yama room

山コンビ大好き。

ブログではなくて妄想の世界です。

きらり

山 短編9 前

2014-09-30 15:19:05 | 短編







“俺にしとけばいいのに”






その人に出会ってから


いつも


そう思ってる。












そう思ってるけど




でも




言わない。




















今日もその人は


彼女に振られたと言って


机にうっつ伏して落ち込んでいる。








“俺にしとけばいいのに”






その落ち込んでいる姿を見て


やっぱりそう思った。



けど、言わない。










その人は入学した時から綺麗な顔立ちを
しているせいかよく告白される人だった。


そして、何を考えているのか
それとも、何も考えていないのか
告白されると大抵そのまま付き合う。
そんな人だった。






「ね、好みとか無いわけ?」

「んふふっ、あるよ。性格が良くてかわいいコ」


昼休み。
そうずっと前から思っていたことを聞くと
智はそう言って、んふふって笑う。


「……」


でもそんなのウソだ。


確かに付き合った子は性格はわからないけど
可愛らしい子が多かったように思う。
でも、どうみても好みとか関係なく
告白されたから付き合っているとしか思えなかった。


「で、何ですって?」

「俺といても、つまんないんだって」


一緒にご飯を食べていたニノがなぜかやけに
嬉しそうな顔をしながら智に聞いている。
そして智の方はというと、がっくりって感じで答えている。


「またですか?」

「俺だってこれでも合わせてんだよ~」


にのは相変わらず楽しそうで
嬉しそうにそう言うと、クスクスと笑った。
智は何でなんだよなぁ~って感じで頬を膨らませている。


「ちょっとは、でしょう?」

「まぁ、ちょっとかも知れないけどさ」

「でしょうね。多分全然足りてないんですよ」

「にの~ヒドイ~」


にのはやっぱり何だかすごく楽しそうだ。
そして落ち込んでいる智は、何だかかわいい。


「本当のことを言っただけです」

「もっとオブラートに包んでいってよ。傷ついているんだから」

「いや、本当のことですから。オブラートになんて包めません」

「にの、ヒドイ~。ねぇ、翔くん?」

「へ?」


何だかふたりの会話はまるでコントみたいだなぁ。
そんな事を思いながらふたりを見ていたら
突然そう智から同意を求められたので
思わず間抜けな返事をしてしまう。



そして智の顔を見ると



いつもウルウルしている瞳が一層ウルウル潤んでいて



それがまた智の美しさを一層引き出していて



とても綺麗だった。



その顔を見つめながら



“俺にしとけばいいのに”



やっぱりそう思って



ぎゅってその華奢な身体を抱きしめたかったけど



そんな事出来る訳もなく



潤んだ瞳に引き寄せられるように



ただただ見つめた。


















「翔く~ん」

「何っ?」

「あ、そんな冷たい返事」


突然話しかけられたのでちょっと言い方が
キツク感じられたのか智はそう言って、むうって頬を膨らませた。
こういうところも可愛いんだよなあ。


「ごめんごめん考え事してた。なあに?」

「今日一緒帰ろ~?」

「ん? いいけど」


そんなことを思いながらごめんって謝ると
さっきまでの顔はどこへやらって感じで
にっこりと笑顔になりそう言った。


やっぱこの可愛さにやられちゃうんだよな~
そう思いながらホントは彼女と約束してたけど
そっちはパスすることにした。


「翔くんは優しいよね~」

「そう? あんま言われねえけど」

「んふふっ、俺だけに」

「そんな事ねえよ」

「ふふっそりゃ、そうだ」

「……」


智はそう言ってまた可愛らしい顔で、んふふって笑う。
つい、そんなことねえよって言って思わず否定したけど
でもそんなの、ウソ。


悔しいけど本当はこの人の言う通り智が最優先。
何だって頼まれたら聞いてあげたくなる。



そして


この人も多分


その事に気づいている。














「今日、また違う子といましたね~?」

「マジで? また付き合ってんの?」


お昼休み。
この日も3人でご飯を食べてたらニノがそう言った。
3日前に振られたって落ち込んでたばっかじゃなかったっけ?
そう思いながら思わず智の顔を見る。


「まあね~」

「まぁ、でもまたあっという間に別れるんじゃないんですか?」

「頑張るもん」

「……」


そう言って智はやっぱり可愛らしく笑うと
頑張るもんって言った。
可愛すぎだから。


「ね、好きなの?」

「へ?」

「その、彼女のこと」

「うん」

「ウソ」

「ウソって何?」


でも何だかちょっとムカついてきてそう聞くと
智は不思議そうな顔をする。
そんな不思議なことかな。
あれから3日しか経ってないよ?


