シンポジウム10 地域で活躍するメディカルスタッフ
-地域連携パス、退院支援、在宅医療-
たべるをあきらめない -食支援を通じた社会連携の取り組み-
小川 豊美 (株)とよみ 認定栄養ケア・ステーション とよみ
鶴岡には、医療職以外に多くの優秀な人材がいますが、管理栄養士の小川豊美さんもその一人です。シンポジウム「地域で活躍するメディカルスタッフ」に登壇頂き、地域医療が抱える課題を「たべる」にフォーカスして、さまざまな取り組みを紹介して頂きました。とくに、2018年から始まった多職種によるたべるを支援する活動「南庄内たべるを支援し隊」については、コロナ禍でもZOOMを活用してのカンファレンスを継続していることや、患者さんの情報共有にNet4Uを活用していることなどを報告して頂きました。
パネルディスカッション3 大腿骨頚部骨折地域連携パスにおける多職種連携
-2次骨折予防に向けて-大腿骨近位部骨折地域連携パスの現状と課題 病病から病診パスへ
渡部 美穂
「大腿骨近位部骨折地域連携パスの現状と課題」というパネルディスカッションでは、荘内病院PTの渡部さんから大腿骨近位部骨折パスにおいても、再骨折予防を目的(アウトカム)とした病診パスが必要であり、病診パス運用へむけて検討しているとの報告がありました。なお、大腿骨近位部骨折は、二次骨折が多い疾患であり、骨粗しょう症治療薬の継続で有意に再骨折を予防できることが分かっています。しかしながら、現状では骨折後においても骨粗しょう症治療薬の内服は20‐30%に過ぎず、二次骨折予防の重要性が高まっています。
パネルディスカッション4 これからの緩和ケアとクリニカルパス
在宅がん患者のQOL向上に向けた取り組み -つらさPATHの導入-
上林 沙希子
従来、緩和ケアにパスは馴染まないといわれてきました。緩和ケアという多様な病態に画一化、効率化を目指すパスは馴染まないという考え方だと思います。一方で、パスは患者さんのゴールを多職種チームで共有し、協働しながら患者さんを支えるツールですので、その人らしさを支える治療やケアにおいて、パスは重要なツールになり得ます。荘内病院の緩和ケア認定看護師の上林さんからは、つらさPATHという取り組みについての発表がありました。つらさの評価指標にはIPOS(Integrated Palliative care Outcome Scale)を用い、評価シートをNet4U上で運用することで、在宅療養中の患者の状況をより包括的に把握できるとの期待を述べていました。
以上、シンポジウムとパネルディスカッションへの当地区からの発表について簡単に報告させて頂きました。
その他に一般演題として、両リハビリテーション病院とこころの医療センターセンターからの発表もありましたが、詳細はパス協議会のホームページへの掲載してありますので、参照下さい。