すみません。またまた妄想が。
次回は元に戻ります。
楽屋に戻ると、なぜか二人がぎゅっと抱き合っていた。
「ちょっ、二人とも何してんの?」
楽屋の中には二人しかおらず
相葉ちゃんは、やべって表情で気まずそうな顔をして
智くんはえへへって顔をして、にこって笑った。
「何してたの?」
その笑った顔、可愛いんだけどね。
でも、ここは楽屋。誰に見られるかもわからない。
相葉ちゃんに問いただすようにそう言った。
「いや、だってさ。だってだよ」
「だって、ナニっ?」
イライラしているのが伝わったのか
相葉ちゃんは必死な顔で答える。
「だって翔ちゃんも見たでしょ、おおちゃんの企画」
「見たよ?」
「だったら、わかるでしょ?」
「イヤ、全然」
それとこれと一体どんな関係が?
二人が抱き合ってる意味が全然わかんない。
「全然って、翔ちゃんヒドイっ」
「ヒドイって」
そう思いながらそう言うとヒドイと言う。
やっぱり意味わかんない。
智くんを見ると、智くんは肩をくいっとあげた。
「そりゃあ世間的にはクリスマスかも知れないけど
もっと大事なことがあるでしょう?」
「もっと大事な事って?」
相葉ちゃんが必死な顔で、もっと大事なことがあると訴えてくる。
「もう、相葉さんのお誕生日でしょう?」
「知ってるよ」
相葉ちゃんはえへんって感じで言うけど
一体何年一緒にいると思ってんの?
しかも、自分で相葉さんのお誕生日とか言っちゃってるし。
「だったらここは相葉さんへのお誕生日企画でしょう?」
「……は?」
「だってだよ? 6月、ニノの誕生日です。
おおちゃんは、丹精込めて世界に一つしかないカップを作りました」
「ああ、そう言えば、そうだったね」
相葉ちゃんはそう言って嬉々と語りだした。
「8月、松潤の誕生日です。
おおちゃんは心を込めて世界に一つしかない帽子を作りました。
ですよね?」
「まぁね」
まったく。ですよね? とか言ってる場合じゃねえんだけど。
「12月です。相葉さんのお誕生日です。
ってきたら、何作ってくれたんだろうって思うでしょう?」
「まあ」
確かにニノの誕生日と松潤の誕生日ときたから
このまま相葉ちゃん、そして自分と何か来るのかなとは
思ってはいたけどね。
「そしたら、あんな企画ですよ」
「あんな企画て」
「だってさ、だってだよ? 翔ちゃんだったらどう?」
「どうって?」
「6月、8月、12月とお誕生日の企画があって
おおちゃんに世界で一つだけのものを作ってもらってるのに
翔ちゃんのだけなかったら?」
「そりゃあ、寂しいだろうけど……」
「そうでしょう?
だから、それをおおちゃんに訴えたら、
俺のせいじゃねえしとか言うし」
智くんは相葉ちゃんの話を聞きながらえへへって感じで笑っている。
もう、この人は。でもまあ確かに智くんのせいじゃないけどね。
「まあ、ね」
「そしたら、あの星の飾り物あげるっていうんだよ?」
「星の飾り物?」
って、あの紙で作った?
ちょっと笑いそうになった。
でも相葉ちゃんがきって目をして見てくるから笑いをこらえる。
「おおちゃんたら、ひどいでしょ?
だから星の飾り物なんてイヤって言ったら、
じゃあオレンジのキャンドルとスノードームも
つけてあげるなんて言うしさ」
相変わらず智くんはえへへって顔をして笑っている。
もう本当にこの人は。
「おっいいじゃん。世界に一つのもの」
「よくないでしょ~。
だったら、翔ちゃんにあの星の飾りとオレンジのキャンドルと
スノードームはお譲りしますからね」
「あ、いやそれはちょっと」
「ほらね? だから今日のところはハグで勘弁してあげるって言ったの」
「は?」
意味わかんねえ~。全然ほらね、じゃないし。
色々突っ込みどころが満載過ぎる。
「だっておおちゃんとハグすると、何だか幸せな気分になるんだもん」
そう思っていたら幸せな気分になれるとか言ってるし。
やっぱり意味わかんねえぇ。
けどそれを伝えたところで無駄な気がする。
相変わらず智くんは可愛らしく笑って見ているだけだし。
「とにかくこんな誰が入ってもおかしくない場所で
そんなことしちゃいけません。智くんも気を付けてよ」
「はぁい」
だから仕方なくそう言って二人に注意すると
智くんはにこって笑って返事をした。
可愛いんだけどね。
仕事が終わって久々にまったりと二人で過ごす時間。
「でもさ、ほんとにあのプレゼント企画二人で終わっちゃうのかな?」
「ん~わかんない」
ソファにもたれながらテレビを眺めつつ
ゆっくりとした時間が流れていく。
「そしたら俺も寂しいかも」
「そう?」
そういうと智くんはやっぱり意外そうな顔をする。
本当にこの人は。
「そりゃそうだよ。だってやっぱり智くんが作った世界で一つのものって貴重だもん」
「そんな事ねえよ」
「そんな事あるよ」
にのや松潤が世界で一つのものを作ってもらえてて
凄く羨ましく感じていた。
だから自分の時は何を作ってもらえるんだろうと
ひそかに期待していた。
そう思いながらその可愛らしい顔を見ると
んふふっと照れくさそうに笑う。
その顔を見つめながら絶対にディレクターさんに
お願いしようと心に決め不思議そうに見ている智くんの
その可愛らしい唇にちゅっとキスをした。
智くんが、珍しくぎゅっと抱きついてくる
「どうしたの?」
「もし周りの人がみんな否定しても、俺は翔くんを支持するから」
顔をあげまっすぐな視線でそう言った。
「へ?」
突然何を言い出すのかとその顔を見つめる。
あっもしかしてあの発言での影響を気にしている?
全然平気なのにな。
でも。
でも、もしこれが自分ではなくほかのメンバーだったら。
自分ではなくメンバーが何か言われる事の方が自分には辛い気がする。
自分の事はいくら言われても平気なくせにね。
そう思いながら胸に顔をうずめぎゅっと抱きついてくる智くんを見つめた。
ああ、もしかしたら智くんも同じ気持ちなのかな?
「嬉しいよ、ありがと。俺も同じだよ」
そう思いながらぎゅっぎゅっと抱きついてくる
その身体を抱きしめ返す。
そう言えば相葉ちゃんがハグすると幸せな気分になるって言ってたな。
うん、確かに。
その身体を抱きしめると、そのほのかに香ってくる智くんの存在に
包まれて幸せな気分になってくる。
「わかってくれる人がいてくれたら、それだけで十分」
その言葉に顔を上にあげた。
「その中に智くんがいるなんて、最高」
そう言うと、その可愛らしい唇にちゅっとキスをした。
そしてその身体をぎゅっと抱きしめると
智くんもまたぎゅうぅと背中にまわしている手に力を込めた。