※筒井康隆(1934年大阪府生まれ。兵庫県神戸市垂水区在住。ホリプロ所属の俳優でもあるらしい。ナンセンス、ブラックユーモアから始まり、実験的な作品も発表。92年「朝のガスパール」で日本SF大賞。「東海道戦争」「48億の妄想」「時をかける少女」「ベトナム観光公社」「アフリカの爆弾」「にぎやかな未来」「家族八景」「虚人たち」(第9回泉鏡花文学賞)「文学部唯野教授」「夢の木坂分岐点」(第23回谷崎潤一郎賞)「ヨッパ谷への降下」(第16回川端康成文学賞)ほか多数。93年に断筆宣言し、96年に執筆再開)
●毒をはき続ける80歳
筒井康隆80歳、文学の道化にして帝王、巨匠にして最前衛。老人文学の臨界点「ペニスに命中」(新潮14年1月号)、SFと震災の融合「不在」(新潮12年3月号)、爆笑の表題作(小説新潮15年1月号)などを収録した、驚異の傑作短篇集。
学生時代は大ファンでファンクラブにも入っていたりした。初期の作品はほとんど読んだと思う。その後、疎遠になりまったく読まなかったが、図書館で何気なく見つけ約40年ぶりに筒井康隆ワールドに再会。相変わらず奇想天外で、相変わらず訳の分からんことが書かれているので安心したぞ。わははははははははは。
表題作よりは「ペニスに命中」が一番面白かったのだが、まあ、これはいくら筒井作品でもタイトルにできないか。「不在」「奔馬菌」も最高だった。表題作の「世界はゴ冗談」は最後の章が笑えた。「三字熟語の奇」はアホらしくて途中で読むのをやめたが、最後まで読めないような忍耐力のない人にはこの作品の面白さを教えない仕掛けになっていたらしい。
昭和9年生まれで今年80歳。今だに毒をはき続けているのは凄い。
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