思いもかけずクリニカルパス学会誌から論文奨励賞を頂きました。
山形県鶴岡地区における地域連携パスの最大の特徴は全例登録による完全ICT化にあり、その活動を15年間継続してきました。この論文を書こうと思った最大の動機は、データ入力やデータベース管理など地域連携パスの運用に携わってきた地域の多くの皆さんの尽力に報いたいという思いでした。地域でほぼ全例を分析することで漠然と感じていたことが証明されることも多々あります。今回の大腿骨近位部骨折患者のデータ分析では、早期のBIの低下、認知症の合併がその後のADL回復に有意に負の影響を及ぼす、という当たり前の結果でしたが、それを地域の発症患者全例のデータ分析から導き出したことは意義があったと思います。また、準寝たきり状態では、骨折後のリハビリテーションで骨折前よりADLが向上した例が多数みられ、リハビリテーションの有用性を改めて認識しました。
地域の皆さんの代表としてありがたく受賞したいと思います。