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横浜のほほん・続

植物や生き物を見ながら歩いて感じたことなどを中心に日々を綴る。

たったひとり たった一度

2018-11-25 07:30:38 | 日記



栃木駅構内の栃木市観光案内所に「吾一からくり時計」があった。
一日に何回か作動する。12時に動いたので観てきた。






昭和初期の蔵の街のにぎわいと巴波川(うずまがわ)に浮かぶ舟などを表している。






蔵が少し動いて、奥から山車が出てきた。山車は栃木の秋まつりに繰り出して大いに賑わうらしい。






山車の上に乗っているのは静御前のようだ。山車のことは明日にでも書くことにしよう。






街角には一人の少年がいる。
栃木市出身の山本有三の小説「路傍の石」の主人公・吾一だ。

吾一は頭が良くて中学に行きたかったが、父親の放蕩のせいで諦めざるを得なかった。
小学校を卒業した吾一は父親の借金のカタとして、街一番の呉服商・伊勢屋に丁稚奉公に出される。
母を亡くした後、東京に出て苦労しながらも成長していく。






駅前に「路傍の石」の碑があった。

たったひとりしかない自分を、
たった一度しかない一生を、
ほんとうに生かさなかったら、
人間、生まれてきたかいがないじゃないか。

吾一は貧しさ故に中学校に行けないことを悲観し自暴自棄になって汽車の鉄橋にぶら下がって死にかける。
その時に担任の次野先生が吾一に語りかけた言葉だ。


小説「路傍の石」は「真実一路」とともに小学生の時に出会ったが、内容はすっかり忘れていた。




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蔵の街

2018-11-24 07:01:24 | 日記



先日は一泊二日で栃木市、笠間、涸沼、水戸と回ってきた。ここは栃木市の市街地。
栃木市は名前に反して県庁所在地ではない。明治時代の一時期だけ県庁があったそうだ。






栃木は蔵の街とも呼ばれて古い建物がたくさん保存されている。
電線の地中化がされているようで電柱が見られない。






どうして栃木を訪ねたかというとNHKの「こころ旅」で火野正平さんが行っていたのを観たからだ。
特に「日光例幣使街道」という言葉に惹かれた。






館野家住宅店舗。国の登録有形文化財。
例幣使とは調停から伊勢神宮へ毎年の神嘗祭に合わせて幣帛を奉るために遣わされる祭使であるが、
徳川家康の没後に幕府が朝廷に対し東照宮にも幣帛を奉ることを要請し毎年4月に日光例幣使が派遣された。

例幣使は中山道の倉賀野から太田宿や栃木宿を経由して楡木宿で日光西街道に入った。
この倉賀野から楡木までの街道が日光例幣使街道と呼ばれた。






街道沿いに蔵ばかりでなく商店や民家など古い建物がいろいろと見られた。
保存修復の工事を行っているらしい蔵も見られた。






ここは油伝味噌(あぶでんみそ)という味噌屋で、これも国の登録有形文化財に指定されている。
この日は休日だったが今も味噌や田楽を販売しているそうだ。






こちらは丸三家具店。奥に蔵が二つある。
元は左が米蔵で右が塩蔵だった。






これは大正2年に建てられた栃木病院は本格的な洋風建築だ。これも登録有形文化財に指定されている。






この三つ並んだのは善野家土蔵。善野家は大名相手の質商なども行う豪商だったそうだ。
江戸時代末期には困窮人救済のために土蔵の銭や米を放出したために「おたすけ蔵」と呼ばれた。







今は内部を改修し、市立「とちぎ蔵の街美術館」として活用されている。
行ったときは版画の役者絵(浮世絵)の展示が行われていた。






市内には渡良瀬川支流の巴波川(うずまがわ)が流れていて船で水上から蔵の街を遊覧できる。
この川による舟運で江戸との交易が盛んになり栃木の商人たちが隆盛を極め立派な蔵が増えることになった。