「だって、いつだって本気じゃねえじゃん?」

「本気じゃないって、何で翔くんにわかんの?」

「まあまあ」


智は珍しく顔を赤くしてムッとした顔でそう言った。
ちょっと険悪なムードになったのを察したのか
にのが、まあまあって言って慌てて止めに入る。


「……」

「……」

「ごめん」

「別にいいケド」


本当のことじゃんって思ってちょっとムカついたけど
仕方なくその場の空気を読んで謝った。
でも智は言葉と裏腹にそう言うとぷいって横を向いてしまって
そのままその日は一日口をきかなかった。



そして


それはその日だけで終わるものだと


そう思っていた。

















「あれ? 最近一緒じゃないですね? やっぱあれが原因ですか?」

「そんなんじゃねえけど」


にのがそう言ってニコニコしながら話しかけてくる。
何だかやけに楽しそうなのがムカつくんですけど。


「ふふっじゃあ俺が大野さんの事もらっちゃおっかな~?」

「えっ?」


そんな事を思いながらムッとしてたら
にのは嬉しそうにそう言った。


「ふふっ俺は別に男とか女とか関係ない人なんですよね~」

「は?」

「ふふっ冗談ですよ。でもあれだけ可愛い顔してるんだから
そう思う人は結構いるんじゃないんですか?」


「……」


にのはそう言って、ふふって笑った。




それってどういう意味?


そうにのに聞きたかったけど


何だか聞けなかった。


もうあれから10日もたっている。


今までこんなに口をきかないで


過ごしたことなんてなかったから


何だかとても辛い。


でも智と話そうとしても


智に視線をそらされてしまうので手足がでない。


それがやっぱり辛い。








「翔く~ん」

「……」



もう、いよいよ智と話すこともできず
落ち込みすぎて立ち上がれない。
そう思った時、智の方から急に話しかけてきた。
どんな風に答えたらいいのか分からずその顔を見つめる。


「翔くん、ごめんね?」

「いや。俺も言いすぎた、ごめん」

「ううん、翔くんに言われたこと、図星だったんだ」

「……」


智はそう言って、んふふって笑う。
図星だったんだ。


「ごめんね、翔くん。でね、お願いがあるんだけどノート見せて」

「……いいケド」

「ありがと、翔くん」

「……」


って。
それってただ単にノート見たいだけじゃね?
そう言えばもうすぐ期末だし。
そう思ったけど智に避けられたままでいるのは辛い。


だから、いいよって言ったら智は嬉しそうに笑った。
その顔を見てやっぱり何も言えなくなってしまった。







そして、今。


智は家に来て一生懸命ノートを写している。


ってどんだけあるんだよ? 


そう言えば入学してからずっと毎日の日課みたいな感じで
写してたのに、しばらく口をきいてなかったから
ノートもその分溜まってたのか。


「んふふっやっぱ、翔くんのノートが一番わかりやすいねぇ」

「……」


智は可愛らしい顔でそう言って、んふふって笑う。
可愛いんだけどね。
でも仲直りしたかったというより
ノートが目的だったのかと思うとちょっとムカつくんですけど。


「前、テレビでやってたけど頭のいい人のノートって違うんだって~」

「……」


そんなこちらの思いを知らない智は
無邪気な顔をしてそんな事を言ってくる。


「……どうしたの?」

「……」


どうしたの? って。
この男は。
智に避けられてどれだけ辛かったと思ってるのだろう?
っていうか智と出会ってからどれだけ悩んでると思ってるのだろう?


そんな事を思っていたら何だかムショーにイライラしてきた。


思わず智の肩を掴む。
智は何? って顔をして、どかそうと身をよじる。
それを力ずくでそのまま押し倒す。
そして上に跨り両手を頭の横で固定した。


「何、すんだよ」

「……」


そのまま両手をがっしりと固定し
上から智の顔を見つめる。
智は手首を固定された状態で逃れようと動いている。


その顔を見るとさっきまでの無邪気な表情はなくなり
みるみる不安そうな表情になってくる。
智の長い睫毛は震えていて
そして瞳はゆらゆらと揺れている。


「……」

「……」


そのまま無言で上から見つめていると
智も黙ったまま見つめ返してくる。
そして瞳は相変わらずゆらゆらと不安げに揺れている。


そのまま顔を近づけようとすると
智が顔を背けぎゅって目を閉じた。


「……」

「……」

「……ごめん」

「……」


その姿に、ふと我に返り慌てて智を掴んでた手を緩め
その身体から降りた。


「……」

「……」

「翔くんノート、ありがと。俺、帰る」

「……」


智は呆然としてたけど、すぐに起き上ってそう言うと
荷物をまとめ部屋を走って出て行った。


「……」


マズい。
これって凄くマズい状況じゃあ?
そう思った時には、時既に遅し。


明日、智に会うのも凄く気まずいし
それに智とまともに顔を合わせる自信もない。








「翔く~ん」

「……!」

「昨日はノートありがと」

「……うん」

「今度また見せてね~」

「……いいけど」


そんな事を思いながら、どんよりした気分で
学校に行ったら思いがけず智が声をかけてきた。


智は拍子抜けするくらい、いつもと変わらなくて
昨日あったことがまるで夢だったかのように
まるで何もなかったかのような顔をしている。


「っていうか、今日も行ってもいい?」

「……!」

「……ダメ?」

「いいケド」


しかも今日また来るって言った?

