「もう3年ほど早く生まれてたらなあ…」
と思ってばかりいた。理由といっても大したことではない。幼少の頃から遊びのグループのなかでいつも下っ端を勤めなければならず、面白そうな、イケないことからいつも外されてしまっていたからだろう。
年長者と居ると、
「こうありたい自分なのに、こんな自分しか居ない」
などと思い知らされることが多いものだ。知恵や意識は高まるものの、身体や立場がついていかない。自分のなかで進歩はいつも遅れてやってくる。歯噛みするしかなかった。
ラジオから流れるカントリー・ミュージックやブルーグラスだって、日本で全盛といわれる時期には味噌っかすだった。もっと浸りたいと願っても、ロカビリーやプレスリーにとってかわられてしまう。ファッションにおけるアイビー・ブームだって、いざという頃には、裾幅の広いのヒッピースタイルやヨーロッピアンなるものに変遷して行く。リアルタイムで恩恵を受けたといえばビートルズぐらいか。それはそれで幸せだったが。映画においても、カルディナーレやロロブリジータを知らない。映画館に入るには勇気が要った。日頃敬愛する田曽のアニサンに頭が上がらないのはそういうことなのかも知れない。
ずい分長い枕になったが、今日、加山雄三のエレキの若大将を観た。すき焼き屋、田能久の跡取り息子、田沼雄一の爽快な活躍ぶりを何も考えずに見入ってしまった。アメラグ、エレキ合戦…と、60年代の高度成長に向けて元気いっぱいだった日本の若い姿がそこにあり、これとて当時ぼくにはまだ背伸びしてみるしかなかったのだが、"こうありたい未来"を見せつけられたものである。様々な感慨が湧いてくるような気がして、書くよりも話すネタが膨らんでいる。年に一度は観てみたくなる楽しい世界がある。
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