yama room

山コンビ大好き。

ブログではなくて妄想の世界です。

きらり

山コンビ小説 Drの翔くんと患者さんの智くん 2

2012-06-01 20:46:46 | 日記
買うものを選び大野が一人でレジに立っている時をねらいレジの前に立つ。
レジをやってもらっているだけなのにドキドキが抑えられない。
顔を見ているとなぜだか恥ずかしくなってしまい商品を入れる手に目を向ける。

入院中は検査データーや顔色ばかりが気になり手まで
見る余裕がなくて気づかなかったけど凄く綺麗な手をしている。
そして改めて近くで顔をじっくり見ると可愛らしい顔立ちをしている。
身長、体つき、顔と全て自分好みだけど。。でも男なんだよなあ。。
笑うと凄く可愛いんだけど。。だけど男なんだよなあ。。と一人心の中で会話する。

でも今はこうやって見たい時に見にこれるけど
彼がこのバイトを辞めてしまったらもう二度と会えないかもしれないんだよなあ。
そう思うといてもたってもいられなくなる。
そこで勇気を振り絞って、今日これから仕事が終わった後にでも話がしたい、と話しかける。
そしてこのコンビニのすぐ近くにある夜中までやっている飲食店で待っていることを告げる。
大野は怪訝そうな顔をしていたが時間は取らせないことを約束し
その飲食店で大野のバイトが終わるのを待った。

ちょっと強引すぎたかなあ?職権乱用じゃないよね?なんて事を色々考えながら大野のくるのを待つ。
一時間ほどして大野が店に現れる。そしてその姿を見てまたドキドキする。
うわあ私服姿もかわいい〜。何でこの人はこんなに可愛いんだ?俺よりも歳上なのに。
しかも男相手にドキドキする俺って?
もしかしてこの人のことが好きなのかも知れない、そう思った。
そして高鳴る胸を抑え自分の席に合図する。

大野は不安そうな顔をしながら
「何か悪いものでも見つかったんですか?」と消えそうな声で言う。
医者である自分がこんな時間に現れ話があるなんて言ったから不安を感じさせてしまったらしい。
悪いことをしてしまったと深く心の中で反省する。
「すみません、突然。でも病気の事とは関係ありません。
ただ、無事回復されたので快気祝いをしたいなと思いまして。
そろそろ生活も落ち着いた頃じゃないかなって思ってきてみました。」
ずっと考えていた事を口にする。

「快気祝い?」
また怪訝そうな顔をする。まだ何かを疑っているようだ。
それもそうだよな、主治医が現れていきなり快気祝いだなんて言われたって不審に思うだけだよな、と思う。
「大野さんが退院する時、僕の絵を描いてそれをくれたでしょう。
僕、全然絵の才能はないし、絵の事は正直言ってよく分からないけど、
何だか凄く素敵な絵だったんで嬉しかったんですよ。
で、ずっとそのお礼がしたくて。だから快気祝いっていうよりかは
そのお礼の意味も込めて食事でもって事なんですけどダメですかね?」
ずっと振り返し振り返し暗唱してきた言葉を言う。
大野は納得したような納得していないような顔をしていたが、何とか約束を取り付ける。

そして約束の日。
前の日から緊張してしまいよく眠れなかった。自分は遠足を待つ小学生か、と思うと何だかおかしかった。
しかも何だか妙にそわそわして家にいても朝から何も手がつかない。
いてもたってもいられず家を出る。時計を見ると約束の一時間も前に到着していた。
そのまま大野が来るのを待つ。
暫くすると大野が約束の場所に現れた。

そして一緒にたわいもない事を話しながら食事をする。
そんな時間が凄く幸せで自分は大野の事が好きなんだと改めて確信する。
そしてもうこれで会う理由がなくなってしまうと思うと焦りばかりがおそう。
そして会話が途切れた時、
「突然で驚くかもしれませんが僕、大野さんの事が好きなんです。」
そう告白した。
大野は困惑した顔を浮かべ
「好きって。。僕は男ですよ?」なんて事を戸惑いの表情を浮かべながら言う。

まあ当たり前と言えば当たり前の反応だよねって思いながら
「はい、もちろん知っています。」
そう言うとハッとしたような顔になり
「あっもしかして・・・先生ははそっちの方なんですか?」なんて事を言う。

「そっち・・・い、いや、そっちの方って言われると。。
何ていったらいいのか。。まあそう思われても仕方がないと言えば仕方がないのかも知れませんが。。
自分自身が一番戸惑っているというか何というか。。
今まで女の人としか付き合ってきたこともないし。。
男の人をこんなふうに好きになるなんて事は人生の中で一度もなかったんですけど。。。
何ていうか。。あなただけは別というか。。多分初めて見た時から、一目惚れなんです。」
そう告白する。

