さて中盤戦の桜の紹介。すべて近所の大学に咲いているものだが、古い大学なので構内にある桜の名称は、植えた時の品種名が判明しているものとそうでないもの、そして勝手に交雑したものがある。
さてトップバッターは左からヤマザクラである。でもこれは明らかに選抜種。ヤマザクラの系統から特に花の大きいものを選んだのではないかと思われる。それでもここにたまたまタネが落ちた交雑種の疑いがある。
次は、不明種。何を植えたのかわからないからだ。ところがここは先のマメザクラと根本がかなり近い。30センチと離れていない。一番考えられるのはマメザクラにオオヤマザクラを接ぎ木したものを植えたら一緒に育ってしまった、というものだ。ただそれも違うように思う。たまたまタヌキが食べた小さなサクランボのタネが、ここで発芽して今日に至っている可能性もある。オオヤマザクラの特徴とも違う花なので、交雑種の疑いがある。
さてここでサクランボ、チェリーの登場。これもいっぱい品種があってどうもこれは古い品種なんじゃないかと思われる。
オオシマザクラ。この葉っぱが桜餅の葉っぱに使われる。葉っぱは赤いが花は白い。これとエドヒガン系の何かが混ざってソメイヨシノになったと言われている。実はこの写真の木は、オオシマにしてはとても早咲きのもので、ソメイヨシノと同時期に咲く。植物は植えられている場所や土壌で変化する事がある。これを表現という事があるが、この場所は、エドヒガンやソメイヨシノがほぼ同時期に咲く。なのでそれではない。多分オオシマにもいっぱい系統があるのだろう。今年はこのシンクロがすごかった。
最後がソメイヨシノ。園芸種としてほぼ完璧に固定されているので曖昧さは無い。
さて私はここで何を言いたいのかと言えば、桜の名前を特定するのはかなり困難だということ。また流通での問題がある。例えばソメイヨシノは、吉野桜と販売される事がある。これを奈良の桜の名所、吉野の山桜と勘違いする人がいる。またエドヒガンは根本的に野生種選抜なので、流通を含め個体差が大きい。
園芸品種として固定されているもの以外は、桜の名前を語るのは難しい。