となりの大学の学祭を撮影してきました。これが今回のシステムを最大に使う初めての仕事になります。単玉は35ミリ一本で後は全部ズームレンズを使って、とにかく時間効率を上げると言うのがポイントです。単玉をどう挟み込んで行くのかというのがミソなのですが、俗に大三元レンズというF2.8レンズ3本ですから、カメラからバックからイロイロ含めて総計6キロでしょうか、重い事重い事。軽いフットワークと言う言葉はありません。
それでも効率はいいです。ただ人との間合いを作る作業の方が大事でして、重いとテンションが下がりがちになります。まあここが問題かと。
大学の学祭と言えば模擬店ですね。まあそんなに美味しくないものを高く売りつけやがってと言うのがありますが、デフレ下で幼少を過ごした彼らは、チョっと違います。特に激戦区の焼きそばとフランクフルトに動きがありました。
焼きそばはパッケージを小さくして売値を安くした店と、具材を良くして更にナポリタン風とペペロンチーノ風や生そばを出した店が光りました。
フランクフルトでは、ドイツ風にカレー粉を用意した店が光りましたが、その意味を解る人が少なかったためか苦戦していました。差別化と言うことの難しさを感じました。
そしてお好み焼きですが、薄焼きにして単価を下げる戦略が流行。全体として撤退気味です。合理的選択ですね。売り上げは良かった様です。結局学祭では、少量を一杯食べたいと言うニーズがあるので、ヘビーなものは避けられる傾向にあると言うのに気がついた様です。単価は200円以下、出来れば100円がベストと揃って来ています。その意味ではクレープ屋が激減しました。客単価がどうしても高くなりますから、出店側も敬遠したと見られます。
今年の激戦区は焼き鳥です。鉄板の剣道部の巨大な焼き鳥は別として、7件くらいあったと思います。しかしなぜかそれなりに売り上げが出ていたようです。不思議ですね。焼き鳥の手軽さと腹に堪えない所がいい様です。ただ焼き鳥は本来学生でやれるほど簡単ではないのですが。
自家消費と、内部流通のマジックでしょうか。その前に仕入れ量を少なくしているフシも見られます。過大な目標設定より現実を見極める所がサトリ世代です。
とはいえこの模擬店ですが、昔と違ってお気楽なものではありません。O-157が流行したとき以降、保健所の指導がかなり厳しくなりました。
出店の流れとしては、申請→メニュー審査→保健所の指導に基づく委員による指導→メニュー変更の申請と許可→実際の出店時に変更が無いか、指導を守っているかチェック、という流れで運営されています。この中で一つでもアウトが出たら即時出店禁止が出ます。
メニュー審査で記憶にあるのは、自分たちで捕まえて処理して冷凍保存した魚をフライにして出すと言う計画は保健所からストップがかかりました。生産者と生産地が明確でないと言う事です。ハァ?でしょ。産地証明と生産者証明が必要な様です。肉・魚には厳しいです。なお震災前の話なので、今ではどうなのか。もっと厳しいでしょう。追跡調査出来ない食材は、使ってはいけないとなっています。
そして直前に素材が入らなくてメニュー変更した場合は、そのメニューは出せなくなります。申請していないし許諾を受けていないからです。そして当然衛生管理に問題のある店は、即座に閉店となります。
なので会計と調理は分離している必要があります。なので注文と会計が別となってめんどくさい事になっています。
そして、商品を持って歩く売り子は禁止です。なぜかと言えばその間に何かがつくと考えられているからです。店頭売り以外はダメとなっています。
お客さんは店頭で購入してすぐに食べるのが前提です。作りおきはしてはいけないとなっています。なので実はテイクアウトは禁止で、保証外となっています。
そしてナゾなのですが、米飯禁止です。確かにご飯は傷みやすい食品の一つですが、保温ジャーで暖かくしておけば一定時間持つものなのですが、禁止です。多分オニギリ対策でしょう。それではオニギリを焼いたらどうなのかとなりますが、これも禁止です。どうもご飯は衛生管理状最も厳しいものになっている様です。
この規定はおかしいと思うのですが、保健所から見ればテイクアウト前提の商品は一切許さないと言う事なのでしょう。で、あまりにも厳しい規定なので委員会も敬遠したと言うのが実情でしょう。
ということで、安全安心の学祭メニューになっていますが、焼き物と揚げ物ばかりになってしまうのは、これが理由です。予算と衛生管理を考えれば、そして彼らの調理技術を考えれば、選択肢はかなり限られていると言うのが実情です。汁ものは単価が高くなりがちなのと、不良在庫化した時の始末が大変と言うのもあります。煮詰まってしまいます。
決して大学生の発想が貧しいわけではないのです。
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