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山コンビ大好き。

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きらり

ありふれた日常 part38(untitled)

2018-06-30 07:28:30 | 山コンビ ありふれた日常






嵐を、嵐さんたちを好きでよかった。






それはいつものダンスとは全く違う動き。


身体の動かし方、体幹のバランス、力の入れ方、動くタイミング


関節の動き、そして身体全体の可動域、姿勢、体勢、手の動き足の動き


そして歩き方、糸が突然緩められた時の倒れ方、その状態からの起き上がり方…








それは今まで培ってきたものがまるで通用しないダンス。









『めちゃくちゃあの人凄い怒っていたね』


だからその言葉一つをとってもどれだけ苦労したかが分かる。


『(汗で)つむじのチョイ下までぬれてた』


その言葉にどれだけ大変だったかが分かる。





映像にはフラットの状態から心電図のような波形が映し出される。
それは無の状態から生の状態になったことを事を指し示すのか。


意思がなくまさに人形の状態で操られていた状態から
やがて自分の意思を持ちながらも意志とは無関係に操られる状態へと変化し
そして自らの意思で動き出し操られていた糸を断ち切るまでの事を現すものなのか。


これを見ていると、松潤が生で糸を垂らしていたらもっと臨場感があったのに
という言う言葉の意味がよく分かる。
そして無音の状態にして見てみると智くんの動きがより深く強く伝わり人形感が増す。













『ほんと人形だよ』


ニノが言った。


そう、その身体の動き、そして関節の動きは、
まるで意志を持たない人形が誰かに糸で操られ動かされているような動きだ。
糸で操られ引っ張られているかのように、意志とは関係なく立ち上げられる。
そして引っ張られている部分だけで身体の体勢が決まりそしてそこから動きへと変わる。


そう、それはまるで操り人形。
自分の意思とは無関係に動かされ立ち上がされ歩かされ踊らされる。


そして意志を持たない、いや意志を持っていないように見える智くんの腕は
動かされるたびにまるで人形の様に関節より先が動いた反動で揺れる。
そして意志を持たない状態からだんだんと意志持った状態へと変化していくのを
意志を持たない操り人形から意志を持った操り人形へと変わっていくのを表現していく。










『あの状態で立てんのかなって毎回思う』


智くんはあっけらかんとそう言っていたけど
あの姿勢からのあの立ち上がり方。
見ているだけでもどれだけ大変かが分かる。
どこがどうなっているのかさえもはや理解できないほど
どこに力が入ってどうやって立ち上がっているのかわからない。


『難しいの? パペット。 難しそうに見えるけど、難しいの? やってみたら意外と、なの?』


でも智くんの場合。
あまりにもあっけらかんとしたその物言いに時々わからなくなる時がある。
だからニノは聞きたかったのだと思う。


身体能力が高く大抵の事を何でもない事の様に器用にこなしてしまう智くんにとって
そのパペットダンスと言われるものはどうだったのか。
智くんにとって難しい事だったのかそうではなかったのか。
大変だったのかそうでもなかったのか。
でも、智くんは難しいとも難しくないとも、
そして大変だともそうでもないとも直接的に答える事はない。
だから本当の事は誰もわからない。











ニノとはいつも一緒にステージの下からその姿を見ていた。
そして尊敬と憧れと羨望の眼差しと、そして少しの心配を感じながら
じっと智くんを見つめるニノを見ていた。


『何、あれ俺見てんの? 何だ言ってよ、もっと応援したのに』


そう言って少し照れくさそうにしながらも嬉しそうに笑うニノ。
その顔を見ながらまだ昔から変わらずこの人にとって
智くんの存在は特別な存在なんだと思う。


『このつなぐかかった時凄かったよね、初日。出てきてるだけなのにすげえキャーって』


それは直前に智くんのパフォーマンスがあったからこその言葉。
観客が息をのみ見つめていた智くんのステージの後だからこそのその言葉。
その言葉一つが大きな意味を現す。


『この時のリーダー汗だくだもんな。もうこの辺までぬれてるからね』


そしてあれだけのパフォーマンスを。
それでなくても夜の影から始まりバズりナイトそしてこのパペットダンス
そしてつなぐ、抱擁、お気に召すまま、Bittersweeet、GUTS!、Doors
とMCまでハードに歌い踊りパフォーマンスし続けるのだ。


『ここずっとふざけていたもんね』


だからニノはいつものコンサートとは比べ物にならない位
尋常じゃないくらいの汗をかいている智くんを心配しながらいつも見ていたのだと思う。
だからあの時いつもふざけていたとは言っていたけど
それは声をかけずには、構わずにはいられなかった状態だったのだと思う。



















