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医師会勉強会「サービス業としての医療」
講師:人とホスピタリティー研究所代表
元 ザ・リッツカールトンホテル日本支社社長 高野 登 氏
日時:平成27年6月5日 19:00~
会場:東京第一ホテル 鶴岡
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医師会勉強会としては異例ですが、元ザ・リッツカールトンホテル日本支社社長 高野登氏をお呼びして「サービス業としての医療」と題した講演を拝聴しました。参加者が200名を越える盛会で、サービス~ホスピタリティーというテーマに、多くの皆さんが大きな関心をもっていることが伺われました。日々、患者さん、利用者さんと接しながらも、悩みが多いことの裏返しなのかもしれませんね。
講演のキーワードは、ホスピタリティーだったと思います。サービスとホスピタリティーの違いはなんでしょうか。サービスはあくまでサービス提供側が決めることです。他方、ホスピタリティーは、受ける側(お客様)が評価するものです。どんなホスピタリティー溢れるサービスだったとしても、お客様が評価しなかったらなかったに等しいのです。
また、あるインタビューでは、「何をするかがサービス、どう伝えるかがホスピタリティ。」とも語っています。「例えば、演台にはたいていペットボトルとグラスが用意されていますよね。そんなとき、ホテルマンに『ペットボトルのふたは取っておいた方がよろしいですか?』 、『水は半分グラスに注いでおいた方がよろしいですか?』こう聞かれたら、うれしくないですか?」この状況で、「ペットボトルを用意するのがサービス」。「それをどう相手にに届けるかがホスピタリティ」。
ホスピタリティーを発揮するには、関心をもち、気づくことが必要です。講演のなかでは、左利きの人のナイフとフォークのセッティングや車椅子での食事を例に、気づきとホスピタリティーについてのエピソードが紹介されました。
リッツでは、ホスピタリティーを「相手の心に自分の心を添えて対話する姿勢」と定義しています。ホスピタリティーを発揮するには、なぜ自分は今の仕事をしているのか、つきつめれば、どうしたらもっといい人生を自分もお客様も送れるのかを考え続けること(哲学)が前提になるとのことでした。また、ホスピタリティーを身に着けるには、腹落ちをする研修を繰り返すことが必要とのことでした。
心に残ったキーワード
.相手の立場で考える
・目の前のことに「関心」をもつ
・理解(understanding) と 気づき(awareness)は異なる
・哲学(=理念)ぶれない信念をもつこと (自分の哲学はなんだろう?)
・リーダーが成長しなければ回りは成長しない
・チームは目標・目的を共有する集団、(グループは単なる集合体)
・師匠とはあたらしい視点を気づかせてくれる人
・45秒ルール(45秒で伝わらなかった、それ以上時間をかけても伝わらない)
・心の筋トレ(繰り返す研修・練習が必要)
・今日から変わる!という意識
以下、講演メモ
・医療者の特徴
医療者:若い頃からなりたいと思ってなった人が多い。
仕事に対する 愛着、想いが強い、忠誠心が強い。
一方で自分の職業に対する愛着は強いが、病院(組織)に対する愛着心には乏しい傾向がある
他方、7年待ってでも行きたい「病院」へ就職する人もいる
患者は、良いチームに気づく
医師は病気とは向きあうが、患者(人)とは向き合っているのか?
看護師から、ストレスの最大の要因は医師!という話も聞く。
医師にとっては、多くの選択肢を提案できることは重要
患者(人)と向きあうことで、患者との関係が進む
・関心
誰の視点で、物事をとらえるか(自分でなく相手の視点)、
目の前のことに「関心」をもち、「気づく」こと
例:左利きの人への食器のセッティング
ある左利きの人が、ホテルのレストランに来るたびに自分でフォークとナイフの位置を
左右交換していた。それに「気づいて」、その人には前もって位置を換えておくの
がホスピタリティー。
・理解understanding (頭で) と 気づきawareness(心で)は異なる
両方が必要
「大丈夫ですよ」と言ってあげることは、気づき
正しく理解し、正しく気づくこと、
・哲学
ブレないことをもっていること = 哲学 (理念)
何のために仕事をしているのか、(哲学以外の仕事はしない)
やるべきことは分かっていても、面倒だからやらないのが普通
リッツは、他が面倒でやらないことを実直にやっている
例えば、プールに落としたコンタクトレンズでも探す
当たり前でないレベルでやること
・リーダー
リッツが重要としているのは、リーダー
増幅型リーダーと消耗型リーダー
http://www.transformation-lab.com/2013/06/blog-post.html
リーダーが成長しなければ、回りは成長しない
リーダーが育つと哲学が成長する
・使命と業務内容
例:タクシー運転手の対応
タクシーの運転手にあなたの哲学はなんですかと聞くと多くは、「お客様を安全に目的地まで効率的お運びすることです」と答える。これは業務内容に過ぎない。例えば、長野中央タクシーの運転手は、「命がけでお客様の人生に向き合っている」と答える。これが会社の哲学である。
例:あるタクシーで子供が服を汚した話
子供が病気で病院へ送る途中、子供が気持ち悪くなり吐いて服を汚してしまった。親は、服を脱がせ、それをタクシーへ放置した。子供が恨めしそうにしていたことに気づいたタクシー運転手は、その後汚れた服をクリーニングし、病院へ戻り、先ほどお送りしたお客様へ渡して下さいと伝えたという。これは業務内容ではなく、使命感からでたホスピタリティーの例である。
・グループ と チーム
グループは、単なる集合体。
チームとは、同じ目標・目的を持つ集団(例:サッカーチーム)。
・伝える と 話す
しゃべらない方が伝わることがある、
パワポでは伝わらない
自分が伝えたことで、相手が影響を受けるはうれしいこと
・師匠
師匠とは新しい視点を気づかせてくれる人
障害者の師匠がいる、彼には多くを気づかされた
例えば、世の中に障害者はいない、健常者がつくったしくみが障害だ
例えば、ある障害者の団体が車椅子でホテルのレストランに食事にきた。
食事テーブルの椅子を片付けて車椅子で食事をしてもらった。
それなりに感謝された。
でも、後で聞くと、折角のホテルのレストラン、ちゃんとして椅子で食べたかったと聞かされた。
その後、車椅子の人には、どちらにするか聞くようにした。
レストランの椅子で食事ができたことは大変喜んでもらえた。
気づきを通してのホスピタリティーの例である。一方、知ってやらないのは罪である。
・関心をもち、相手の物差しで考えること!
・4・5秒ルール
45秒で伝わらなかった、それ以上時間をかけても伝わらない
相手の立場になって考えたか?が大事
・心の筋トレ
繰り返す研修、練習が必要
1-2回の研修で、良くなるわけない
何すればよいか、気づくことが第一歩
腹落ちをする研修を繰り返す
今日から、変わるという意識!
リッツ・カールトンから学ぶ、ホスピタリティ
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