大野は困惑したような表情を浮かべる。
そして言葉を選びながらポツリポツリと
「僕も先生のことは・・好きです。入院中とてもよくして下さったし。毎日優しく話しかけてくれたし。
本当に一生懸命でいい先生だと思ったし。。何より僕の命を救ってくれたし。。だけど・・・。」
言葉につまる。

「いや、あの、ごめんなさい。変なこと言ってしまって。こんな事言っても大野さんが困るだけなのに。
それに命を救ったって言ってもあれはただの肺炎だし、しかも治すのが僕の仕事だし。。
だから・・・。
返事はいいです。ただ伝えたかっただけです。
悩ませてしまってごめんなさい。ただあなたに会えなくなると思うと凄く辛くて何とかしてお友達位に
なりたかったんですけど・・・何だか僕、表現がヘタクソですみません。本当に気にしないでください。」
慌ててそう言った。

山コンビ小説 Drの翔くんと患者さんの智くん 1

2012-05-31 22:44:39 | 日記
「櫻井先生、先ほど入院された大野さん102号室にいます。」
病棟に戻ると看護師からそう声をかけられる。
そう言えば、肺炎で一人外来から入院した人がいるからお願いねって言われてたっけ。
そう思いながら電子カルテを確認する。
あぁ、炎症反応が高いし、レントゲンも真っ白だなあ。熱も9度か。
しばらくこのまま抗生剤を朝夕で点滴して2日後にまた採血とレントゲンのオーダーだな。

ま、その前にとりあえず顔見て挨拶でもしてくるかな。
そう思いながら病室に向かう。
トントンと軽くノックをするが返事はない。
「大野さん?入りますね。」
そう言って静かに病室に入る。

そこには赤ちゃんのようにバンザイをしながら真っ赤な顔をして眠る姿があった。
確か31歳って書いてあったよね?とても俺の一つ上には見えないんですけど。
どうやって見ても20代前半じゃね?
それにやたら綺麗な顔して寝ているんですけど。女の人みたいだけど確か男の人だったよね。
そんな事を思いながらじっと顔を見つめるとその気配に気づいたのか目を覚ます。
その美しい顔に動揺し一瞬言葉を失う。

熱もあるせいかボーっとした顔で不思議そうに見つめられる。
「あっっ。大野智さんですね。私担当医師の櫻井です。よろしくお願いします。」
あわててそう早口で挨拶する。
その言葉を聞くと身体をゆっくりおこしながら
「よろしくお願いします。」
そう言ってペコリと頭を下げる。

「ああ、熱もあるし身体も辛いでしょう。寝てて下さい。」
そう言って肩を掴み寝かせようとするとその身体の華奢さにドキっとする。
何で俺は男の人相手にドキドキしているんだろう?そう思いながら
「身体の調子はどうですか?今痛いところや辛いところはありますか?」
そうドキドキしている自分を抑えながら話しかける。

「とにかく身体がだるくて辛いです。」
「そうですね。外来で聞いたかと思いますけど肺炎をおこしているので
しばらく一日2回抗生剤の点滴を続けますね。
2日後にもう一度採血とレントゲンを見させてもらって順調にいけば
一週間以内で退院できると思いますよ。」
静かに見つめられてドキドキしながらそう答える。

その後大野はみるみる回復し予想通り一週間かからず退院となる。
その入院中、櫻井は大野のもとに毎日顔をだしさりげない会話から情報を集める。
そして彼は現在一人暮らしであること。
職業はイラストレーターで2年前に独立したこと。
軌道にのるまではと思って掛け持ちでコンビニでバイトをしていたがイラストレーターの仕事も
順調に増え来月にはコンビニのバイトをやめること。
彼が働いているコンビニの場所など聞き出すことに成功した。

そして退院後、大野の働いているコンビニにそれとなく見に行く。
大野は毎日入っているわけではなく週に何回かしか入ってないらしく
会える時と会えない時があった。
何か俺ってストーカーみたいだな、そう思い自分に苦笑いする。
でもこのまま会えなくなるのはどうしても嫌だった。

退院と決まった時も分かってはいた事だったが毎日大野の顔が見れないと思うと
寂しくて仕方がなかった。
こんな事今だかつて一回もなかったな、そう思うと自分でも何だかおかしかった。
でもコンビニのバイトももう辞めるっていってたし今しか話しかけるチャンスは
ない、そう思い大野がレジに立っている時に勇気をだして中に入る。