「また見てんの?」


風呂から出てきた智くんが頭をふきながらソファに座った。


「だってさ今回の凄くね?」

「ん?」 

「何つーか自分で出てて言うのもあれだけど、壮大っつうか、まあ松潤がすげえんだろうけど」

「んふふっ。昔から凄いステージの才能とセンスを発揮するよね~」

「うん、それにみんなのパフォーマンスも何度見ても飽きない」

「んふふっ翔くん相変わらず嵐好きね~」


そう言うとおかしそうにクスクス笑う。


「そうなんだよね~なんでだろ~?」


確かに嵐の事が好きだ。
しかも不思議な事に年々自分の中での嵐の存在が、そしてメンバーの存在が
大きく大切なものになっている気がする。


「いいじゃん。それに割とみんなそうじゃない?」

「そーかなー?」

「うんそうだよ。それに翔くんは偉いよ」

「へ?」

「この嵐会だってさ俺みたいなやつだけだったら、ただひたすら食べて飲んで見てるだけだよ?」

「ふふっ」

「だから翔くんがいてよかったって凄く思ったもん」


そう言って笑ってるけど。


でも、今見てる嵐会もすでに3回見てるんだよね。
っていうか大きな声では言えないけど本編の智くんのなんて多分引かれるほど見てる。
パペットダンスはもちろん、バズりNIGHTはめちゃくちゃ女の子みたいで可愛いし。
何だあれ?ほんとあの年であの可愛さ信じられない。衣装も似合っているし。
そもそもオタクの状態でも可愛いってどういう事?


そして夜の影はダンスは相変わらずキレキレでめちゃくちゃカッコいいし。
しかもジュニアの前で軽く踊って見せているだけも
凄くなめらかさとしなやかさがあってカッコいいんだよね。
あれだけ見ているだけでも本当にダンスの上手な人って違うなってわかるもん。
それ以外でもダンスはどれもやっぱり見惚れるし歌を聞くとやっぱり聞き惚れるし。
それにUBも見るし、Song for youもそれ以外も見る。
ってどんだけ自分は智くんや嵐の事が好きなのだと思う。






でも。




そんな中でもあのパペットダンスはやっぱり特別だ、と思う。






『やっぱり教えてくれた先生のようにはならない。細かい事が』


そう智くんが苦笑いを浮かべながら言っていたあのパペットダンス。


『あれ毎回不安になる。ホントいけんのかな? あの体勢からホントいけんのかなって』


そう言いながらも完璧にパペットと化し座った状態から操り人形の様に立ち上がっていた。







でもあんな高い身体能力とバランス力と体幹がしっかりしている智くんをもってしても
そう言わせる難易度の高いパペットダンス。
でもあんなに凄い事をやり遂げているのに。
それでなくても歌もダンスも誰よりも長けているのに。
なんでいつもそんなに控えめなのかといつも思っていた。


もともと多くを語る人ではない。


でも。


『めちゃくちゃ凄く怒っていた』


そんな状態から、どれだけの練習を重ねあの状態まで持っていったというのか。
確かに凄い人だけど最初から何でもできてしまえるスーパーマンじゃない。


努力をする天才なだけだ。


先生がめちゃくちゃ怒っていたというその状態からずっと見てきたから。
その状態からずっと知ってるから。


「やっぱ、かなわねえな」

「え?」


でも決して難しいとか大変だったと言わない。
でも陰でどれだけ努力を重ねてきたかだなんて
あの先生の言動を見てきたからわかる。


決して天才だからできてしまえたことではないという事を知っている。
努力をしてのあのパフォーマンスがあるってことをわかっている。
でもそんな事を微塵も感じさせないその言動と姿。


だからこそ多くを語らないこの人に、みんな色々と聞きたくなってしまうのだろうか。
話しかけたくなってしまうのだろうか。
色々と構いたくなってしまうのだろうか。
そりゃあ、おいでおいでと指でちょいちょいとなんてされたら
松潤じゃなくてもあんな嬉しそうな顔にもなってしまうよねと思う。