信じらんない。


あんな事をしたのに。
そして智の瞳はゆらゆらしていてあんな不安そうな顔をしてたくせに。
それなのにまた来ようだなんて一体何考えてんだろう。


そう思いながらいいけどって言ったら智は、やったーって言って
嬉しそうに笑った。


ホント信じらんない。










「やっと全部終わった~。やっぱ翔くんのノートは見やすいね~」

「……」



智は嬉しそうにそう言って片付けを始めた。


ホントに来てるし。


そう思いながらその片付けている姿を見つめた。


「……」

「……」


智が視線に気付いたのか片付けていた手を止め
何か言いたげな顔をして無言で見つめてくる。


「……」

「……何?」

「んふふっ今日も押し倒されんのかと思っちゃった~」

「……」


それ自分から言う?
自分から言っちゃう?
俺の過去から抹殺したいくらいの出来事を
智はあっさりと
すごくあっさりと言ってきた。


あんなに不安げな顔をしてたのに。
しかも今日もここに来るって事自体
ビックリなのに。


あれは、もしかして夢だったんだっけ? とか
あのことは智の記憶から綺麗さっぱりなくなっちゃってんのかな?
とかバカなこと思ったりしてたのに。


でも押し倒されたことがわかってるんだったら
なんで懲りもせずこの人は普通に何もなかった顔をして
家に来てんだろう?


もしかしたら智はそれを期待してきたんじゃないだろうか?
そんな馬鹿みたいなことまで考え
頭の中はもうぐちゃぐちゃのドロドロだ。







“俺にすればいいじゃん”


そう言って押し倒してキスでもすればよかった?


「なーんちゃって」

「……」


そんなことをぐるぐる考えていたら
智はそう言って無邪気に、んふふって笑った。

その表情からは智の真意は読み取れない。







“俺にすればいいじゃん”


なんて、やっぱり言えない。




だってその人は友達で


そして


綺麗で守ってあげたくなるような人だけど


可愛くて何でもしてあげたくなるような人だけど






だけど、男。













。♥。・゜♡゜・。♥。・゜♡゜・。♥。。♥。・゜♡゜・。♥。・゜♡゜・。♥。














ここのブログに訪れてくださってありがとうございます。
私事ですが先日100万を超えました。


ランキングとかにも参加してないですし
リンクとかそういうのもないですし
ひっそりこっそり始めたブログだったので
ビックリなのですが、でもやっぱり嬉しいです。


記事数も昔のと合わせても120ちょっとなので
ひとつの話にどれだけの目が~って考えると
ちょっと恥ずかしかったりもしますが。


なにしろ話を書くのが初めてなので
誤字脱字や表現の仕方、構成などおかしな部分も
たくさんたくさんあります。


でもここに来て下さる方は本当に優しくて多々変だと思っていても
スルーしたり目を瞑っててくださっているんですよね。


しかもここのブログの読み方というか説明文もなく
リアル設定とノンリアル設定が混ざっていたりと
とてもとてもわかりづらいと思います。


また、途中のもありますし、突然おとぎ話とかも
入っていたりなんかもしています。
ホントよくぞここまでたどり着いてここまで読んで下さったなって。
感謝してます。


私はもともとファンブログ出身なので智さん、山贔屓で
お話というよりかはファンブログという感じが強いと思います。
しかも平和で優しい感じの話が好きなので話として考えると
つまらないかもしれません。
翔→智がほとんどですし。


でも山が大好きで、ひゃーってドキドキする感じの
話が書きたくって始めたこのブログに
毎日本当にたくさんの人が見に来て下さるようになって
そしてコメントを頂けるようになって今は夢みたいです。


多分私の描く二人やメンバーなどイメージするものと違うって
思われる事も多々あると思います。
これはもう本当にすみませんとしか言い様がないのですが。
でも何も言わず見守っててくださってありがとうございます。


毎回毎回いつもどこか不安に思いながら悩みつつ投稿しているので
毎日のアクセス数もそうですが何よりもコメントに安心し
続けることができたといっても過言ではありません。
本当にいつもありがとうございます。


更新があまりにもゆっくりで呆れられているかもしれませんが
それでも更新が待ち遠しいって思ってもらえるようなブログを目指します。


これからもどうぞよろしくお願いします。

短編集 part4

2014-09-09 20:21:10 | 超短編


嵐にしやがれ 8/16 女子力






「どうしたんですか?」


楽屋に戻ると翔さんが一人椅子に腰掛け
難しい顔をしていたからどうしたのかと話かけてみる。


「いやぁ不思議だなあって」

「何がですか?」


まあどうせ大野さん関連だろうとは思いつつ
近くの椅子に腰掛け聞いてみる。


「綺麗なのと女子力って、比例しないんだなって」

「それって、リーダーの事ですか?」


やっぱり大野さんのことか。


「そう。あんなにダンスの時はしなやかで柔らかくて綺麗なのに
女子力っていうと、何か違う気がするんだよね」

「まぁ、そうですね。
リーダーは、はっきり言って女子力は高くないですね」

「不思議だよねぇ」


そう言って翔さんは不思議そうな顔をする。


「翔さんはリーダーに女子力が高くいて欲しんですか?」

「女子力が? いや、智くんは今のままがいいな。
女子力が高い智くんなんて想像つかねえし」


確かにリーダーのダンスにはしなやかさと柔らかさがある。
手先足先まで神経が配られていて動きがとても
キレがあるのに綺麗だ。


でもかと言ってそれが女子力かというと、そうではない気がする。
力強さと繊細さを持ち合わせていて動きも身体も綺麗なのに
不思議と言えば不思議な気がしなくもない。
本人は全く自覚していないところが、またすごいところだけど。


