D-70を久しぶりに使うと、なかなか難しいものがある。シャッターのタイミングが7000より遅いし、ピントも遅い。そうとうイライラしてくる。
色については液晶で確認出来ないので、テストしてパソコンに取り込んで色調整をしたりして、今使える色調に直したりした。人像にあわせたので、風景とかでは多少おかしい所もでてくるが、まあ仕方が無い。
今の7000に比べれば、70は素直だと思う。だがそれは過去のフィルム時代を知っている人の感覚であって、今の感覚では汚く見える。もう我慢していたが、どうも修理の上がりが遅すぎる。
最近のニコンのサービスは、もの凄く良い。特にスピードが凄い。中三日で修理が上がって来た事もある。遅くとも中5日だ。所が今回は木曜日になっても修理完了の知らせが無い。どういった事かとカメラ屋に聞いてみたら、ニコンサービスが外注に修理以来を出していた事が判明。
ここでカメラ修理の段取りを説明するが、カメラって何かおかしいとか、時々おかしくなると言う症状がとても多い。そこでカメラ屋が一旦判断して、状況に合わせて修理依頼を書く。場合によっては純正サービス以外の所に出したりする。特に古い商品は判断が難しい。
この書き方が、実は難しい。サービスについたら何にも問題が無いと言う事がよく起きるからだ。特に器機検査では全く問題がないのに、なぜかうまく動作しない事がある。こうなったら、客は怒るしサービスは知らんぷりを決め込む。そこをどう気がつかせるのかが、店の力量になる。客かサービスにだ。
次にサービスに届いて、簡単な試験があって原因が大体洗い出されて見積もりを出して、修理決定がでたら修理となる。ただサービスは時期によって混雑具合が違う。例えばニコンサービスで対応出来ないほど多い時がある。その場合契約している業者に発注する。主に古い機種や特殊改造、そして今回のシャッター交換のような重修理だ。
言っていいのかどうか解らないが、メーカーサービスは神様というべき修理人と見習いとしか言いようの無い修理人とが混在している。早く確実に重修理をこなせる中堅と神様は当然そんなにいない。逆に修理業者は、中堅と神様が多くいる。しかも何でも修理出来る人たちばかりだ。有名な所で関東カメラサービスだろう。
カメラメーカーにとって、修理業者は重要なパートナーだ。だが昔は勝手に修理する業者が多く、認定制度と言うもので修理業者を囲っていた。部品の優先供給や重要な設計図の提供とか、新商品の修理法マニュアルなんかを提供している。また定期的に研修会を開いてメーカーサービスと情報交換をしている。今では完全な囲い込みは無いだろうが、業者によっては今でもメーカー保証から外れる場合があるだろう。
まあこうして混雑期と閑散期を分散させてサービスを行っている。
さて修理が終わってカメラ屋について、客に納品して終わりなのだが、実はカメラ屋には利益が無い。おまけに着払い決済なので客の代金を一旦立て替えて払っている。なので客は速やかに引き取って決済しないと店に負担をかける。
さて、ニコンに問い合わせてもらった所、外注に出していて修理完了は早くて6月10日予定と言う。ここからカメラ屋の腕の見せ所になる。外注発注すると、2日はロスしてしまう。大至急指定だったのになぜそうしたのか、お客さんに説明しなければいけない。更に客は金曜日2時に修理以来を出した。しかも見積もり無しの発注をしている。この意味が分からない訳ではないだろう。客は優先順位をとるために金曜日に出したし、本当にいそいでいたから見積もり確認の時間すら惜しんでいたのだ。
どうもそんな事をねじ込んだらしい。するとなんと6月7日に修理完了の連絡が入った。
さてなぜこんな事が可能なのかと言えば、今のカメラの修理は実は簡単だからだ。全部ユニット化してある。今回はシャッターユニット交換なので実際は全部バラバラにして修理しなければいけないので時間は確かにかかる。だがカメラ修理は一気にやる事はほとんどない。何台か平行で修理する。今回の場合6月3日修理開始で6月6日の段階で重要ユニットの組付けが終わっていたのだろう。後は検査と外装取り付けだけだったのだろう。本来だったら6月7日に検査、土日休みで月曜に外装を組み付けて、火曜日発送だったのだろう。
なお、いそがせると検査が不十分になって完全に修理出来ないのでは?と考えるかもしれない。そうかもしれないが、どちらかと言えば修理した人の腕の方が大きい。腕の悪い人が時間をかけてもダメなのはダメなのだ。
いやマジでD-7000は楽だわ。ほんと楽。しかしD-70を買ったときは、70楽だと本当に思ったものだ。ただ少し後で、チトめんどくさい事に気がついたが、今ではこれでスポーツなんか撮ろうとは思わない。そう明日バスケットの試合を撮影しなければいけないのだが、D-70で失敗の山を作り上げるのが目に見えていた。
私はカメラ本体を量販店で買う事をあまりお勧めしない。理由は、この修理のやり取りが出来るからだ。客がどういった使い方をしているのか把握して、修理に出すときもこれにあわせて伝票を書ける。ここが大きい。量販店だと担当が移動したらもう終わり。おまけにアルバイトが対応して来たら、まずこういったやり取りはしないだろう。
更にこの店と私はグルになって修理伝票を書く。カメラ屋と症状のニュアンスを考えて出すのだ。今回大至急と書いたが、金曜日まで直せるかどうか問い合わせをしなかったのが私のミスだろう。実際修理は最初の修理伝票ですべて決まると考えている。
さて今回ちょっとやり取りがイマイチだったが、結果として中4日で重修理を上げて来たのだから、「世界一のサービス」ではある。気になる伝票だが、シャッター交換とファインダースクリーン交換・送料・消費税で20559円だった。ファインダースクリーン交換と言うのがあるが、部品代が安いものとか交換が簡単なものはこうして修理した時にチョコチョコ代えてくれる。こういった気の利いたサービスはうれしいものだ。
さて10年前と今とどうサービスが違うか。答えは簡単。昔は中4日の重修理なんてムリだった。下手すりゃ部品がないから取り寄せるとか、純正サービスに言われてしまう。おまけに部品が届くのに3日かかったりした。なので修理は最低中8日。2週間は覚悟しなければいけなかった。
それが中5日。これは昔で言えばニコンとプロ契約を結んだ場合の修理時間だ。ものすごくサービスが良くなったのは確かだ。
とりあえず来春にはオーバーホールが必要になるだろう。とは言ってもシャッター交換ってほぼオーバーホールなのだが。
PS
なんでファインダースクリーンに傷が入っていたのか、これは全く不明。