お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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※島田荘司(1948年10月広島県生まれ。武蔵野美術大学卒業。1981年「占星術殺人事件」でデビュー。「斜め屋敷の犯罪」「異邦の騎士」などに登場する名探偵・御手洗潔シリーズや「寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁」「奇想、天を動かす 」などの刑事・吉敷竹史シリーズで人気を博す。1984年「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」、85年「夏、19歳の肖像」で直木賞候補


●ちょっとフェアじゃないかな

 ナチの収容所で生まれ育った世界的なバレリーナ、フランチェスカ・クレスパンが「スカボロゥの祭り」の公演中、前半を終えた休憩時間に控え室で殺害された。ところが死亡したはずのバレリーナは額から血を流しながらも後半も観客の前で踊り続けた。控え室はセキュリティが見張っており、クレスパン以外に出入りはなく、密室状態。頭を殴打した凶器も見つからない。一体何が起こったのか。20年経っても解決しない、奇妙奇天烈な謎に御手洗潔が挑む。

 久々の御手洗潔シリーズは600ページを超える超大作。単なる「密室」ものだけでなく、そこに「死者の踊り」という、とんでもなく魅惑的な謎が加わる。そしてナチ、ユダヤ、日本人。おとぎ話。まったく無関係にみえる事象が最後に繋がるなど、数多くのエピソードも読ませる。本筋に関係なさそうな物語やうんちくが今回もあるけど、それだけでも面白い。このあたりはさすがと思うのだけど、ただねぇ、ちょっと強引過ぎるというか、フェアじゃないかな。最大の謎が、そんなことだったの、それでいいのかいって感じ。だったらそれらしい伏線を張って欲しかった。

 「出エジプト」「バビロン捕囚」など受験勉強以来に出会う歴史用語もあって、懐かしさを覚えながらもこれが謎解きに繋がるのかとメモを取ったり、もしかして日本人とユダヤ人の繋がりが鍵になるのかと期待したんだけどね。「死者の踊り」にも科学的な解明がなされるとばかり思っていた。まあ、これは読者の勝手な思いなんだから裏切られてもいいんだけど、島田さんらしい切れ味がなかった気がする。ちょっとモヤモヤな感じですな。

 御手洗潔がストックホルム大学の教授というのは驚いたが、石岡役がハインリッヒさんになっていて、いっそう驚いた。

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