「でも、女子力で言ったら翔さんの方が高いんじゃないんですか?」

「え~俺ぇ?」


翔さんは意外って顔をする。
あんなノリノリだったくせに~。

「ぬいぐるみ抱いている姿、可愛かったですよ」

「え~でもあんなの演技だし」

「ふふっまあ、そうかもしれないですけどね」

「でもさ、そう言ったら、にのの方が女子力高いじゃん?」

「俺が?」


突然思いもしないことを言われて思わず聞き返す。


「そう。まあ松潤は間違いなく高いけど、
ニノのあの床に座っている姿とか、ソファの横に座っている姿は
女子力が高くて可愛かったよ」

「そう言われても、あんま嬉しくないですけどね」

「ふふっ」

「でも、リーダーと決定的に違うのはリーダーが無自覚ってことですよね」

「そうなんだよね」

そう。あれだけ指先まで神経が行き届いた綺麗なダンスを
踊ったり色気があったり艶やかだったりするのに
すべて無自覚なんだよなぁ~凄いよなぁ~なんて思いながら
翔さんと笑いあった。











部屋に帰ってから二人で久々に過ごす時間。
シャワーを浴びてお互い自由な時間を過ごしながら
お酒飲んだりして過ごす。


そして今日ニノと話したことを思い出し
思わずその身体をゆっくりと押し倒す。
智くんは突然どうしたの? って顔をして見つめてくる。


その智くんの綺麗な顔、そして顔の横には
智くんの美しい手があってそれを見つめた。


智くんの手って静止画でも動いていても色気があって
すごく綺麗な手なんだよね。
でもかと言ってやっぱり女子力ではないんだよね。


不思議だな~なんて思いながらその手を見つめていたら
智くんが不思議そうな顔をして見つめてくる。


「ふふっ何でもない」


この無自覚な美しさがまたいいんだろうな。
そんな事を思いながらその美しい手にちゅっとキスをした。









VS嵐 8月7日 ホットロードチーム






『やっぱスピードですよ。言ってたやつです』

『そうねぇ』

『大野さん毎回そう言ってるんですけど本当にできるのかって
 すごく不思議がってて。今投げたら赤ピン取れるんですか?』

『取れますよ』

『じゃあエキシビションで投げて頂いて~』







「にの喜びすぎだったよ~」

「へ?」


セットの交換の合間、一人でいたにのにそう言って
話しかけた。


「さっき智くんが赤ピン倒したじゃん?
そん時すごい喜んでたじゃん」

「ああ、あれ。
なんだろう? 俺ああいうの、めちゃくちゃ楽しくなっちゃう人なんだよね~」


にのは他人事のようにそう言って可笑しそうに笑った。


「ふふっ。でも、いつもそんな感じだよね」

「そうですか?」

「そうだよ~」


いつも冷静で周りをよく見ているにのだけど
智くんのああいう場面を見るとはしゃいで
子供みたくなっちゃうんだよね~。
そこがすごく可愛いとこだけど。


「でもあの人って、やっぱりやる時にはやる人、
そして結果を出す人なんですよね」

「うん、そうなんだよね」


普段はのんびりしているけどいざとなると
すごい力を発揮するんだよね。
昔はそれさえもあまり表にはだそうともしない人だったけど
最近は少しずつどこがどうって訳でもないけど変わってきた気もする。


