お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
?



※奥田英朗(1959年岐阜生まれ。雑誌編集者、プランナー、コピーライターを経て1997年「ウランバーナの森」でデビュー。2002年「邪魔」で第4回大藪春彦賞。04年「空中ブランコ」で第131回直木賞。07年「家日和」で柴田錬三郎賞、09年「オリンピックの身代金」で吉川英治文学賞を受賞)



●「え、これで終わり」はないよなぁ

 渡良瀬川の河川敷で相次いで若い女性の死体が全裸の状態で発見される。10年前の未解決連続殺人事件と酷似した手口に群馬、栃木両県警は色めき立つ。同一犯か、模倣犯か? 人間の業と情を抉(えぐ)る群像劇×犯罪小説。「小説すばる」連載を単行本化。

 推理小説だと思って読み始めたが、そうではなかった。強烈な個性を持った3人の被疑者、その周辺の人々、10年前の被害者の遺族、被疑者を追い詰めていく刑事たち、10年前に被疑者を逮捕できず再び戦いを挑む老元刑事、殺人事件を初めて取材することになった地元支局の新米女性記者。彼らが様々な思いを持って犯人に迫る様を描いた群像劇だ。なのでトリックめいたものはなく、犯人が語るシーンもないので動機も不明。なのに物語自体の人間ドラマの面白さにぐいぐい引き込まれ、650ページがあっという間に読めてしまった。エンターテインメントとしてはとてもいい作品だと思う。

 ただね。読み終えてちょっと消化不良なのも事実。後日談を読みたいと思うのは自分だけではないはず。犯人の思いを知りたい。「え、これで終わり」はないよなぁ、っていうのが本音かな。でも、それでもいいのかも。結末は読者自身に委ねられたんだね。

コメント(0|Trackback()



« スタンプラリ... ちょっと遅か... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。