくて
そして酔っ払うとふにゃふにゃになって甘えて
手を首に絡ませてきてキスを強請ってくる。


まぁ、さすがにカメラの前でやられたときは焦ったけど
でもそんな自然体の智くんも好き。
もう、この人の魅力に取りつかれたら
他なんて見えない気がする。
心も身体も奪われて智くん以外見えなくなるじゃないかと思ってしまう。


表立っては決して出さないけどダンスや演技や絵にかける情熱は
孤高の人そのもので、とても近づけない存在なのに
普段の智くんはのんびりしていてどこかほっとするような存在だ。


かと思えばそのダンスの美しさに目を奪われ
透き通るような歌声に聞き惚れ
その存在に神々しささえ感じていたら
ふにゃふにゃ笑ってスキンシッパーごとく甘えてきたりする。


何もできないような顔をしていて
油断をしているとすごい才能を見せつけてくる。


そんな人と一緒にいたら
他の物なんて色あせて見えてしまっても仕方がないよね。


そんな事を思いながら上を見上げると
智くんの半ば呆れながらも見つめる綺麗な顔があった。


「ね、も、いい?」

「は?」

「え?」

「全然足りないよ?」


智くんはもう満足でしょって顔をしてそう言ってくる。
でもそんなんじゃ全然足りない。


「……でも、誕生日今日じゃないよね?」

「え~いいじゃん」

「……じゃあ、もう誕生日は何もしないからね」

「う~ん、わかった」

「……」

「……」


そう言うと智くんはまた無言で見つめてくる。
その顔を見つめた。


「全然今日じゃないけど、誕生日おめでと」

「ありがと、智くん」


智くんはそう言うとゆっくりと顔を近づけてきて
ちゅっと唇にキスをする。


「……」

「……」


そして唇が離れるとまたお互いに見つめ合う。


「ずっと」

「……?」

「ずっとそばにいろよ」

「……うん」


何を言い出すのかと思い見つめていたら
そんな飛び跳ねてしまいたいくらい嬉しいことを
真面目な顔をして言ってくる。







当たり前でしょ?
嫌がられてもしつこいって言われても
本当のあなたを知ってしまったら
もう離れられっこなんてないよ。


そう思いながらもう一度キスをねだる。
智くんは仕方ねえなって顔をしながらも
優しいくちづけがそっと降りてくる。


そして今度はすぐにその唇が離れてしまわないようにと
智くんの頬に手をやると
智くんがその手首を優しく掴んでくる。


そして合わさったままの状態のまま緩く口を開くと
智くんのが入ってくる。







そう。


これは誕生日だけの特別なご褒美。
いつもは受身なあなただけど
この時だけは特別な時間。



そう思いながら


何度も


何度も


飽きることなく




智くんを求めた。