そしてなぜか。


この人と一緒だという事を不思議とみんなに伝えたくなってしまうものなのだろうか。


相葉ちゃんにしてもニノにしても松潤にしても、そして自分も例外ではなく
智くんと一緒だったことや一緒に何かをしていたというようなことを口々に話し出す。


本当に不思議な人。












「好き」



そう言ってその身体を抱きしめると、優しいあなたは
そのまま何事もなかったかのようにすっと受け入れてくれる。
好きが溢れだして止まらなくなると、その思いを瞬時に察知し
そして受け止めてくれてぎゅっと力を入れ抱きしめ返してくれる。


一緒にこんなに過ごしていてもやっぱりあなたはいつも自分の前を歩いている。
憧れと尊敬の羨望の眼差しで見ているのは、ニノだけではなく自分の同じなのだと思う。
そんな事を思いながら軽く抱きしめていた腕の力を弱めると智くんが、ん?って顔で見る。
その可愛らしい顔を見つめながら
唇に少しだけ躊躇いながらちゅっと触れるだけのキスをした。







「遠慮なんてしなくていいのに」



唇が離れると、智くんが肩に手を押し当て突然がばっと俺をソファに押し倒してきた。
びっくりして上を見あげると智くんと目が合って智くんがにっと笑う。
そして遠慮はいらないんだよとばかりにそう言ってクスッと笑うと
そのまま覆いかぶさるように唇をふさがれ深いキスをしてくる。
だからそれに応じるように舌を絡め背中に腕を回す。



「するわけねーだろ」



そして唇が離れると今度はお返しにとそのままその華奢な身体を反転させた。
そして今度は下になった智くんを見つめると目が合ってお互いにっと笑う。
そのまま智くんの両方の手首を耳の横で押さえると
照れくささを隠すようにするわけねーだろとそう言って
唇を重ねキスをすると、そのまま飽きる事無く求めた。


Love Situation 9

2018-06-09 15:23:30 | love situa...








そのゆらゆら揺れる瞳を見つめながら、その掴んだ腕を自分の方へと引き寄せる。


そのせいで少し身体のバランスを崩した智があっと小さく声を上げた。


「何で 櫻井なの?」

「……」


それを少し気にしながら顔を近づけそう智に問いかけると


智は何も言わず頭を横にふった。









これまで智が誰とも付き合ってこなかった訳じゃない。
何人かの女の子から告白をされたりして付き合ってきたのを今まで見てきた。
でも全然気にならなかった。


しかもなぜかあまり長続きすることはなくて、
俺って何か欠落しているのかも知れないと言って苦笑いを浮かべているのを
時々励ましながらも微笑ましく見ていた。



でも。



その原因が櫻井だったら?


考えたくはなかったけど、多分自分の想像は当たっているだろうとも思った。







高校時代。


櫻井はあまり学校に馴染もうとしなかった。
いつも冷ややかな眼差しで楽しく過ごしている俺たちの事を見ていた。
その視線にせっかくの楽しい気分に水を差されたような気がしていつもムカついていた。


でもなぜか智は違ったようだった。


好意的な眼差しで櫻井の事を見る。


確かにイケメンだと思う。
明るい髪の毛と色白な肌、そして端正な顔立ちが目を惹く。
それに賢く聡明で努力家だとも思う。




でも。




いつも同じ高校生なのに俺たちとは別の世界にいるような存在だった。
大人っぽいといえば聞こえはいいが文化祭や体育祭で盛り上がっていても
いつも冷めた感じでつまらなさそうにしていた。
教室でワイワイ騒ぐ事もなかった。


同じ学校に彼女はいたみたいだけど常に勉強や成績の事だけが最優先で
学校や、学校の行事なんてまるで興味がないみたいだった。
だから最大のイベントである修学旅行も行かなかったんじゃないかと思う。
そんな櫻井と俺たちの間に接点なんてなかった。


そして智が櫻井の事を気にして見ていたこともあったけどそれもなくなった。
あの日以来話すことはおろか視線さえ合わせなくなった。
そしてそれは卒業してからも、そしてあの同窓会でも同じだった。




それなのに。




なぜ櫻井が智のいるこの場所にいたのか。


俺が年に数回、それも特別な時にだけしか訪れないこの場所に


なぜ慣れた感じでこの場所にいたのか。











「櫻井と何かあった?」

「……」


その理解のできない状況に納得なんてできなくて
しつこいと思われるかもしれないけど智に聞いた。
でも相変わらず智は何も言わず首を振るだけでわからない。
それが余計俺を苛立たせた。


「本当に?」

「……だって、知らない」


現実にここに慣れた感じで櫻井がいたのに、知らないって。


「じゃあ何で櫻井がここにいたの?」

「わかんない」


そして智だって慣れた感じだったのに
それなのに、わかんないって。


「そ。じゃもういいや」


はい、そうですかと到底納得できるはずもなかったけど
でももうこれ以上聞いても埒は開かないだろうとも思った。
だからイライラを智にぶつけてしまう前にこの場から離れることにした。