そして櫻井に気付いた大野は
「あっ先生じゃないですか。お久しぶりです。その節はお世話になりました。」
そう丁寧に挨拶をする。
「い、いやっ。こちらこそ。」
緊張し返答がおかしくなる。その姿をふふっと笑いながら大野が見つめ話しかける。
「先生、買い物ですか珍しいですね?」
入院中とは違う大野のその姿にドキドキする。

入院中は入院中で儚げな感じでよかったけど、こうやってエプロンつけて働いている姿は
また違う感じでいいやね。いやいや変態か、俺は?と思いを巡らす。
「あ、はい。ちょっと買い物で。」
緊張しドキドキしながらそう答える。

yama6

2012-03-12 20:37:09 | 日記
「翔くん、大丈夫だった?」
二人きりになるとそう不安そうな顔をして
話しかけてくる。

「ん?大丈夫だよ。」
何の事か分からなかったけど
取り敢えずそう答える。

だけど、そう答えた後も心配そうな
顔を見せたまま。
「ああ、もしかしてMDAの?」
そう言うと、「うん」と頷く。

「いつものやつに墨汁が混ざってたから
落とすのチョー大変だったけどね。」
「だけど基本的にはいつものと同じだよ?」
そう言っても顔は渋いまま。

「何か嫌なんだ。」
暗い顔のままそうポツリと言う。
「・・・?」
「黒い中に埋まっていく姿が。」
「・・・?」
「何か分からないけど不安になる。」

そうか。
何か分からないけど心配していてくれたのかな?
そう思うと何だか嬉しくて
「もしかして、心配してくれていたんだ?」
と、ウキウキしながらそう聞くと

ちょっと嫌そうな顔になって
「・・・別に。」
と答える。
「俺が黒い所に落ちたから、心配で
落ち込んでたの?」
心配してくれていた事が嬉しくて。
つい、はしゃいでそう言うと
プイと顔を背けてしまった。

「・・・ごめん。」
「俺は、大丈夫だよ。どんな事があっても。」
「心配しなくても大丈夫だから。」
そう言ってその小さな身体をギュッと抱きしめた。

yama5

2012-03-03 22:33:42 | 日記
眠っているかもしれないと思い
静かに部屋に入る。

部屋ではソファーでスヤスヤ眠る大野の姿がある。
両手を上にあげてバンザイして寝ている姿は
可愛らしくてつい微笑んでしまう。

「相変わらず、子供みたいだな智さんは。」
そう小さくつぶやくと寝顔をじっと見つめる。
その無防備な姿にたまらなくなり
ガバっと抱きついた。

その行動に目を覚ました大野は
一瞬訳が分からずそのままされるがままでいる。
そして状況が飲み込めると
「翔くん?」
と話しかける。

その声で我に返った櫻井は
「あ、智くん起きたの?
ダメだよ、ちゃんとベッドで寝てなきゃ。」
照れ隠しのためか、立て続けにそう言いながら
ゆっくり身体を起こす。

「もう、風邪治った。
そろそろ帰ってくるかなぁって思って
待ってたら寝ちゃったみたい。」
そう言いながら大野も身体を起こす。

顔色も随分よくなり咳も落ち着いたみたいだった。
そして一緒にご飯を食べていると
「今日もこっちにいてくれるんでしょ?」
と心配そうに話しかける。

「うん、大丈夫だよ。」
そう言うと嬉しそうな顔を見せる。
可愛い。
一緒にいたいのはむしろ自分の方なのに
自分の事を必要としてくれているのが何だか嬉しい。

自分達は一人暮らしをしていると言っても
今回の事に関係なく、ほとんど
どちらかがどちらかの家に泊まっている状態で。
数日は泊まれる位の着替えもお互いの家に置いてある。

これじゃあ本当の一人暮らしとは言えないな。
そう思うと何だか可笑しくなった。





yama4

2012-02-29 21:32:48 | 日記
「じゃあ、行ってくるね。
まだ風邪完璧に治ってないんだから
今日もゆっくり休んでいるんだよ。」
そう言うと
「もう行く時間だっけ?
・・・寂しい。」
そう言って智さんがベッドから両手を出して
大きく手を広げた。

連日の忙しさからの疲労もあり
まだ体調が万全でない智さんは珍しく弱気で。
きっと心細いんだろうな、と思いながら
その腕の中に入り込むように
そっと身体を預ける。

智さんが、ぎゅっと腕を身体にまわしてくる。
「終わったらすぐ戻るから。」
そう言って抱きしめると
「うん。」
そう言って胸から顔を離さず頷く。

そしてもう一度ぎゅっと腕に力を込めて
抱きしめて頬にキスをした。