「ババもどき」の発展系です。小麦粉を使わない、チョコと卵とイースト、微量の塩で作ってみます。重量比でチョコが最大です。
そんな事が出来るのか?実際写真の通り、重いパンの状態になっていますが、チョコなのでソフトクッキー見たいな仕上がりになりました。多分これも洋酒シロップでおいしくいただけるものとなりました。
魔法の粉があります。小麦粉グルテンです。これをくわえる事で、発酵に伴う気泡を保持してくれると期待しました。結果ははじめの通りなのですが、糊になるデンプンが入った方がもう少しいいかなと思います。
板チョコを二枚湯煎で溶かします。116gです。安売りとはいえ二枚で140円。なにか価格がおかしいように感じます。とはいえフェアトレードの製品ではちょっと高すぎます。
卵1個と小麦粉グルテン20gを投入。
よくまぜてドライイースト(今回は日清製粉)をくわえよく練ります。結果ですがここでドライイーストを入れても全く意味がないと言うのがよくわかりました。どうもあいつら、卵や油脂分が強いものには溶けないんですね。おまけに発酵も弱くなるようです。
あと我が家にあるサフのドライイースト、青・赤ともにへたっているようです。
さてチョコに卵とグルテン・ドライイーストを混ぜたものを投入。よくまぜます。
混ぜ終わり。38度で温度を出来るだけ調整しながら混ぜてゆきます。
一次発酵終わりなのですが、実はこの間スッタもんだありまして、40度3時間放置で発酵が進まないのです。つまり先に入れたドライイーストが全く働いていないわけです。そこで、ドライイースト6gを予備発酵したものをくわえて4時間放置、一時間40度で発酵させました。
カップに絞り金で入れておきます。チョコなんで冷えると固くて絞れないのですが、手でグニュグニュさせながら柔らかくしつつ絞りました。
2次発酵終了です。ちょっとふくらみが足りないと思いますが、これでゴー。
さて焼き上がりです。あんまり膨らんでいませんね。なんというか、グルテンが鉄骨でデンプンがセメントみたいな関係にあるのが、パンなようです。
さてベーキングパウダーを使えばいいだけの話しなのですが、発酵にこだわっています。
イーストの糖分濃度さえマッチしていれば砂糖だけでも泡は沸いてきますのでどんな材料でも発酵の元として使うことができるはずですが、ココアを入れると発酵そのものが進まない。泡が立たない。どうも抗菌効果が強いようで、これがイーストの活動を制限しているようです。
「虫歯」を防ぐチョコの意外な効果
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/420/420833.html
記事でも触れられていますが、ココアを入れる前と焼く前とで、発酵を二段階に分けてやると確かに少しは膨らみますね。一度わりと膨らんでというかしっとりとしたチョコケーキができたことがありまして、同じ手順を踏んでいた気がします。卵を使ったせいかもしれませんが。
この後もっと過激に、チョコと卵とグルテンパウダーで作ってみたのですが、最初から予備発酵させたドライイーストを添加したせいかうまくふくらみました。ただグルテンパウダーの骨格が固い感じでちょっと面白くなかったです。
一般に市販されているドライイーストですが、高糖度に耐えられません。全重量の30%だと特殊な酵母が必要になるようです。あと脂肪量が多いのも発酵阻害になるようです。
この場合も添加量を多くして発酵促進していますが、そもそも卵にドライイーストは溶けないと言うのが解っています。どうもこちらの方が大きな影響がありそうです。通常のパンでも、イースト後添加の場合、イーストがほぐれなくて粒で残るような場合、発酵がうまくいかない場合が多いです。
ココアの殺菌作用より多めのイースト添加になっていると思います。この記事では最初のイースト添加量を書いていませんが、たしか5gです。追加で6g入れています。実際これは過剰添加です。現実的には6gを予備発酵して添加しても十分膨らむと思います。何しろ3gで小麦粉300gのバターロールが作れますから。よくあるレシピは失敗しないように倍量いれるように指示しています。このレシピだと粉分だけで80g程度ですから、実は添加量はかなり多いのです。
このレシピは、イタリアのお菓子ババから発展させたものです。最後はブランデーかラムシロップに漬けるのですが、ケーキそのものはちょっと重めの仕上がりの方がおいしいように感じています。特にチョコの添加量が多い場合は、シロップが生地そのものにしみ込みにくいので、重い方がいいように感じています。ただ漬ける時間が延びて、チョコが溶け出すのが難点ですが。
発酵させて作るお菓子は難易度が高いと言われていますが、けっこうやれば面白いですね。
夏なので、もう一回やってみますか。