まあそうはいっても俺が俺がって前に出るタイプでないと
言うことには変わりないけどね。


「ああいうとこが、やっぱかっこいいんですよね」

「まあね」


そう言って二人でやっぱり相葉ちゃんとのんびり話をしている
智くんを見つめた。








嵐にしやがれ 8/2 内田選手




『良かったんですか? この5人で』

『それは良かったよ』

『一人チェンジできるとかなったらどうします?』

『スゴく良い質問だと思うけど
 一人チェンジしちゃうとね、嵐にならないんだよね』

『バランス変わっちゃうからね』

『いやぁなくなるだろうね』





「不思議だよね」

「ん~?」


二人でベッドに入ってそろそろ寝よっかって感じに
なってきた時、智くんが上を向いたままそう言った。


「俺らって性格も考えてることも、てんでばらばらなのにさ
この点だけは昔から5人とも考えが変わらないんだよね」

「ああ、今日の収録のこと?」


智くんはまっすぐ上を向いたままそう小さく呟いた。


「そう」

「まあ、そうだね」


確かに5人とも性格とかはバラバラだけど
この一点だけは昔から共通している。


「よくさ奇跡の5人って言われっけどさ。
そん時は、そっかな? なんて思うんだけど
改めてああいう話になるとやっぱりそうなのかなって
思うんだよね」

「うん、そうだね」


そう。自分たち5人はこの5人でないとダメだ。
そしてそれぞれそうみんな思っている。


この5人でないと嵐にはならない
だから一人でもかけたらニノの言うとおり
そのものがなくなるんじゃないかと思っている。


何年か前、ニノが撮影で海外に行っていた時、4人で活動をしたことがあった。
たまに撮影とか入院とかでってことはあったけど
あんなに長く離れていたのは初めてだった。


で、その中で歌番組の収録とかもあって4人で
歌ったりもしたのだけど、その時の違和感は
今もまだどこか残っている。


そして、やっぱり5人じゃないとダメだと強く思った。
多分5人ともそう思ってたんじゃないかと思う。


「ずっと、これからも5人でやっていこうね」

「当たり前じゃん。それにこの5人じゃなければ考えられないし
 それに一番凄いところは5人がみんなそう思っているところだよ」

「そうだね」


そう言うと智くんはどこか、ほっとしたような顔をした。


「うん、そうだよ」

「何か、不思議だね」

「まあね。でも、もう家族よりも一緒にいるから、ね」

「ふふっそうだね」


そう言うと智くんは可笑しそうに笑う。


「5人ともなんやかんや言っても好きじゃん?」

「そうだね」

「だから変わんないよ、俺たちは」


そう言って身体を少し起こすとちゅっと
その唇にキスをした。




短編集 part3

2014-09-09 20:20:39 | 超短編



いつの話? って話が多々あるかもしれません…。

とりあえず8月分





VS嵐 ゴールデン200回記念



「ね、何か言うことな~い?」

「へ?」


家でソファにゴロンとしてスマホを眺めていたら
翔くんが突然そう言ってニコって笑いながら
ソファの前に座って顔を覗き込んできた。


“何か言うこと? 翔くんに何か言う事なんてあったっけ?”


そんなことを考えながらニコニコと嬉しそうに
見つめてくる翔くんの顔を眺めた。


「……別にないけど」

「ええ~あるでしょう?」


考えたけどなんにも思い浮かばなくってそう言ったら
翔くんはびっくりした表情を浮かべながらそう言った。


「……」

「……」


そのまま黙ったままで考えていたら翔くんが
ワクワクしたような顔をして見つめてくる。


「ん~やっぱナイわ」

「ん~もう。今日は俺のあご攻略記念日でしょ」


あ~そう言えばそんなことがあったっけね。
なんて思いながらその顔を見ると、えっへんって感じで
そう言ってくるから思わず吹き出しそうになった。


「何か今、笑いそうになったでしょ?」

「え、そんな事ないよ?」


でも正直に答えたら怒られてしまいそうで
思わずそう言って誤魔化す。


「俺、初めて攻略したんだよ、すごくない?」


その顔をみると、凄く嬉しそうで
褒めて~褒めて~って顔をしていた。

“そんなに嬉しいものかな?”

でも、アゴなら翔くんが達成できていなかっただけで
自分自身もそうだけど松潤やゲストの方々も何度も達成してるしな~
なんて思いながらその嬉しそうにしている翔くんの顔を眺めた。


「俺、頑張ったんだから」

「うん、頑張った頑張った」


翔くんがそう言ってくるから頑張ったねって
言ったら不満そうな顔をする。


「その言い方~。そりゃあ、智くんは何度も達成してるけどさ」

「まあ、ね」

「でも凄く大変だったんだから」


そう言って口を尖らす。


「ふふっまあ、あれホントきついよね」

「そうだよ。智くんはデキる人だから
たいしたことないかもしれないけどさ」


デキる人って。


「それに最近じゃコツも掴んじゃってかなり余裕じゃん。
だけど俺にとって達成できたことは感無量のできごとだったんだから」


何だか凄いこと言ってるぞ?


「そんなに凄いことだったの?」

「そうだよ~」

「っていうかさ腕の筋力があるのはわかるけど
もっと腕だけじゃなくて身体全体を使うと楽だと思うんだけど」

「それができないの~だから今まで登れなかったの~」


そう感じたことを言ったらそれが出来てれば苦労しませんって
顔をして訴えてくる。


「そっか」

「ね、だから、褒めて褒めて」

「うん、すごいすごい」

「それだけ?」


……足りないらしい。


「よく頑張った、頑張った」

「なんか無理やり言ってない?」


そう言ってまた不満そうな顔をした。
あ~そんな大層なことだったなんてわかってたら
ケーキでも買ってきといたのに。


「そんなことないよ。それに登りきったときの翔くん可愛かったよ」

「え~かっこいいじゃなくて?」


そんなことを思いながらそう言ったら
また不満そうな顔をした。


「ふふっ不満そうな顔してるね」

「だってさ、やっぱかっこよかったって言ってもらいたいじゃん」

「ふふっかっこよかったよ。ただあそこちょっと高いじゃん。
だから降りれるかなってちょっと心配しちゃった」


そうだ、あの時翔くん高いとこ苦手だから大丈夫かなって
そればっかり気になってたんだった。
でもそう言うとやっぱり不満そうな顔。


「今日の翔くんすご~くかっこよかったよ」


そう言って、ちゅっと頬にキスをしたら
嬉しそうに、うんって言ってようやく満面の笑顔を見せた。

普段は冷静で真面目な姿でニュースなんて読んだりしちゃってるのに
(しかもその姿がかっこいいと何度も言ってるのに)
こういうところがかわいい人なんだよね
そう思いながら心の中でクスッと笑った。








