今年の高校野球は面白い。試合結果の点差が物語るように、ゲームは白熱している。もっとも授業の関係で夕食タイムしか覗けないが、ありがたいことに今年の最終試合は好カード揃いだ。
初日の第3試合、大阪桐蔭が春の選抜優勝の横浜を下した試合はエキサイティングだった。そのままのめり込んでしまった。もともと判官贔屓の気味があり、たまたまチャンネルを回した瞬間にリードされているチームを応援してしまう傾向がある。その時は2対2の同点。客観的に観戦できたし、春夏連覇を目指す横浜、スラッガー中田翔などを擁する大阪桐蔭の、がっぶり四つの対決は見応えがあった。結果は小さなミスを重ねてしまった横浜が敗退したが、中田のホームランがリアルタイムで観られたのは嬉しかった。
今大会、打席に立つ打者は誰もが高校生には見えないほど体格が立派だし、バッティング・フォームも堂々としている。また、投球を待つ構えだって、それぞれ個性的だし、ダイナミックだ。これにはバッティング・マシンの果たす役割が大きいのではないか。マシンの存在は速球ばかりか変化球にも存分に目が慣れるばかりか、シミュレーションが利き、充分に対応できる。逆に投手の方は練習はあくまで昔どおり。少し不公平な気がしないでもない。今大会、投手戦が少なく、打ち合い、いわゆる乱打戦に近い試合が多いのも理由はその辺にありそうだ。また、逆転で勝負がつく場合やさよならゲームも目につく。
負けたら後がないトーナメント戦とあって集中力の高い真剣勝負、プロ野球の試合がかったるく思えるほどのスピード感、高校野球の魅力は色褪せない。やはりチャンネルを回してしまう。 昨日の千葉経大付×八重山商工などはその典型で、八重山のナインの仲間のミスを取り戻そうとする気迫が凄かった。
ひとつ気づいたのが、ミスの多かった横浜など都会育ちのチームは人工芝の球場で地方大会を勝ち抜いてきたということ。野球は、青空の下で天然芝のグランドで汗まみれ、泥まみれになって闘うスポーツなのだ。バウンドを合わせるにはもっと腰を落とす必要がある。人工芝に慣れるとボールに向かって行く気迫が今イチのような観がしてならない。考えが飛躍するが、スタープレーヤーを多く抱えたジャイアンツの低迷はそこら辺りにある…のでは。と、偉っそうに言っている場合ではない。我がタイガース、首位に5ゲームも離されている。まっ、死のロードが終わるまでは、と、おり込み済みで、まだまだ余裕綽々である。ここから最終コーナーにかけ差し込んでいく虎さんたちが楽しみでもある。
「ドラや、今行っからなっ!」
「野球小僧を知ってるかい、男らしくて純情で…」