松潤が帰った後、その掴まれていた腕を見ると少し赤くなっていた。


なぜ松潤がそんなに怒っているのか。
なぜ松潤は執拗にその人の事をきいてくるのかわからなかった。
でも何を聞かれても、何度聞かれても
自分自身この状況がよくわからなくて答えようがないのだ。


高校を卒業してからずっと何もなかったのにある日突然その人が現れた。
そしてなぜか連日その姿を見せる。
でもその姿を見るのが辛かったからもうここには来ないでほしいと頼んだ。
それなのになぜか再び姿を見せたかと思うと、
何事もなかったかのようにカクテルを頼んできて飲んでいる。






松潤はその人の事に凄くこだわっていたけど
もうずっと前から嫌われていて好きとか何かあるなんてことあるはずないのに。




それなのに。



この訳の分からない状況に頭の中はぐちゃぐちゃだった。
とにかく今日は疲れてしまって何も考えたくない。
早く家に帰って熱い風呂に入って寝てしまいたかった。
















「あの…」

「……?」


簡単に片づけを済ませ一刻も早く家に帰ろうと店の扉に鍵をかけ
足早に外に出た途端、話しかけられたような気がした。


「ごめん、本当はもうここにはこないでほしいって言われていたのに今日は来てしまって…」


振り向くとなぜかとっくに帰ったはずのその人がここにいて
なぜか困り果てた顔でそう言って謝ってくる。


でも、今?
なぜ、今?


確かに来ないでほしいと言ったのに何事もなかったかのように来ていた。


でも、なぜ今、その話をしてくるのか。


とてもじゃないけどそれどころじゃなかった。
頭の中は松潤に言われた言葉でいっぱいだった。
これ以上何も考えられない。今は誰であったとしても話なんてできる状況じゃなかった。













「今急いでるから」

「……!」


そう言って話を遮るようにその場を去ろうとすると
待ってと言ってその人が俺の手首を掴んだ。


「ごめん、」

「……」


そして掴んでしまった事に対してだろうごめんと謝ってくる。
謝るくらいだったら早くこの手を離して欲しい。
もう頭の中で理解できる許容範囲はとっくに超えている。


「あの、高校時代の事も…」


そう思いながらその手を見つめるが、その手はぎゅっと俺の手首を掴んだまま離さない。


そして。


なぜか、今、高校時代の事を言ってくる。



何で、今?
何で、今更?


その話をしてくるのか、意味がわからない。









「本当に急いでいるから」


せっかく信号は赤から青へと戻ろうとしていたのに
なぜまた赤信号へと戻そうとするのか。
その手を何とか振りほどこうとし、その顔を見ると



なぜか。



その人がやっぱり困り果てた顔で俺の顔を見ていた。



何、で?


困っているのは自分自身なのに。


っていうか困らせているのはその人自身なのに。


あり得ない状況のオンパレードで頭の中はパニック寸前なのに。











松潤とは高校時代からずっと友達だった。
優しくていつも自分の事を守ってくれて
落ち込んだときは励ましてくれた。


ある時、松潤を好きだという子から呼び出された。
なぜかその子は俺が松潤と一緒にいすぎるから
自分の事を見てくれないのだと思い込み激情した彼女に顔をひっぱたかれた。
でもそれがばれたくなくて誤魔化したけど松潤はすぐに気付いてしまった。


それからますます松潤は過保護と言ってもいい位の接し方で俺に接した。
そしてそれは高校を卒業してからも変わらなかった。
マメに連絡をしてくれて、そして仕事をやめると知った時には
心の底から心配してくれた。


そしてここのバーで働く事になった時。


このバーの状況や伯父さんの思いを瞬時に察してくれて
他の友達にも取り決めをしてくれた。
そしてバーの雰囲気を壊さないよう守ってくれた。


凄く大切な友達だった。
その松潤が自分の事をずっと好きだったのだと言った。
確かに好きだと言われたことは何度もあったしキスされた事もあった。
でも彼女もいたしそれは友達としての好きだという事だと思っていたし
キスも冗談だと思っていた。