VS嵐 8月28日 ほっとけないチーム



『大野解説員的にはどうですか?』

『いや、さっきと似てるよね?』

『さっきと似てる?』

『ほっとけないチームの方ね?』

『真ん中あるバージョンになっちゃったぐらい』

『真ん中あるバージョンです』

『あのみなさん真ん中縦で想像されるかと思うのですけど
大野さんの場合はあの横の真ん中で話をされているんですね~
あ、大野の解説員です』



「翔さん、さすがですね?」


楽屋で一人でいたらニノがそう言って話しかけてきた。


「え~何が?」


なんのことか分からずそう言って聞き返す。


「さすが大野さんの解説委員。
わかっていらっしゃる」


そう言ってニノはクスリと笑った。


「ああ、あれ? でも、にのもわかってたでしょ?」

「まあね」


にのも、さっきと似てるって智くんが言った時
瞬時に察して答えていたもんね。


「でもさ、あれやっぱ俺ら以外だとわかんないんだよね~」

「確かに。俺らはすぐ理解できたけど
ほかの人たちってみんな頭の中がハテナマーク
になってたからね」


智くんの話し方って感覚的なんだよね。


「そうなんだよね」

「だからつい解説したくなっちゃうんだよね~」


智くんはあまり多くを語らない人だから
こういうことが言いたいんだよって
つい伝えたくなっちゃうんだよね。


「まあ、俺らにしかわかんないからね」

「そうね、もう長いこといるから
俺らだけはわかっちゃうね」


そう。智くんの言いたいことは瞬時にわかるけど
周りがなんの事かわからず呆然となってて
初めて伝わってなかったんだってわかるくらいに。


「ふふっでもまあ、それだけじゃないですけどね」

「え? それってどういう意味?」

「いえ、別に。翔さんは大野さんの一番の解説者ですから」


そう言ってニノは意味深に笑うと
俺、トイレって言って歩いていく。


“大野さんの一番の解説者?”


まあ、確かに言われてみるとそうなのかもしれないな。
なーんて思いながら、歩いていくにのの後ろ姿を眺めた。











山 短編8 その後 

2014-09-01 18:23:32 | 短編



9月に


なってしまいました。




何度か見に来てくださった方


本当にすみません。















山 短編8  その後













「大野さん、ここのさ…」

「……」

「大野さんってば」

「……」


……寝ちゃってるし。


さっきまでソファの上で寝そべって
スマホを見ていたかと思っていたら
今はもうすうすうと静かな寝息を立て眠っている。


気持ちよさそうに眠っているなぁ。


そんな事を思いながらその綺麗な顔を見つめた。







兄とシェアハウスをしている大野さんは
とても綺麗な顔をしている。
初めて見たときは息をするのも忘れ
その姿に見入ってしまった。


だからいつもその姿がみたくて
兄に嫌がられながらも部活や塾がない日や
次の日が休みの日とか遊びに来ている。


大野さんはいつ行っても嫌な顔一つせず
あたたかく迎入れてくれる。
大野さんは、大人で綺麗で優しくて大好き。






でも





目の前のソファの上で眠っている


大野さんは


両方の手のひらを合わせるように重ねて
頬の下に置き枕みたいにして眠っている。
その姿は何だかあどけなくて子供みたい。


可愛すぎだろ。
って5歳も上の人なのに、なぜかそう思ってしまう。
普段の大野さんは綺麗で大人っぽくて
静かに笑ってるイメージなのに
目の前にいる大野さんはまるで無邪気な子供みたい。


男の人って普通こんな寝方するっけ?
イヤ、女の人でもしないんじゃ?


年上の男の人にこんなことを思うなんて
変かもしれないけど、やっぱり可愛いと思ってしまう。
そんな事を思いながらその姿を見つめていたら
がちゃっと玄関の方から音がした。
どうやら兄が帰ってきたらしい。


「ただいま~。ってお前また来てんのかよ?」

「いいでしょ。大野さんがいつでもおいでって言ってくれたもん」

「え~?」


兄は、やっぱり少し迷惑そうな顔をしてそう言った。
血のつながった兄弟なのにヒドイ。


「それに兄ちゃんに勉強教えてもらいに行くっていうと
お母さんも喜んで送り出してくれるよ?」

「勉強なんて教えた記憶ございませんが?」

「大野さんに教えてもらってるんだも~ん」


お母さんには本当は、邪魔になるからほどほどに
しなさいって言われているんだけど。
でも勉強を教えてもらいにって言ったらそれなら仕方ないわねって
渋々承知してくれている。


「って、何だか静かだと思ったらまた眠っちゃってるのか~」

「うん、気付いたら寝てた」

「ふふっホント眠り姫だな」

「……」


そう言って兄ちゃんは可笑しそうに笑って言ってたけど
眠り姫って。
姫って。
それって男の人に使うにはちょっとおかしくない?