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茨城、笠間稲荷神社

2018-11-23 06:44:50 | 日記



JR水戸線を笠間で下りて2kmほど歩いたところに笠間稲荷神社がある。






三大稲荷に列せられることもある大きな神社で、創建は社伝によると7世紀頃らしい。

門前にも店が多く賑わっていた。






稲荷神社なので、お狐様がたくさんいる。神のお使いなのだ。






十月二十日から約1ヶ月間は境内いっぱいに「菊まつり」が開催されている。
笠間神宮の菊の展示は明治41年(1908年)に始まり、日本最古の菊まつりだそうだ。






境内のあちこちに約1万株の菊が展示されている。






品評会も行われたようで、丹精こめたと思われる菊のさまざまな姿があった。






菊の仕立ては詳しくないが、こういうのは大菊一本仕立てというのかな。






こちらは一文字菊というのか。厚紙のお皿で支えている。






盆栽仕立ても多数あった。
見たところ草花とは見えなかった。一年で仕立てるもののほか数年の古木仕立てもあるそうだ。






菊の展示に並んで米や蚕の繭がたくさん展示されていた。
11月23日には献穀献繭祭が行われるそうだ。






稲荷神社の祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。
「うか」とは貴い食物、稲荷は稲生り。宇迦之御魂神は稲など五穀を司る神様というわけで、
新嘗祭の時期に初穂米(神様に奉納する新米)奉納と謝恩奉納(神社から種籾の頌布受けた人たち)が行われる。






また養蚕業発展を目的として献繭も行われ、あわせて奉納献穀献繭祭として品評会も実施される。






中に黄色い繭があった。

繭は白いものと思い込んでいたが、元々の蚕の繭は黄色だそうだ。
白い繭を作る蚕は突然変異により色素のカロチノイドを体内の液体絹糸まで運べなくなった蚕だ。
昔は黄色い繭もたくさん生産されていたという。


西郷どん の菊人形展もやっていたが時間の都合でパスした。

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高速道路に蓋をする

2018-11-22 07:13:59 | 日記



東名高速道路、大和バス停の近く。泉の森にも近い。
このあたりは1968年(昭和43年)に開通した。






今日も車がいっぱい。






向こうに見えるのは渋滞情報常連の悪名高い「大和トンネル」だ。






付近を上から見る。手前が東京方面、情報は厚木、名古屋方面だ。
右側の緑が泉の森になる。

これで分かるように大和トンネルと言っても山を掘ってトンネルにしたわけではなくて、
この部分300m弱だけ、道路の上に蓋をしているのだ。何ゆえに?






蓋の上に上がってみると大工事が行われていた。
向こうの方の蓋の部分より、こちらの方が少し広がっているように見える。
大和トンネルを含む付近5kmほどを拡幅し片側3車線を4車線に変更する工事をしているのだ。
東京オリンピックまでに完成する予定だという。






蓋の上に有った樹木や盛り土を除去し、地盤改良や土留めをしながらトンネルの外側を掘削する。






拡幅する部分に鉄筋型枠を設置し既存のトンネルと接合し古い側壁部分を除去する。






これにより上り下りとも3.85mずつ拡幅されて、一車線ずつ増える。



ところで何故、この部分だけ蓋がされているのだろう?






東名高速開通に先立つ1964年(昭和39年)9月に厚木基地を離陸した艦載機がエンジントラブルを起こし、
泉の森のすぐ傍のこの場所にあった館野鉄工所に突っ込み炎上した。
上空から見た写真の大和トンネルから少し右手に見える手入れされた緑の部分だ。

これにより従業員など5人が死亡し3人が負傷した。

このことを踏まえて墜落があっても被害を軽減する目的で、飛行経路にかかる部分に蓋が敷設されたのだろう。






昭和39年は前回の東京オリンピックが開かれた年だ。
それから54年、鉄工所跡地はフェンスに囲まれ慰霊碑が立っているのみだ。
事故から50周年の時に慰霊祭が行われ、この木製の慰霊碑が設置された。
現在フェンスの内側は立ち入り禁止のため普段は遺族もお参り出来ないという。

フェンスを取り除くとか慰霊公園にするとかの方策を望む声が出て陳情活動も行われているようだ。



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泉の森の水鳥たち

2018-11-21 05:54:41 | 日記



泉の森しらかしの池。今はヒドリガモがいっぱい。
みんな昼寝をしている。その中を小さい一羽が泳いでいる。






カイツブリのヒナだ。もう親と離れて単独行動で大きなカモと並んでも平気だ。






鋭い目でなかなかの面構えだ。ときどき潜水して魚を獲りに行く。






しらかしの池にコガモはいないが、少し下流に並んで休んでいた。
雄らしいのが見当たらずエクリプスか雌ばかりのように見えた。






またしらかしの池の上流の湿地にもコガモたちがいた。






ここでは、はっきり雄と分かるのもいた。







コガモの群れに一羽だけ混じっていたカルガモが首を伸ばしてミゾソバの実を食べていた。



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