でもそれは自分が思っている好きと松潤が思っている好きというのとは
違っていたという事なのだろうか。


困り果てたその人を見つめながら、


なぜか今は


松潤の真剣な顔。


松潤の言葉。


松潤のいつも自分を見つめる優しい笑顔が次々と浮かんできていた。






でも。





目の前には、困り果てた目で見つめるその人の顔があって


そして、その人に掴まれたままの、俺の手がある






その掴まれたままの手首と




そして




困り果てた目で見つめるその人の顔を交互に見つめ




そのまま




時だけが静かに過ぎていく。






















 【おまけ】



「ニノ、智くんの事ラジオ聞いたよ。ありがとうね」

「ふふっ何で翔さんがお礼言ってるんですか?」


収録が終わり楽屋に戻ると待ってましたとばかりに
翔さんが嬉しそうにそう話しかけてきた。


「え? だって、嬉しかったから」


そう言うと、変かな?って顔。


「ふふっ相変わらずですね」

「え?」


やっぱり大野さんの事に関して自覚がないんだよね、翔さんって。
昔から大野さんが褒められると自分の事のように喜び
そして自分が褒められたかのようにお礼を言っていた。


「翔さんは大野さんの事を知ってもらいたい人ですからね」

「そんな事ねえけど実際頑張ってたからさ」

「ふふっまああんな合格率の高い試験になぜか凄いプレッシャーを感じながら、珍しく頑張っていたと思いますよ?」


なぜか大野さんはあれだけの合格率なのに、
落ちるんじゃないかとおびえながら勉強をしていたんだよね。
まあ、そういう所が可愛い所でもあるんだけど。


「ふふっニノは智くんのそういう所が好きなんでしょ?」

「は?」

「何かさ苦手な事に一生懸命取り組んでいる姿が凄く健気で可愛いんだよね~」

「いや、別に」


でもそれを言われたくなくて素知らぬ顔で流す。


「え~またまたそんな事言ってぇ」

「それにもうそんな可愛いとか健気とか言ってる年でもありませんし」

「それはそうなんだけどさぁ」


そう言うと不満そうな顔。
本当にこの人は。


「ま、でもやるときはやる男ですからね」

「そうだよね~」


そして褒めると途端に満面の笑みを浮かべてくる。
でも実際問題、丸暗記はできてもテスト慣れしていなくて
しかも応用力を必要とするものを苦手とする大野さんにとって
凄い挑戦だったのだと思う。
それでもやっぱりやってしまうのが大野さんらしいと思った。












「ニノのラジオの事聞いた?」

「ううん」

「褒めてたよ? 勉強頑張っていたって」

「ニノが? 珍しい事もあるもんだ」


そう言うと嬉しそうに智くんは笑った。
あまりニノは表立って智くんの事を褒めないから
ニノから褒められると凄く嬉しそうな顔をするんだよね。


「うん、結局できちゃうってさ」

「んふふ」


そして凄く嬉しそうに笑うその姿にこちらまで嬉しくなってくる。


「そう言えばね~俺も見たよ?」

「へ? 何を?」


相変わらず主語がねえぇ


「マルとの対談」

「あ~どうだった?」

「何かね翔くんがお兄さんぽくてうけた」


うけたって。
っていうか珍しく見てくれて凄く嬉しいけど感想それだけ~?


「他に何かないの?」

「ん~別にない」

「嘘でしょ~」


俺いいことたくさん言ってたよね?
やっぱりマルだしいつも言わないような事とかグループの話だとか。
そう思いながら聞いてもやっぱりないらしい。


少し不満を感じつつも、見てくれてありがとというと
うんって凄く満足そうに笑ったから
見てくれたし感想も聞けたし嬉しそうな顔も、
そして可愛らしい顔も見れたからまあいいかって思った。










全然関係ないのですが私の作業用BGMはほとんど嵐さんの曲なのですが
その中に混ざって魔王のサントラもいれています。
GracEとかLiVE/EViL、RequieMとか。
撮影時にずっと大野さんが聞いていたと言っていたサントラ。今聞いてもやっぱりいいです。
そして魔王と言えばたまたま雑誌を見返していたら今話題の方が語っていました。
『大野君は…いやっ本当に興味深い方で。なんか、見てて飽きない人なんですよね。
つい目で追っちゃうんですよ、いつもこの人、何するんだろう?って(笑)
すっごい興味深い人。
とにかく興味深いですね、大野君。実際、興味深いじゃないですか』プラスアクトミニ2008vol02
って、どんだけ興味深いのだって感じですが💦
でもわかる気がするのです。奥が深いというか。
風とか聞いちゃうと、もうどうなってんだろうって止まらなくなるんですよね。