最初はそう思ったのだけど何だか綺麗な顔で眠る大野さんを見てたら
眠り姫という言葉がぴったりな気がした。


そんな事を思っていたら兄ちゃんは慣れた手つきで
掛物をとってくると優しくその身体に掛けた。
そして兄ちゃんの顔を見ると兄ちゃんはとても
愛おしそうな顔で大野さんの顔を見つめていた。


なんだかそれを見て胸がドキドキした。


最初に二人に会った時に感じた空気。


大野さんは眠っていて兄ちゃんが掛物をかけ大野さんを見つめる。
それだけなのにそこだけ空気が違って見える。
そこだけ優しい空気になる。


そこには二人を包む見えない膜が見える。
それをドキドキしながら見つめた。








「ん?」


兄ちゃんが視線を感じたのか、なあにって顔で
不思議そうに見つめてきたから、なんでもないって言って
思わず俯いた。


兄ちゃんは何だよって言ってクスッと笑った。
その時多分自分の顔は真っ赤になってたと思う。


なんだか妙に照れくさくなってそのまま勉強するふりをして
シャープペンを持ちノートを見つめた。
勉強をしてると思ったのかそれっきり兄は何も言わなかった。


少したつと大野さんが目を覚ましたみたいで
掛物をつかみながら、あれっ? なんて言っている。
寝起きの大野さんは、やっぱりいつもの大人っぽい大野さんとは違って
子供っぽくて可愛らしい。


その姿を見つめていたら大野さんが
つい寝ちゃったって照れくさそうに笑った。
やっぱりかわいい。


そして掛物をどかすと身体が熱かったのか
腕をまくるようにして片方の手で片方の服の袖をグイって
交互に上にあげた。


そこから見えた腕が
その上げる仕草が
綺麗でついじっと見つめた。







そしてトイレにでも行ってたのか部屋に戻ってきた
兄ちゃんに大野さんが気づくと、帰ってたんだ
って嬉しそうに言って笑った。


その顔がなんていうか
ぱあぁ~って感じで花が開いたようにすごく明るい
表情をしたからこんな表情を
大野さんにさせる兄になんだか少し妬けた。


「智くん、起きたの?」


そう聞いている兄の顔を見るとこっちの顔もまた凄く嬉しそう。
まぁ、この家に来た時からわかっていたことだけど
この二人には特別な何かがあるらしい。








「大野さん、スキ」


兄がキッチンで飲み物の準備をしている。
大野さんはぼーっとソファから降りて
自分と同じようにテーブルの前に地べたに座っている。
その大野さんに小声でそう囁いた。


「え?」


大野さんは、え?って言って、びっくりした顔で見つめてくる。


「なーんちゃって」


余りにもびっくりした顔をしたからそう言って笑いかけると
大野さんは、なーんだびっくりしたあって言って
んふふっと笑った。


その顔がやっぱり綺麗で、ついじっと見つめながら
えへへって笑ったら大野さんもまた、んふふって
その綺麗な顔で笑った。




でも


心の中で


ホントは本気だけどねって、つぶやいた。




でもそれを言ったら大野さんを困らしてしまいそうだし
もうここには来れないような気がして
シェアハウスの相手の弟のままでいることにした。


「ね、これからも遊び来ていい?」

「んふふっ。ここは翔くんのおウチのものなんだから、いつでも遠慮せずおいでよ」


そう聞くと大野さんは優しくそう言ってくれる。



「やったー」

「いやもう、十分来すぎだから」


いつの間にかコップを持って来た兄が
そう言いながら、はいこれって大野さんに
コップを手渡しながらそう言ってくる。


「俺のは?」

「ご自分でどうぞ」


2つだけ? と思いながらそう聞くと
兄はあっさりとそう答える。


「ひでぇ、俺お客様なのに」

「何、自分でお客様とか言ってんだよ」

「ちぇ~っ弟は辛いよなぁ」


兄ちゃんと大野さんは二人顔を見合わせながらクスクス笑っている。
もういいや。
多分この中には誰も入っていけない。




だけど


まだ大野さんのこと


諦めきれていないから


これからもちょっとだけ邪魔させて。


そんな事を思いながら


兄にそう文句を言って


キッチンに向かった。






















「そろそろ寝よっか?」

「それなんだけどさ」

「へ?」


いつものようにそう言って部屋に行こうとすると
思いがけずそう言われ間抜けな返事をしてしまう。


「今日から自分の部屋で寝るよ」

「ええ~っ何で?」

「え、いや……」

余りにも大きな声を出したせいか智くんはびっくりした顔になって
しどろもどろに答える。


「俺、蹴っちゃった? それともいびき? それとも歯軋りが煩かった?」

「ふふっそんなんじゃないよ」


余りにも必死だったからか智くんがクスクス笑いながら
そんなんじゃないよって言った。


「何で~? 何でも直すから言って」

「いや、翔くんのせいじゃないよ」

「じゃあ何で?」


自分でもおかしいけど、何だか泣いてしまいそう。


「そんな顔されると…。いやだいぶ自分自身が落ち着いてきたからさ
そろそろ一人で寝ようかと思って。
これ以上翔くんに迷惑かけれないしさ」

「迷惑だなんて、とんでもないよ」

「そうなの?」


智くんは意外そうな顔をする。
そんな意外なことかな?


「そう。っていうかぜひ一緒に寝ていただきたい」

「そうなんだ? ずっと煩わしいだろうなぁって思ってたからさ」


余りにも必死になってたせいか智くんが
おかしそうに笑っている。


「そんな事ないよ。それに……」

「……?」

「ずっと隣で眠っていて欲しいし、これからもずっと俺とこの家で暮らして欲しい」

「……」

「何か、俺、変なこと言ってるな。プロポーズみたいなこと言ってるし。恥ずかしい」

「んふふっありがと。翔くん」


なんか突然そんな事言われて変なこと口走っちゃったかも。
そう思いながら自分でも顔が真っ赤になっているのがわかった。


「何か翔くん迷ってたから。ま、当たり前かもしんないけど」

「……え? そんな事ないよ。智くんのこと好きだし」


そう言えば前にもそんな風に言われたことがあった。
意外と人の感情に敏感だから気づいていたのかもしれない。



「そう言えば好きって言えば、修也くんに今日スキって言われた」

「ハァア?」

「まぁ冗談だったと思うけど。なーんちゃってって言ってたし」

いや、あいつは結構本気だ。
やっぱここにこさせるのは危険だ。阻止しなければ。


「翔くん、難しい顔してる」

「ごめんごめん何でもない」


そんな事を思っていたら智くんに難しい顔をしていると言われてしまった。


「色々考えさせてしまってごめん」

「ううん」


確かに少し戸惑いと躊躇いがあった。


「智くん、好きだよ」

「うん」

そう言って智くんの手にちゅっとキスをする。
智くんは頬を少し赤く染め頷く。


「お願いだから一緒に寝ないなんて言わないで」

「……わかった」

「じゃ、いこっか」


智くんに手を差し出すと
智くんもおずおずと手を差し出す。


その智くんの手を繋ぎそのまま引っ張って2階に行く。
そして部屋に入ってベッドに入る。
どうぞっと空間を開け布団を開けると
智くんが入ってくる。
お互い目が合うとふふって笑う。


「好きだよ」


そう言うと、智くんはうんって言って照れくさそうに笑う。
顔を近づけていってちゅっとキスをすると
少し目を伏せ気味にする。
そのまぶたにもちゅっとキスをした。


「あ~あ、やっぱ智くんのこと好きすぎて困る」


そう言うと智くんはくすくすと笑う。
そして俺もだよって言ってまっすぐな目で見つめる。


でも知らないでしょ?


智くんがいないと眠れなくなってしまったのは
自分の方だ。


朝起きて智くんのその綺麗な顔を見つめる。
一緒に朝ごはんの準備をして
朝ごはんを一緒に食べて
一緒に片付けして
そして大学に行って
終わったら早々に家に帰ってくる。


家に帰ってきたらまず智くんの姿を探して
(まあたいていはソファにいるけど)
夕御飯の準備を一緒にして
一緒に食べて
そして片付けを一緒に簡単にする。


それからリビングでお互い好きなことをして
眠くなったら一緒に部屋に行って
同じベッドに一緒に入って
智くんの寝息を聞きながら眠る。


夜中にふと目が覚めると横には智くんがいて
すうすうと静かな寝息を立てている。
それを聞きながら深い眠りに落ちていく。


そう。


一緒に寝てて欲しいのは自分の方だ。
そしてここでずっとずっと一緒に暮らしてて欲しいと
願っているのは自分の方だ。




そんな事を思いながら
ゆっくりと上半身を起こす。
智くんを上から見つめる。
智くんもまっすぐな目で見つめてくる。


「好きだ」


智くんが優しく微笑み腕を伸ばしてくる。
首に手を回し引き寄せられる。


もう顔と顔がくっつきそうだ。
智くんが、んっと顔を上げちゅっとキスをしてきた。
それを合図に角度をかえ何度も触れるだけのキスをする。


そして至近距離でお互いジッと見つめる。
智くんが見つめたまま誘うように少し開いた。
そのまま唇を近づける。


唇と唇が重なる。
回していた智くんの腕にギュッと力が込められる。







そう


智くんと一緒に眠りたいのは自分の方だ。


智くんの顔を見ながら眠りたい。


智くんの寝息を感じながら深い眠りに落ちたい。


智くんの空気を感じながら


このままずっと





一緒に生きていきたい。








そんな事を思いながら深く深く







キスをした。